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51 会場は占い神殿

 村に戻った裕次郎は薬の入った壷を持ち出して、集会所に運ぶ。

 日が暮れて、連絡を受けたメンバーが集まり、薬の完成を伝えた。


「完成したのか」「これデ一安心といったところダな」「よかったよかった」「どれくらいの分量があるんですか?」「私たちの種族にも行き渡りますか?」


 様々な反応を口に出す。それらを裕次郎は手を叩いて鎮める。


「説明するからきちんと聞いてくれ」


 言いながら周囲を見渡し、注目が集まったと確認して口を開く。


「俺が作ったのは二種類の薬。毒を消す薬と毒への抵抗力を上げる薬。ここにあるのは抵抗力を上げるもの。材料の関係で量産できるのはこっちだったんだ」

「効果はあるのか?」


 水竜の問いかけに自信を持って頷いた。


「実験はすんでる。これを飲ませたネズミも魔物も毒で死ぬことはなかったよ」

「なにか注意点はあるのか?」


 授業と同じようにキーンが手を上げて聞いてくる。マーマンからは彼が代表できていた。

 

「ある。これの材料は毒なんだ」


 毒を飲むということなのかと騒ぎ出した者たちに、再び手を叩いて注目させる。


「薬師は知っていると思うが、毒を材料にした薬はあるんだ。特別なことじゃない。それに実験はすませたと言っただろう。問題あるならこうして知らせる場を設けない」


 わかったかと裕次郎は集まっている者たちを見る。不安そうな者はいるが、納得いかないという様子を見せる者はいない。

 これならきちんと説明をすれば大丈夫かなと説明を続ける。


「注意点としては、飲んだら二日から四日ほど体調が悪くなるんだ。毒を体に慣らすためにそうなると思ってくれ、細かい説明はできるが、そこまで説明を求めてはいないだろう?」


 薬師たちは聞きたそうだが、他の者は危険がないのかということにのみ関心があり、細かい説明はいらないということに頷いている。


「薬師にはこの後説明するよ。話を続ける。体調が悪くなるから、一度に全員が飲むと看病とかで仕事に差し支える。だから薬を飲むのは一度に五十人とする。あと子供は念のため二度にわけて飲むことにする。症状の重い者が出たら、解毒薬の方を渡すから、耐えられないようなら言ってくれ。さっきでた質問だが、この壷で六百人分近くはあるから、村人全員に行き渡る。協定を結んだ種族へは海の民から材料を届けてもらってからになる。材料が届くのは三ヶ月よりも先だ」


 なにか質問はあるかと皆を見る。

 近くにいる者と聞きたいことはあるかと話し合っている。聞きたいことは聞けたようで質問はでなかった。不安そうにしていた者も解毒薬がでると聞いて、少しは安堵したような表情を見せている。


「納得したようだから、それぞれのグループから薬を飲む者を出してくれ。全員分あるんだから焦らずにな。あとヒアさんは頼みがあるからこっちに」

「なんでしょう?」

「ヴァインと一緒にマーマンのところへ急ぎ向かってほしいんだ。マーマンにプニリュートの粘液をもらってきてほしい。移動速度の速さから、適任はヒアさんたちなんだよ」


 それを使って遺跡の亀裂を塞ぐのだと説明する。


「わかりました。被害を減らせるのならば断ることはありませんわ」

「疲労回復薬とか能力上昇薬とか使ってどれくらいで行けそう?」

「んー……往復五日というところでしょうか、プニリュートの粘液をもらう時間も含めて。遅くとも六日で戻ってきます」


 それくらいかなと予想していたので、十五日という日数に変更はない。

 よろしくお願いしますと頭を下げて、明日から早速向かってもらうことになる。

 ヒアとの話しを終え五十人が決まる一時間の間に、裕次郎は薬師たちに薬の説明をしていった。使った材料の効能や技術で追いつけない部分があり、説明を受けた薬師たちは完全には理解できなかった。ここにいる薬師のほとんどは見習いなので、無理もないのだろう。

 わかったのは裕次郎がおかしいということだ。約二十年の人生にしては、知識をありえないほど持っている。

 実は人間に擬態した長寿の魔物ではないかと考える者もいる。身体能力を考えるとそっちの方がしっくりきて、村に裕次郎魔物説が流れ始めることとなった。そういった噂が流れたところで、なにが変わるということもないのだが。

 噂を聞いた本人は笑い飛ばし、噂を聞いたセリエやマカベルも気にしなかった。裕次郎が人間だから好きなのではなく、裕次郎という個人を好きになっている。今更魔物といわれても、騙していたのかと思うこともなかった。

