アルト オーエンのある日(後半)
文が長すぎたため、1日空いた投稿となりました。かなりの時間を消費したのに、分かりづらいですし長いです。とても申し訳なく感じます。これからはもっと読みやすくなればいいなと思います。
どこぞの国の王女、キリアを護衛しながらバレないように行動することになったアルト。キリアはとりあえず面白いところへ連れていけと言う。アルトが最初に向かったのは闘技場だった。
「おぉ~、すごい数の人間じゃ!!」
観覧席に着くとキリアは会場を見渡した。すごい数の人がいて、始まる5分前でここまで人が多い。座れたのは運が良い。
ちなみにフードを被っているからバレないと思うけど、僕はそこそこ有名だからいつか目立つだろう。
「ここは何をする場所なのじゃ?」
「ここでは冒険者達が他の冒険者と闘う場所だ。」
その言葉にキリアは
「殺すのか!?」
あまり王女らしからぬ発言だ。
「殺しはしないよ。決められたルールの元、どちらがより強いかを試すんだ。」
それを聞くとキリアは少しつまらなそうにまた会場を見渡した。
『お待たせしました。それより本日の余興として、武道家と剣士の闘いを始めます。』
『うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
会場の熱気は始まってもいないのにMAXだ。
そのアナウンスとともに、闘技場の2つの門が開いた。そしてそこから分厚い甲冑を着けた大きな剣士と、見覚えのある武道家が出てきた。
「え!?」
「どうしたのじゃ?」
「いや…なんかあの武道家…僕のパーティーの人に似てるなって…。」
「あの女か?」
キリアは門から歩いてきた、ルナによく似た武道家の女性を指差す。
……………というかルナだ。
『今回のルールは相手に参ったと言わせた方の勝ちです。スキル、魔法の使用は禁止です。』
ルナは準備運動をしながらアナウンスを聞いている。
一方、剣士の男は剣を抜き構えている。
「宜しくお願いします。」
ルナは武道家の作法として、闘う前に相手に掌と拳を合わせて礼をする。
「女性相手でも手加減はしませんよ。」
「こっちも全開で行くからね♪」
お互い相手を睨み、構える。
『それでは…開始!!!!』
ゴングの音が会場に響くと同時に剣士の男は斬りかかる。
当然だが、武器の使用は可能でも、闘技場から安全な物を渡される。なので剣士の男の剣は鉄ではなくアルミニウムだし、岩をも砕くルナのグローブはシリコンだ。
「そりゃっ!!」
「ぐあっ!!」
剣をギリギリまで引き付けて避けたルナは、剣士の脇腹に正拳突きを食らわせる。剣士の体はそのまま横に飛ばされる。
『おぉぉぉぉぉ!!』
会場はそのしなやかさに感嘆の声をもらした。
「ほらほら。かかっておいで♪」
ルナは片足を上げ、まるでカンフーのような構えで手をくいと曲げる。
「くっ…、まだまだ!!」
男は立ち上がり、またルナに向かっていく。
「おぉ!!行け!!そこじゃ!!」
気がつくとキリアもかなり見入っていた。
「よし!!良いぞ!!」
王女様にしては珍しいよね。決闘を見てここまで興奮するなんて。
「おぉぉぉぉ!!見たか今の!!あの武道家、かなりやりおるな!?確かお主の友なのじゃったよな!?」
「あぁ。ルナだ。この町の武道家の中でも、上位に入るよ。」
あれこれ話しているうちに試合は終わったようだ。闘技場の壁に追い込まれた剣士は、ルナの拳を顔面で味わう前に降参を宣言した。
闘技場を後にして僕たちは町を歩いていた。
「よし。次は鍛冶屋にでも行こうか。地味かも知れないけど、大丈夫かな?」
キリアならそんなところ行きたくないとか言いそうだけど。
「鍛冶屋か!!良いではないか!!妾はこれでも人間の武器に興味がある。」
「そうか。ならよかった。そう言えばキリ…」
「っ!!隠れろ…!!」
「おわっ!!」
キリアは何で人のことを人間って呼ぶの?
