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レベル100の引きこもり魔法使いが防御魔法を極めてたら  作者: 四季 恋桜
魔法使いが存在しなかったやる気を出して旅に出るまで
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消えたアルト

どうもです

私は平日となると、朝か夕方以外あまり投稿できなくなります。なので今回は朝に仕上がりましたが、1日1話ペースがやっとになってきます。

そこのところをどうかご理解願いたいです


これからもよろしくお願いします



次回

主人公ようやく動きます

「先程、緊急のクエストが発注された。」


 ギルドの上官らしき、眼鏡をかけた男性が冒険者およそ200人の前で話している。


「内容は、こちらに向かってくるあのワイバーンの討伐。依頼主は町長。報酬はまだ未定だが、これはこの町の存亡が関わる危機である。全員心してかかるように!!」


 上官の話はそこで終わった。


  次に出てきたのは大男。巨大な斧を背負った男で顔には大きな傷があった。


「俺の名はギル。このクエストは俺に指揮らせてもらう。」


  いきなり出てきてのこの発言にはざわつきが起きた。


『なんで勝手にしきんだよ!!』

『俺の方が絶対いいに決まってる!!』


「だまれぇぃっ!!!!」


『………』


 ギルという男はざわつきをたった一声だけで静めた。


「俺が指揮をとる理由はひとつ!!この町でもっともレベルが高いからだ!!俺のレベルは90。それ以上はいないはずだ!!」


 待って。今なんていったの?一番レベルが高いのは俺?90で一番高い?違う!!


「待ってください!!!!」


  気づいたら既に口が開いていた。


「なにか?」

「レベルの高さならまだ上がいます!!」


  その発言でざわつきが起こる。


「なんだって?」

「いるんです!!私の師匠はレベル100てす!!」


…………………………


 その言葉で会場が静まり返った。と、次の瞬間

『ハハハハハハハハハハハ!!』


  200人の冒険者が一斉に笑い始めた。


  私はその笑い声に悔しさとやるせなさで一杯になった。


『おいおいお前100だなんて…プクク…。』

『レベルアップまでの経験値の量は関数で変化するんだぜ?上がる度にあがりづらくなるんだ。』

『ん?いやまて!!確かにレベル100はいるけどそれって?』


「ハハハ…。いや、私は別に疑ってはいないよ。ただそのレベル100の師匠はどこにいるんだい?」


 ミルスの声は暗くなる。


「いなくなりました…。」

「なんだって?」


  ミルスは空気を吸い込んで


「いなくなったんです!!騒ぎと同時に姿かたちもなく!!」


 家に戻った時アルトはいなかった。既に集まったものだと思ってここに向かったが、結局アルトはここにもいなかった。


『おいおい。それって逃げたんじゃないのか?』


 そのとき誰かがそう呟いた。


  逃げた?誰がどこに逃げたの?アルト師匠が逃げた?逃げたのはアルト師匠?


  ミルスの頭の中は混乱を始めた。


 このとき、ミルスは心臓を手で握られるような感覚を感じた。


『この町のレベル100って言ったらあいつだろ?引きこもりのダメ人間。』


 そんな声が少しずつ増えていった。


『あぁあいつか…。この間、ボルドを吹っ飛ばしたやつ。』

『あれはボルドが雑魚すぎただけだろ?武道家は特定の技じゃないと防御魔法砕けないからな。それにただの魔力の銃弾だったら誰でも打てる。いくらレベル100でもあのダメ人間じゃ使えねえよ。ここにいるだけで邪魔だ。』

『ならあいつ逃げたんじゃねぇか?びびって弟子置いて逃げちまったんだよ!!情けねぇ!!ハッハッハッハッハッ!!』


「………。」


 ミルスは涙を必死に堪えていた。


「と、とりあえず!!今までの無しで話を続けてください!!」


  状況が流石にまずいと思い、ルナが話をもとに反らした。


「…そうか。では続けさせてもらう…。相手は…」




 アルト師匠…。一体どこにいってしまったのですか。どうして他の人はこうも冷たいのですか?わかりません…。師匠はただ自分の生き方をしていただけなのに…。


  胸の痛みはしばらくすると、目まで上がってきた。ルナとシーナに抱かれながらも、ミルスは必死に耐えていた。信じていた。それはアルトがきっとどこかでワイバーンの討伐に参加していると。逃げ出すようなダメ人間ではないと。







「ふぅ~…。平和だ。」


 蒼く澄んだ空をみながらアルトは横になっていた。


「みんなは今ごろ北の方か。」


  静かな町も面白いものである。いつもは賑わうギルドも全く人の気配がない。みんな避難したのだろう。この町には地下がある。大きな広間があり、緊急時はそこに避難する。かつて魔王軍がこの町に侵攻したときは地下に隠れてやり過ごしたそうだ。


「なんだか…眠くなってきちゃったな…。」


 さっきまで寝ていたはずなのだが、僕の睡眠欲は収まることを知らないようだ。


「…もうひと眠りするか…。」


  数秒後にアルトは寝息を立てながら、また寝てしまった。

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