 孤島に行くまでの十五日で免疫薬は行き渡る。村では最初に言ったように体調を崩す者はいても、容態が急変する者は皆無で、ほっとしたような雰囲気が村中に漂っていた。


 舗装剤を無事作り上げた裕次郎は、免疫薬の残りを一緒に持って、孤島の遺跡にやってきた。

 そこにいたバグズノイドに免疫薬を渡し、浜に向かう。


「確かに受け取りました! 三ヵ月後の再会を楽しみにしているであります」

「もしかするとセリエっていう森と平原の民のハーフか、フォーンっていうフォクシンが来るかもしれない。でも毒を免疫薬に変える薬はここに持ってくるようにするから」

「どうしてサワベ殿がこれない可能性があるのだ?」

「平原の民にも薬作りを依頼されてて、そっちのごたごたに巻き込まれる可能性があるんだ」


 海の民のようにスームズに行けばいいのにと思いつつ説明する。

 急に吹き出した身を切るような冷たい海風が、この先の困難さを示しているようで嫌だった。


「大変ですな」


 その大変さをいまいち想像できないといった顔で言う。優先すべきは命が助かること。それを念頭におけば、薬作りに関した忙しさ以外は起こりようがないだろうと考えているのだ。

 海の民は薬の製造を裕次郎に丸投げしているので、利益などといった細かいことは考える必要はない。一方で平原の民は自分たちでも行動しているし、薬作りで地位強化をもくろむ者、利益を求める者もいて、思惑が統一されていない。その違いが、ごたつく要因となるのだろう。


「そのごたごたに自分から関わるつもりはないから、好きなだけ勝手にやってくれという感じなんだけどね」


 できるなら民を巻き込まない程度に、王や貴族が疲弊しないかなと思っている。ただの願望で、絶対そうなれとまでは思っていないが。

 薬を渡し用事をすませた裕次郎は、彼らに別れを告げて遺跡に戻る。

 深淵の森に戻り、バグズノイドに今度はライトルティの遺跡へと設定変更を頼んで、魔力をワープ装置に注いでおく。

 そうして装置のライトルティへの設定変更が終わり、裕次郎は完成を告げるため出発した。


「久しぶりだな。完成したのか?」


 バグズノイドのリーダーに出迎えられ、装置の置かれている部屋を出る。


「完成したよ。既に使って不具合は出ていない」

「それはよかった。ライトルティの使者がいまかいまかと報告を待っているぞ」

「それに会う前に頼みごとをしたい。依頼料は薬でどう?」

「私たちも薬がなければ困るし、無茶な頼みでなければ聞くが」

「以前、魔法仕掛けの契約書を作ったって聞いたけど、それの質のいいものを六枚いや予備も含めて十二枚作ってほしい」

「それくらいなら簡単だ。条件などは決まっているのか?」


 専用の装置を使って簡単に作ることができる。装置の扱いの習熟により、できに差が出てくるもののたいした労力ではなく、その程度でよいのかと首を傾げた。


「一応決まってるけど、追加とかできる?」


 基本的に追加をするつもりはない。王たちがごねなければ最初の条件のままで通すつもりだ。その条件でもそれなりにひどいのだが。


「できる。ただしここに持ってくる必要があるが」

「そっか。まあいいや。今から言う条件で作ってほしい」

「専用の装置のある部屋まで一緒に行こう。そのほうが早い」


 バグノイドに先導され、机が並びその上に似たような機械が並ぶ部屋に入る。机の上にはキーボードと手のひらサイズの艶のある石版が置かれている。

 キーボードにバグズノイドが触れると、石版が浮き上がり、薄く広がる。

 パソコンに似ていて、どこか違うそんなものをバグズノイドは操作していき、石版に映る画像が色々と変わっていく。


「準備できたぞ。条件を教えてくれ」


 いくつかの条件を口に出し、それぞれ条件の少し違うものが予備も含めてできあがった。文字は以前も見た読めない文字で、訳したものを別に書く必要があった。

 契約書を受け取り、ライトルティからの使者に会いに行く。部屋に案内したバグズノイドは各遺跡で連絡を待っている使者たちへと完成を伝えるため離れていった。連絡はワープ装置のように時間がかかることはないが、それでも設定変更は必要で、半日の時間を必要とする。

 案内された部屋には久々となるロコウがいた。


「お久しぶりです」


 裕次郎を見ると少し不思議そうな顔をしつつも頭を下げてくる。裕次郎も下げ返し、


「薬完成しましたよ」

「本当ですか!?」


 嬉しそうではあるが、同時に疑惑も見え隠れする。

 これまで幾度も協力を断られていたところに完成報告があり、驚き戸惑う。一人で完成させるとは思っていなかったのだ。今日来たのは協力を欲してだと思っていた。不思議そうな顔をしたのは、切羽詰っているにしては余裕があるなと思ったからだ。