と聞こうとした瞬間、僕はキリアに路地裏に引っ張られた。
「どうしたんだい?いきなり…。」
キリアが角に隠れながら通りの様子を伺っていた。
「あれじゃ。妾の側近じゃ…。」
見るといかにもドジっ娘そうな女性が、豊満な胸をバインバインに揺らしながら走っていた。
「あぅ~。キリア様ぁ~!!どこに行ったんですかぁ~。叱られるの私なんですよ~…。」
おそらくキリアを探しているのだろう。嘆きながらひたすら主を探していた。
「なんか…可愛そうだな…。」
と呟くとキリアに頭を叩かれた。
「バカっ!!あの胸に惑わされるでない!!あれでも、20もの軍隊を従えている、軍団長なのだぞ!?」
えっ!?あれが!?そんなにすごい人なの!?なのにあの胸で、泣きながら走ってるの!?
………なんか自分と同じ香りがする。
「あいつなら放っておいても大丈夫じゃ。とりあえず、このままでは通りを歩けぬぞ…。」
爪を噛んで舌打ちするキリア。
本当に王女なのかこれ?
「…………♪」
そうだ。道ならある。屋根が。
「…よっと。」
僕はキリアを後ろからお姫様抱っこで抱き抱えるわ
「な!?どこを触っておる!!いきなり何をするのじゃ!!」
当然暴れますよね。
「イテッ!?叩くな!!頬をつねるな!!道ならあるから!!」
僕は足に魔力を集中させる。そして軽く地面を蹴ると、
「うぉわっ!?なんじゃ!?」
僕の体はフワッと屋根の高さまで跳んだ。
「屋根を通って行こう。あまり大声出すと見つかるから暴れないで…。」
「っな!?降ろせ愚か者!!自分の足で…」
「っ!!今キリア様の声が!?………私の耳は誤魔化せませんよ!!そこですね!!キリア様!!」
決めポーズをして、キリアの側近は、全く反対の方向に走っていった。
やっぱり…ダメ人間なんだ…。
それはそうと、
「バレるから騒がないで。…後息殺すために人の首に噛み付くな。頸動脈いったら僕死ぬから。」
キリアがさっきからお姫様抱っこ状態で噛み付いた口を離さない。………いや、痛くないわけでもないし、ドMな訳でもないよ?キリアの八重歯かなり尖ってるし、結構強い力で噛まれてるよ?たぶんレベル100の防御なかったら死んでると思う。
「………貴様のせいじゃぞ。」
やっと口を離してくれた。…これ…かなり痛いけど?
「ごめんね。とりあえず行くよ。結構揺れるから落ちないように気をつけて。」
あぁ、キリアに噛まれたところがスースーする。それに、何だか暖かい。………そう。これは血液の暖かさ………。
……………………………え?
「ねぇ…キリア…。ちょっと首見てくれない…?」
立ち止まったままキリアに首を見せる。
「………血が出ておる。」
あれま。どうりでじんじん痛む訳だ。
「安心しろ。動脈までは届いていない。」
良かった…。動脈やっちゃってたら死んでるよ。それよりどうやってその小さなお口のアギトにこんな力が…。
「………済まぬ。」
気の強い王女が謝るなんて予想外だ。
「何が?」
「折角、妾のためにしてくれたのに……、怪我をさせてしまって…。」
そう言うと首に生暖かく、湿ったものが触れる。
キリアがキズを嘗めてくれている。
「いいよ。謝らなくて。あと、僕の血液なんて飲んだらダメになるよ?」
「………お主は寛大じゃ。」
「え…?」
キリアは嘗めるのを止めると僕の顔を見つめていた。赤い瞳が僕を捕まえる。
「不思議じゃ…。お主は人間なのに…、何故ここまで優しいのだ?」
純粋なその目は疑問を持っている目ではない。ただ不思議で知ろうとしてる目だった。
「…さてね。僕だってわからないさ。自分を100%知ることはできないからね…。」
この目には嘘をつきたくないと思った。だが、同時に答えることもできなかった。
「…お前みたいなのは初めてじゃ。妾は貴様のような人間を見たのは初めてじゃ…。」
キリアはそっとルビーのような目を閉じた。
「鍛冶屋はよい…。紅茶が飲みたい…。」
「………了解。」
僕は適当に店に入った。
「ふ~…。やっぱり人間の紅茶は美味じゃ…。」
カップを持って満足そうに言うキリア。
「キリアは紅茶が好きなのか?」
「あぁ…。普段は飲めないからの。」
「へぇ…珍しいね…。普段は何を飲んでるの?」
「ワインかの…。」
「ワイン…?キリアは何歳なんだい?」
「歳など忘れた。」
「ハハッ。何だいそれ。面白いな。」
普通に明るい会話で紅茶を飲んでいた。すると、キリアはこんな質問をした。
「お主は冒険者なのか?」
紅茶を置き、僕の目をまっすぐ見た。
「まぁね。魔法使いだ。」
「何故、魔法使いをしておるのじゃ?」
「……………。」
アルトは黙ってしまった。
「む…?何かあるのか?」
「いや…。まぁ…ね…。」
アルトが冒険者になった理由。それは…
『パパ!!ママ!!いってらっしゃ~い!!』
「っ!?ゲホッ!!ゴホッ!!」
アルトはむせ、想いっきり咳き込んだ。
「だ、大丈夫か!?」
キリアは心配してかけよる。
「ガフッ!!…ご、ごめんよ。大丈夫…エホッ!!…だよ…。」
「何か…あるのじゃな…。」
キリアにはわかっていた。アルトには何か過去があると。
「………キリアなら、知ってるかな…?昔この町で起きた事件…。」
「事件?」
10年前の事だ。当時、アルトは7歳だ。この事件を町の人々は『無の召喚』と呼ぶ。その事件は簡単に言うと神隠しだった。夜になると、人々がどんどん消えていったのだ。誰かに連れ去られた訳でもなく、ただ消える。誰かがその瞬間を見たわけではない。だが夜道を歩いていた町のベテラン剣士がいきなり消えた。闇市からの帰りの商人が消えたなど様々だった。しかし、集団で歩くと誰も消える事がなかった。少人数ならば一人残らず消される。人々が怯えているとその悪夢はいきなり去った。消える人が出なくなった。後日、わかったことだと、町の地下に大きな魔方陣が描かれていたらしい。血で描かれた、町を丸々包む魔方陣が。しかし、何かが召喚されたと言うわけではなく、ただ人が消えたことから、『無の召喚』と名付けられた。
『それじゃ、アルト。パパとママは仕事で行かないといけないんだ。』
『しょうがないよ…。お仕事だもん…。』
『そんな暗い顔しないで…。帰ってきたらたくさん遊ぼ♪』
『うん!!ママ!!』
『それじゃあ、留守番よろしくな!!いい子にしてるんだぞ。』
『パパ!!ママ!!いってらっしゃ~い!!』
その夜、アルトの両親は帰ってこなかった。アルトの両親は『無の召喚』の最初の被害者だった。
それ以来、アルトはギルドから派遣された者に交代交代で世話をされた。実の親の愛など10年以上、受けてなどいない。
「酷いもんだよ。事件の犯人を知るために冒険者になったのに、才能が無いことに絶望。親の敵をとる目標も諦めて、気がつけばレベル100の引きこもりダメ人間。そして今は弟子の目標を手伝うだけ…。」
笑ってくれとでも言うかのようにアルトは椅子にもたれる。
「………ダメ人間ではない。」
「…え?」
キリアは低く、落ち着いた声で言った。
「主はダメ人間等ではない。少なくとも、妾が今まで出会ってきた人間なのに中で最高の人間じゃ。」
「…気休めかい?ありがと…」
「気休めではない!!」
キリアの声で店の中に響いた。
店員以外誰も居ないが、流石に店員は驚いて二人の男女を見る。
「それって、どういうこと…?」
「…まぁ、それはお主が自分で探し出せ。」
キリアはそう言うと再びカップを手に持つ。
キリアの言うことは時々よくわからない。まるで自分は人間でないかのようだ。でも…いろんな事を知ってる。おそらく僕よりもたくさんの知識を持っている。僕よりもたくさんの人を見てきた。だから言えるんだ…。これはおそらくメッセージ。簡単に訳すと、自信を持てってことかな?……今さら自信なんて…。もう捨てたよ。
……………師匠!!