「このようなことを聞くのは失礼だと思うのだが、効果はきちんとでるのだろうか?」

「何度も実験しましたし、使って大きな不具合もでていませんね。完全に大丈夫とは言い切れませんが、九割九分大丈夫という自信はあります」

「そう、ですか」


 待ち続け気を揉んでいたロコウは、大きく安堵し体から力が抜け床に座り込んだ。

 王都から入ってくる報告は、薬の研究は遅々として進んでいないという悪いものしかなく、裕次郎からは進展すら聞けなかった。少しずつ迫る予言の日にロコウの精神は悲鳴を上げていた。

 大丈夫かと裕次郎は手を差し出して、椅子に座らせる。


「ありがとう」


 礼を言って、水をいっきに飲んで裕次郎へと視線を向ける。


「レシピを公開してもらえるのだろう?」

「ええ、しますよ。王たちにいくつかの条件を飲んでもらいますが。死ねとか王位を退けといった無茶は言いませんから安心してください。ヘプシミンの王には言いたいですけどね」


 そんなことを言えば、ティークやオルガンといった知り合いの生活が、政権交代の余波で滅茶苦茶になりかねないので言うことはない。現状でもそれなりに苦しいことになっていると推測しており、とどめをさすようなことはする気はない。ツアもヘプシミンという国を壊したいのならばともかく、無事を祈るのならば止めておいたほうがよいとアドバイスしていた。

 まあ、そうだろうなとロコウは口に出さす、心の中で頷いた。

 ロコウが知っているだけでも冤罪での手配書の配布に、住んでいる場所への強襲だ。思うところがないわけがない。後者は偶然だが、前者は言い逃れができない。

 自国が手配書の配布を断ってよかったと安堵している。


「交渉の場として王城に招くことになっているのだ。いつ出発できる?」

「あ、それ断ります」

「は?」


 断られると思っていなかったロコウはポカンと口を開けて呆ける。


「いやしかしね、話し合わなければ君の言う条件も通らないのではないか?」

「王侯貴族に関わって碌な目にあってなくて、そういった人たちの本拠地に行く気はないんですよ。場を設けたいなら、ここか占い神殿のどちらかです」

「世界の行く末を決めるようなことだ。会場もそれなりの場所ではなければ格好がつかないのだよ」

「占い神殿もある意味ちょうどいい場所でしょう? 危機を最初に告げた場所だから。王城でなければ駄目な理由があるんですか?」


 あるのだ。裕次郎には関係ないが。ライトルティの王城で交渉を行うことで、今回の騒動解決はライトルティが主導で行うと世界に示すつもりなのだ。そうして各国に優位であろうと王たちは考えていた。

 そういった事情を聞けたところで裕次郎の知ったことではなく、変更は聞かないのだが。


「どうしても神殿かここでなければ駄目かね?」

「駄目ですね。少しでも王侯貴族に関連したところから離れたいです」

「無理にこちらの主張を通そうとすると?」

「レシピ渡すどころか、会場まで行きません」


 すなわち人間全滅。そういった言葉がロコウの頭に浮かんだ。海の民の頑張りのおかげでそこまではいかないだろうが、それをロコウが知るはずもない。

 薬が完成すればあとは順調に行くと思っていただけに、突然降りかかった難題にくじけそうになる。


「ここよりは神殿のほうがまだましだろう。なんとか神殿で話し合えるようにしてみせるよ」


 溜息混じりにそう言うしかなかった。


「では俺は一度向こうに帰ります。王たちが集まるのに時間かかるでしょう?」

「バグズノイドに聞いた情報をもとに考えて、二十日くらいはかかるだろうね」

「じゃあ十五日ほどしたら、こっちに戻ってきて神殿に向かうことにします」

「このまま神殿にいっても悪いようにはしないけど?」

「レシピとか持ってきてないんで」

「ああ、そうか」


 そういうことなのでと裕次郎は装置を使って深淵の森に帰る。


 各地への連絡は裕次郎が帰っている間にきちんと行われ、各地の遺跡から早馬が王城へと向かう。遠出の準備は整っていたため王たちは急ぎの仕事を済ませて遺跡へと向かう。ワープ装置を使うのに、魔力が必要と聞いていた王たちは、多くの護衛を連れていくわけにもいかず、精鋭を選び同行させる。

 精鋭といってもツアのように突き抜けた者はおらず、かろうじてロンタに追いつける者が三人いる程度だ。

 

 十五日という時間が流れ、裕次郎は契約書やいろいろと薬を持って、ライトルティの遺跡にやってきた。

 遺跡と麓の村には各国の王を守るため兵が多く集まっていた。

 裕次郎を待っていたロコウの部下と一緒に雪景色に染まる山を下りる。ロコウの部下は、裕次郎の身分証明のためこのまま占い神殿まで同行する。今占い神殿では警備が強化され、出入りを制限され始めていた。裕次郎一人では追い返されかねないのだ。


「そうなったらなったで少し面白そうですけどね」

「笑い事ではありません!」


 そんなことで人間全滅などなってたまるかとロコウの部下は声を荒げる。

 大災害が迫る現状でこのような態度の裕次郎を、ロコウの部下は本当に解決策を持つ薬師なのかと疑いを持っている。

 不機嫌なロコウの部下に準備してあった馬車へと案内される。


「少し待っててください、護衛のための兵を連れてきますっ」

「堅苦しそうだから必要ないよ」

「しっかり警護しろとロコウ様からの指示なのですっ」


 指示がなければ一人で追い出してやるのにと考えつつ、離れていく。

 

「このままの感じで接していったら、あの人の胃が大変なことになるかもしれん」


 いかんいかんと頭を振る。国政に関わる人間ということでいささか態度がとがっていた。

 ロコウの部下に思うところはないので、今後は控えめでいこうと考えていると、見知った気配が近づいてくる。


「この気配はツアさん? 当たった」

「やあ、久しぶり」

「もうこっちに来てたんですか?」


 ツアには薬の完成には約半年と言っていたはずだ。今はそれを言って四ヶ月ほど。来るには早すぎだろうと思った。


「たまたまだよ。ヘプシミンの遺跡になにか異変があったか様子を見に行ったら、ちょうど解毒薬ができたと連絡がきたところでね。そのままこっちに来て滞在してたんだ」

「薬を受け取りに来たんですか? ツアさんのぶんはありますけど村人全員分は用意できてませんよ?」

「いやそうじゃない。一緒に占い神殿に行こうと思って、一人くらいは信じられる護衛が必要じゃないかな」

「いざとなれば一人で逃げ出すつもりだったんですが。村人を人質に取られるとツアさんも敵に回りません?」


 そうなれば逃げられる自信がまったくない。

 ついてきてもらえば頼もしいが、同時に爆弾も抱えるような気もしている。


「あーそれは否定できないね」

「んー……条件の再確認のためソルヴィーナまでついてきてもらうってだけでいいかな。そのまま遺跡に戻って、逃げ出す時の邪魔をしなければ、村人全員分の薬を遺跡経由で渡す。あと約束の薬のことは秘密にしてください。こんな感じでどうです?」

「逃げる確率はどれくらいだと思う?」

「そうですね……それほど高いとは思えないです。決めた条件に追加とかしていませんし」


 無茶な条件にしてはいるが、裕次郎たちに関わらなければ無害になるのだ。


「あの通りなら、少し不安はあるけど大丈夫かな。わかった、街までの護衛の後一足先に帰るよ。んで薬のことなんだけど、どうして秘密に?」

「ちょっとした考えがあってですね。目的を達するための小細工なんです」

「……まあ、きちんともらえるのなら問題ないよ」


 じゃあそういうことでと、握手を交わし一緒に馬車に乗り込む。


「これが約束の薬です。三日ほど体調が悪くなりますが、必要なことなんで気にしないでください。もし体調が悪くなりすぎたら、言ってください。対処できますんで」

「わかった」


 渡された薬の少なさにこれだけでいいのかと疑問を抱きつつ飲み下す。


「少し辛いね、これ」

「海水が混ざってますしね。毒入り海水を薄めたものに、いくつかの材料を加えて薬へと変化させたんですよ」

「毒?」


 表情を硬くして、動きを止める。邪魔されないように毒殺を狙われたのかという考えが脳裏をよぎる。

 それを察して、笑いながら右手をぱたぱたと振る。


「ああ、大丈夫です。既に何人も飲んで死んだ者などいませんから」

「そうなのか」


 ツアを安心させるように、小瓶から三滴ほど免疫薬を手に落とし舐めてみせる。

 それを見てツアは体から力を抜き、警戒を緩めた。


「ツアさんを毒殺する理由がありませんし、もしするとしても万端の準備をしてから実行します。そうしないと毒が回る前に殺されて、相打ちになりそうですし」

「少しでも余裕があるならそうするかな」


 ただで殺されてやるつもりはない。命は駄目でも腕一本くらいは持っていくつもりだ。

 怖い怖いと話していると、ロコウの部下が兵を連れて戻ってきた。


「そちらは、村で何度か見かけた人でしたか」

「俺の知り合いですよ。遺跡の装置を使ってヘプシミンからここまで来てくれたんです。ソルヴィーナまで護衛してくれるそうです」

「護衛は兵がいますよ?」

「万が一がありますからね。この人勇者よりも強いですよ? 巨体種が現れても軽く追い払ってくれます。でも占い神殿までは同行しないんで安心していいですよ。兵たちの仕事を奪うことはありません」