………………いや、捨ててなかったな…。自信なら持ってるじゃないか。いつも『師匠』と呼ばれる度、僕を頼って来るとき………。ミルスがいるじゃないか…。だから僕はまだ自信を捨ててないんだ。なぜなら『師匠』だから。僕を頼ってくれる人がいるからこそダメ人間じゃないんだ。
キリアはそれを教えてくれた。
「ところでアルトよ。主の弟子の目標とはなんじゃ?」
話題を変えキリアが聞いてくる。
「え?あぁ…。魔王を倒す事だよ。」
「………ほぉ。大きい目標ではないか。」
あれ?
「え?」
「なんじゃ、どうした?」
「お、驚かないの?」
「どうしてじゃ?」
「本来、魔王を倒すなんて言ったらバカにされるのに。」
そうだ。この町の冒険者は誰もそれが可能だと思っていないから。
「…ワシは何も思わんがな。それとも、何か違うのか?」
「違くはない。…いや、違う…。………違うって言っても、違わないんだけど倒すの意味が違うんだ。」
言葉が変になる。
「主は何を言っておるのだ?もっと簡単に申せ。」
キリアが鋭い目で睨む。
これはミルスと会った日の夜の事だ。アルトはミルスに何故、魔王を倒したいのか尋ねた。それに対しミルスは平和のためと、ただそれだけ言った。そしてこう言った。
『倒すって言っても、倒すって言わないかもしれないんですよ。』
『…?どういうこと?』
『実は魔王はちょっとこらしめるだけで、その後合意に持っていけないかって思うんですよ…。』
『………つまり話し合い?』
『はい…。こんなの考えるなんておかしいかもしれないんですけど、生き物が争うのは仕方のないことだと思うんです。』
『どういうことだい?』
『えっと…うまく説明できないんですけど…。生き物って、他の生き物の命を食べるじゃないですか?それなのに、人間は食べられない。食べられないように戦います…。それは私も同じです。死にたくない思いから、自分等を狙う魔王達に恐怖しているのではないかと。それが戦いの引き金だと思うんです。要は人と魔王軍は話し合えば戦う必要がなくなるのではないかと…。』
『………。』
『でも…それなら…他の生き物はどうでもいいって話になってしまいます…。だから私は魔法使いになろうと思ったんです。この世の命の決まりを変える魔法を作れば、誰も争うことのない世界にできるって…。そのためには、魔族達の協力も必要ですし、何しろ理解してもらい争いを止めてもらうことが絶対条件なんです…。だから魔王を倒せるほどの力を手にいれたいなって…。』
『……………ハハ。すごい考えだ。そんなの誰も思いつかないよ。つまり魔王と言う人物を倒すのではなく、その存在を倒す。そういうことだね?』
『は…、はい!!』
「ハハハハハハ!!!!」
僕の話でキリアは大笑いした。
「面白いことを考えるのう、貴様の弟子は!!」
「ハハハ…。」
「ところでお主はそれが可能だと思うか?」
キリアは人差し指をまっすぐこちらに向ける。
「う~ん…どうだろうね…。魔王がどんな奴かにもよるし。」
「それじゃあ、もしもの話じゃ。もし、妾が魔王だったら可能だと思うか?」
…………………?何故そんなことを聞くんだ?