 本当なのかと強さを疑うロコウの部下に、模擬戦してみたらどうですと裕次郎が言う。

 ツアの兵に苦戦するならば連れて行かなくていい、と言う言葉にロコウの部下は頷き、兵の一人に模擬戦を頼む。

 兵も王の護衛のため選ばれた者だ。実力には自信があった。

 が、ツアは雪でぬかるんだ地面など気にしないとばかりに攻撃を全て回避し、寸止めを繰り返し、まったく兵を寄せ付けない実力を見せつけて、同行を認めさせた。

 荒い呼吸で構えもとれない兵と、まったく息を乱していないツアを見れば、どちらが強いかなど武術の心得のない者でもわかる。


「……わかりました。同行を認めましょう」


 実力者がいて、ソルヴィーナまでの不安が減ることは歓迎できることだった。

 雪道移動用の馬車に乗り込んで、早速出発する。

 ソルヴィーナまでの道は兵たちの行き来のおかげで、雪がある程度踏み固められている。そのため雪を溶かしながらの移動はしなくてよく、スパイク付きの車輪で十分スムーズな移動ができた。道中、魔物の襲撃は一回で、ツアの出番もなかった。

 

「じゃあ、私は宿に行くよ」

「ええ、ここまでありがとうございました」


 ソルヴィーナに到着し、馬車を降りた裕次郎は遺跡にツアと別れをかわす。

 ツアはしばらく街に滞在する予定だ。王たちがここに集まり、遺跡周辺の警備がゆるくなってからでないと不審者として捕まるかもしれないのだ。

 なので裕次郎が街をうろつけば、出会う可能性もある。それは既に伝えてあるので約束を破ったことにはならない。

 ロコウの部下に連れられ、裕次郎は街の中を歩く。

 街中の様子は慌しさと動揺が漂っている。いつも冬は他の季節に比べ静かなのだ。それなのに兵が多く、あちこちと調べて回っていて、なにが起こるのかと不安を隠せない。急にここに集まることが決まったため、不審者などの捜査を大慌てでやり荒っぽいことも住人の不安を煽っていた。

 そんな街の様子をロコウに聞くと、あんたのせいだと返事が返ってきて、説明を受けてそりゃそうだなと納得した。


「街の人には悪いことしたなぁ」

「ここに移動させられる王や貴族もいい迷惑ですよ」

「そっちはどうでもいいな」


 本気半分演技半分で言う。演技なのは少し考えがあるからだ。王に対する態度を知らせてほしいのだ。


「よかないでしょうに。王ですよ王。各国で一番偉いってのに」


 この人と話すのはほんとに疲れると溜息を吐いて、神殿の門番に通行書を見せて扉を開けてもらう。

 扉を抜けてすぐに、そこにいた兵に止められた。


「荷物検査をさせてください」

「わかりました。あなたもいいですね?」

「いいけど、いろいろとあるけど時間かかるよ?」

「王たちの安全にはかえられません」


 怪しさの低いロコウの部下の検査も念入りにされて、裕次郎も同じ検査を受ける。

 荷物を受けとり、地面に置いた兵は中を見て、


「ずいぶんと瓶が多いですね」

「薬ですよ。ここまで送ってもらえると知らなかったんで、一人旅でも大丈夫なように準備をしっかりとしてます。頭痛薬といった日常品から能力上昇薬といった魔法薬までそろってます。ところで今回の騒動に関しての薬もあるんですが、触って割ったりしたら一騒動ですみませんが、触らせます?」


 後半の部分は事情を知っているロコウの部下に聞く。


「え? あ、ちょっと待った!」


 尋ねられたロコウの部下は慌てて、荷物を探る兵たちを止めた。

 事情を知る兵たちの上司を呼んでもらい、瓶の詳細な検査は免除するように交渉する。

 荒い扱いをする気はないが、万が一を警戒し瓶は触らない方向で検査することになる。

 兵にとって緊張する検査を終えて、二人は神殿へと進むことを許された。

 裕次郎はここを渡るのも久々だと湖に視線を移す。湖は凍るほどではないのか、水面が風に揺れている。岸には兵たちが立っており、侵入者を見張っている。

 いつも入っていた裏口からではなく、正面から神殿に入る。

 来るのが一般人ではないためか、飾りつけが以前見たものと違い、どこか高級感を漂わせた像や絵があちこちに置かれている。場の雰囲気もそれらにつられて厳かなものへと変化していた。目立ちすぎないように位置を計算して置かれているようで、配置を指示した者のセンスが光っていた。

 しかし裕次郎にはそこまでわからないので、ただ高そうな物が置かれているなと感じただけだった。森で暮らしてれば高級感よりも実用性が求められるため、そこらの感覚は鈍っている。

 まずは客室に通されて、そこで寝泊りする部屋へ案内する者が来るまで待つことになる。

 十分ほどで扉が開き、見覚えのある顔が入ってきた。


「フィナさんが案内役?」

「はい。そして滞在の間の世話役でもありますね。見知らぬ人がそばにいるよりいいだろうという判断で決まりました」

「では私は役目を終えましたので帰ります」


 フィナの到着を確認し、ロコウの部下が扉へと近づいていく。


「世話になりました」

「案内くらいしかしてませんけどね」

「神殿に入れたのはあなたのおかげですし、礼の一つもいいますよ」

「仕事を果たしただけなので、礼を言わなくていいのですが……」


 受け取っておきますと言い、部屋を出ていった。


「私たちも部屋に移動しましょう」


 フィナに促され、部屋を出る。


「俺がここを指定したことで色々と忙しくなったんだよね?」

「そうですね。掃除とか、出入り口の点検とか色々としました。厳つい兵たちが出入りして、子供たちが泣き出したりして大変でした」

「ごめんね、城には行きたくなくてさ。子供たちは今は落ち着いた?」

「一時的に外に出してますね。世話役の大人と一緒に大きな宿で暮らしてますよ」

「お偉いさんたちに無礼がないように?」

「ええ、異能でなにかしでかしたら国同士の問題にまで発展しますから。神官長の許可を得て、異能を使わないよう言いつけて神殿の外へ」


 街の外ではないにしろ、出るのが楽しみだという子たちが多かった。街中の景色でもいつもと違い、珍しいのだ。

 厳つい兵に囲まれ、お偉い方への対応に常時監視がつく窮屈な生活よりもずっと過ごしやすいだろう。


「ここです」


 話しているうちに部屋に到着する。

 部屋は十二畳ほどか、ベッドが一つあり、テラスもある。飾り気はなく、家具も必要最低限だが、一人部屋としては十分な広さだろう。


「日当たりも良さそうだし、ここ使っていいの?」


 そう言いつつ、侵入が簡単そうだとテラスを見る。

 ツアや水竜たちと話して、盗みを指示される者もいそうだと予想していた。


「はい。賓客の一人なのでこういった部屋がいいだろうと、神殿内の飾りつけなどを担当した貴族様が仰ったようです」

「ありがたいことだね」


 感謝を示したが、侵入ルートが既に完成しているかもしれなと心の中では警戒度を上げた。

 それに気づかずフィナは話を進める。


「食事はどうしましょうか? こちらに持ってくることもできますし、貴族様たちと食べたいなら食堂に来てもらうことになりますが」

「こっちでお願い。テーブルマナーとか知らないし、特に話題も提供できないし、不快にさせるだけだと思う」


 政治的な話をされても面倒なだけだしと心の中で付け加える。


「わかりました」

「でも一人のご飯は寂しいんで、フィナさんも一緒に食べない?」

「え? いいですけど……寂しいなんて可愛いこと言いますね」


 きょとんとしたあと、微笑ましそうにくすくすと笑う。

 この誘いは食事に毒を盛られることを警戒してだ。フィナも一緒ならば毒を盛られたと証言できる者が一人増える。

 一人は寂しいというのも本音ではあるのだが。


「ほかになにかある? 風呂とかはどうなってる?」

「ほかはなかったはずです」


 風呂やトイレのある場所、風呂の使用時間といったことを話していく。

 

「粗方聞いたかな……王たちが集まるまで暇なんだけど、街に出てもいいのかな? 本屋にでも行って暇を潰そうって思ってた」

「外出に関してはわかりませんね、でも本なら神殿にも揃ってますよ。外の本屋に行くわけにはいかないですから」

「ああ、そうなんだ。じゃあ魔法に関しての本もある?」

「ありますよ、生活に関連したものがほとんどですが」


 好都合だった。攻撃よりも生活関連のほうが村での生活に役立つ。少なくない生活用の魔法を習得しているが、全部を修めたわけではない。滞在中にたくさん書き写してしまおうと、今回ここに来たことを初めて嬉しく思える。

 料理レシピなんかも写して帰ればセリエが喜びそうだ。


「それでも十分暇を潰せるよ、よかった。書き写したりしてもいい?」

「大丈夫です。禁止されていません。紙とかは私の方で準備しておきますね」

「ありがとう」

「サワベさんの到着報告と紙を取ってくるついでによければ本もとってきますけど、どうします? 自分で選びます?」

「じゃあ、お願い」


 できるだけ早く戻ってきますと言い、フィナは部屋を出て行く。

 裕次郎は荷物を解いて、着替えを出し、洗濯物とわけておく。それが終わると、テーブルに解毒薬ついて書かれた六枚のレシピを裏返しにわざとずらして置く。それが風に飛ばないよう解毒薬の入った小瓶とインク壷などで押さえる。そしてズレの形をメモにとり、よく覚えておく。