「それはもちろん可能だね。キリアが魔王だったとしたらきっとわかってくれると思う。」
「そうかそうか。やはり主は…いや、主らは面白い。」
キリアは満足そうな顔でカップを置いた。
「ねぇ…、キリアはどうして王女なのにこんなところにいるの?」
ずっと気になっていた。いくらどこにあるかわからない国でも、ギルドに連絡ぐらいはいくはずだ。それがないなら何故側近とここにいるのか。
「うむ…。実は…バハムート魔式を召喚したものを見に来たくてな…。」
「ぶっ!!」
キリアの目的を聞いて、僕は紅茶を吹き出した。
「なんじゃ!?どうしたいきなり!?」
まずい…このままではバレてしまう…。バハムート魔式を召喚したのが僕の弟子で、その件で表彰されたのが師匠の僕だなんてバレたら…。
「な、なんでもないよ!!」
しかし流石は王女キリア。どうやら僕が何か隠していることはお見通しのようだ。
「…言え。次は動脈を噛みきるぞ?」
ヤバイ…すごい威圧だ…。だが引き下がるわけには行かない。ミルスのためなんだ。
「言えない。これを言ったら色々大変な事にな、ギャァッ!!」
首に激痛が走る。いつのまにか近づいたキリアが赤く長い爪で、首の傷口を刺した。
「お主は妾が口外するとでも思ったのか?誰にも言わぬ。約束じゃ。言ってみよ。」
そう言いながら指を回転させる。その度に首が痛い。
「わかった!!信じます!!言います!!だから指を抜いてくれ!!」
結局、全てを話した。
ワイバーンの事。バハムートの事。そして、シルフィアと言う怪しいエルフの事。
「ほぉー。魔式の魔方陣を持ったエルフか…。妾にはよくわからんな。」
と言ってキリアはお手上げと言うボーズをとる。
「まだまだ謎だらけだよ。どのみちいつか解決して見せるさ。」
「にしても貴様の弟子が召喚して、さらに使い魔にするとは…。すごい弟子じゃな。」
「あぁ…。僕も越されないようにしないとね…。」
「フフ…頑張るのじゃぞ。」
キリアは僕に微笑んだ。
すると、そこに。
「キリア様ぁ!!探したんですよぉ~!?」
店のドアを開けて側近の子が入ってくる。
「おぉ!!リーザか!!ちょうどよい!!アルトよ。妾は帰るとしよう。楽しかったぞ。」
「おや?お帰りですか王女様。」
「キリア様ぁ!!何してるんですか!?人間なん…うぎゃっ!?」
キリアは立ち上がるとリーザの顔を鷲掴みにし、力を加えた。
「痛い!!痛いですぅ!!キリア様ぁ~!?うぁぁ~ん!!」
「リーザ。少し黙っておれ…。」
低く暗い声でキリアが命令するとリーザは口を自分の手で閉じた。
「お別れじゃ。不思議だ…またどこかで会える気がしてならん。」
「僕もです。キリア王女。」
軽く一礼するとキリアはリーザを引きずりながら店を出ていった。
店には僕だけしかいなくなる。
「さてと…。僕も帰るかな…。」
アルトは立ち上がり、2人分の紅茶の代金を支払い、出ていった。
こうして、アルトの長い休日は終わった。
町の外れ。一台の馬車が止めてあった。
キリアは早足で馬車に乗り込み、その遠くからリーザが走って駆け込む。
「ハァッ…ハァッ…。キリア様ぁ~酷いですぅ~。」
「うるさいぞ。それにもうその呼び名はしなくてよいぞ。」
「うぅ~、わかりましたぁ~。」
・・・
魔王様
「フフフ…待っておるぞ…アルト…。貴様が我を倒しに来るその日を…。」
魔王キリアはそのまま笑い続けていた。
本文から察せると思いますが、キリアは魔王です。内容的にベタな感じもしますが、設定上そうなのでいつか戦う日が来ます。