 あとは適当に頭痛薬といったものも置いていく。

 旅装から着替え終え、テラスから侵入するにはどういった経路をたどるかなど確認していると、フィナが戻ってきた。


「お待たせしました」


 本などのついでに飲み物も持って、部屋に入ってくる。

 テーブルにポットなどを置こうとして、手を止める。


「これは?」

「解毒薬とレシピ。ほかに頭痛薬とか日常で使う薬も出しておいた」

「これが解毒薬ですか」


 これさえ広まれば被害がでずにすむのだと思うと、小瓶が輝いているようにも見え近づくのも躊躇われた。

 間違っても小瓶を倒して床に落とさないように、ポットを持つ手を少し震わせつつ慎重に置いていく。


「そこまで緊張しなくていいよ? 作りなおせるし」

「そうは言っても私たちにとってありがたいものですしっ」


 心底感謝していると力を込めて言われると、フィナに思うところの少ない裕次郎としてはすまなく思う。ブラフとしてそこに置いてあるのだ。予備の材料も持ってきていて、扱いがぞんざいでも気にしない。

 多少疑っているのは、フィナも神殿の人間で本人も知らないところで利用されている可能性があるからで、神殿にいる間は裕次郎は全てを疑う覚悟でいる。水竜やツアにもそのようにアドバイスを受けていた。誰が味方で敵かわからないのならば、いっそのこと全て敵と思っていたほうが迷わずにすみ対処は楽ということだ。


「必要とされているのはレシピだし、そっちを消失しなければ気にしすぎることはないと思うんだけどね。それはいいとして、外出はわからないって言ってたけど、神殿内を歩き回るのはどうなの?」

「神官長などの部屋といった入ってはいけない部屋に行かなければ、出歩きは自由です」

「中庭とかにも出ていいってことだね」

「はい、それは大丈夫ですね。もう一ヶ月二ヶ月すれば花壇が綺麗なんですよ。今は殺風景ですが」


 街外に出たフィナにとっては、花壇の風景も物足りなくなっている。脳裏に焼き付けた自然の風景には敵わない。贅沢な思いとわかっているので口には出さない。


「そういえば貴族様が一度くらいは挨拶したいので、食事を共にしたいと言っていましたよ」

「マナーとか知らないって伝えても?」

「軽くでいいからレクチャーしてほしいと頼まれましたし、メモもあります」


 形だけでも取り繕えば、なにも言わないということなのだろう。


「フィナさんが教えるってこと?」

「はい。私も粗相しないようにある程度教わっただけですけどね」


 めんどくさと思っているが、全て突っぱねて警戒を表に出すこともあるまいと誘いを受けた。

 明日の夕食を共にすることを希望しているということで、今日の夕食時に教えてもらうことにする。明日の昼に再確認すれば最低限はどうにかなるだろう。

 その後は、フィナが沈んだ水上都市までの行程を聞きたがったので、無駄に緊張させた詫びもかねて話していく。大青鮫との戦いや水上都市の様子は話したが、海の民との出会いや、半壊した遺跡は話さなかった。


「もともとは島のように浮かんでいたんですかぁ」


 異能者でも見ることのできない水上都市の風景を夢想し、フィナは楽しげな表情を浮かべている。

 海底で見つけた石版で以前は浮かんでいたことを知ったという嘘に、フィナはなんの疑いも持たなかった。確かめようがないし、確かめる必要もない。


「大昔の技術ってすごかったんですね」

「空に浮かぶ島もあるらしいよ。今も浮かんでいるかもしれないってさ」

「空? 水に浮かぶのはまだ想像できるけど、空は現実味がなさすぎて想像もできない。一度くらいは見てみたいですね」

「俺もだよ」


 太陽の位置や影の位置からそろそろ昼だと気づき、フィナは昼食を取ってこようと立ち上がる。

 昼食を一緒に食べて、洗濯物に気づいたフィナが引き受けて食器と一緒に持って部屋を出ていく。

 一人になった裕次郎は持ってきてもらった本を読んで、知らない魔法を探し始めた。

 次の日もフィナと話し、本を読み過ごしていく。そうして夕食の時間が来た。

 見苦しくないようにと神殿から提供された礼服をフィナが取りに行っている間に、爪にマニキュアではなく自白薬などに対する薬を塗っていく。少量だけなので、完全には防ぐことはできないが、薬のある自室に戻るまではもつ。必要以上の物は持ち込めないだろうと、毒などの対策としてこういった手段をとることにした。

 そういった準備を終えて食堂に向かう。

 上着は濃紺色の燕尾服。袖や裾や襟に金糸で刺繍が施され、生地も普段裕次郎が着ているものより断然上だ。燕尾服の下は白のシャツで、ボタン辺りにレースで飾りつけされている。ズボンは上着と同色のものだ。首元はしっかりとボタンで留められているが、ネクタイも蝶ネクタイもない。

 髪もしっかりと櫛が入れられ、整髪剤で整えられた。

 王たちの前に出る時もこれでいくことになっているらしい。


「ずっとラフな格好で過ごしてきたから、堅苦しくてかなわないよ」

「かっこいいですよ。惚れてしまいそうです」


 フィナが笑みを浮かべて言う。そこに好意はあるものの、愛情は見えない。冗談交じりの言葉なのだろう。

 裕次郎はそれにありがとうと返して、フィナと一緒に食堂へと向かう。


感想誤字指摘ありがとうございます


》国家が暴走しそうでこわいな^^;

さすがに暴走するのはまずいと考えるはず


》というか色々と頑張ってはいるんだから薬出来たことぐらいは王国側に教えてあげて裕次郎w

知らせなかったせいでロコウの胃荒れた状態に


》裕次郎の教えを受けた人達で、将来的にWHOみたいなのが創設できそう

魔物が主体のWHO。実現した世界は平和そうだ


》毒のことでなんやかんやと大変そうな裕次郎ですがなんとか解決に向けて前向きでよかった

森への被害は減らしたいから頑張りました。


》海の民は納得してくれましたが、理解できないやつとか出てきて、この薬師はわるいやつだー!~

ほかの薬師に一緒に説明してもらえばわかってもらえると思うんですよね。薬師は毒が薬になると知ってると思うので


》ところで多尾狐って固有名詞なん? 種族名っぽいけど。種族名だと友人に「人間ちゃん」~

種族名ですね。水竜のように数匹いるわけではなく、一人だけで、そう呼んで通じるので気にしていないです。一応アマネという名前はあります

ヴィアシーやケンタウロスやドライアドも同じです


》花ちゃん今回でちょっと裕次郎にww

ちょっとだけですけどね


》あっさり魔王殺せばとか言っちゃうんですね

言います。ミュール自身は一般人なので魔王に関する考えは倒して当たり前というものです


》発生源が分かってるんだから中和すること考える方が自然じゃないかなぁ

これは書き手の発想の問題ですね。私が解毒を先に思い付いたのでキャラクターたちもその方向で考え始めました


》今回の最後、見覚えあるのは気のせい?

見てみたんですが、おそらく初見のはず


》王族に限らず人間からすれば魔物に回す薬を作る裕次郎が狂人で間違ってる~

そうなんですよね。普通の人からみれば魔物も救おうとする慈悲深い人ではなく、おかしな人という評価になりますね。人間なんだから同族を優先しろ、魔物見捨てろと言う人はもでてくると思います。


》もうお互いがわかりあう事はかなり難しそうな気が

森での暮らしに不都合を感じていない裕次郎からは歩み寄ることはないと思います


》今更、裕次郎の冤罪解いても無意味だよね

ヘプシミンになにか用事があれば意味はあったんですが、絶対やりたいということもないですからね

ティークの様子が気になるくらいですが、これもツアに見に行ってもらえばいいし


》海の民の原因を断つという提案は、裕次郎に独力の限界を再認識させるという点で~

ここは私の力ではなく、感想のおかげですね。私では思い付きませんでしたから、書き手自身も独力の限界を知ることになりました


》毒薬密閉後、地上に上げて、確りした坪の中に移し変え、解毒薬を投入してカウンターアタック

免疫薬が完成し、毒の流出量も減らせるということで安心したからかな。これ以上の行動は必要なしと思ったといった感じでしょうか


》多尾狐には本当の父様がいるのだからここはパパ

これを実行したときのセリエとマカベルの反応が見物だと思われる


》ここの主人公は問題が発生したら色々試行錯誤して失敗とかもして…というのが~

複雑になるとファンタジーだからと都合よく動かしている部分もあるんですけどね


》ユージローは気づいてなかったみたいですけど、解毒薬では数が足りてても解決してなかったんじゃないかと~

いざとなれば上に書いたようにファンタジーだからという逃げ道が!

毒は何度でも薬を飲まなければという部分で、耐性を得たと逃げ道使いましたし


》辞書登録すれば大丈夫だと思います

パソコン買い換えたら大丈夫になりました


》全世界に及ぶほどのものなら大量の薬を作るのではなく、中和剤を作るべきだったかと~

その方法もあったんですね、思いつかなかっただけでいろいろと方法があるものですね


》当たり前過ぎると気付きにくいものですね

いろいろアイデアもらいましたが、これも書きながら気づいて、プロットでは解毒薬のみでなんとかする予定でした


》「いつかすごい毒が流れるけど、手を出しちゃ駄目だよ。勝手に流れ出すのを~

こっちでもよさげですね。

海の民の気質を考えたら広めるのも問題はないのかな


》毒は耐性を付けるか中和しか対処方法がないような?

毒へ対処を考えたときに、中和を思いつけなかったんですよね


》しかし、めちゃくちゃ薄まってパンデミック起こすほどの毒って原液に近い~

深く考えずにだした毒がとんでもないことに!?


》森はセリエ絡みで問題ありそう。山は問題ないかな?

次の話で対処がわかるかと


》感情移入の結果なのか、平原の民の国は割とどうでもよくて魔物の村の平和が続くよう願ってしまいますね

書き手がそう思ってますしね。しばらくは平穏が続くようにしたいところです

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