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天国

作者:Nihil
最新エピソード掲載日:2025/12/10
世界はずっと昔から、同じ問いを抱えてきた。
人は死んだらどこへ行くのか――と。

宗教が違っても答えは似ていた。
良い者は天へ、悪い者は地へ。
あるいは無へ戻る、と。

しかし、どの教えにも共通していたのは「魂」の存在である。
魂は肉体とは別にあり、もともとどこかへ帰るべきものだ、と。

物語の語り部である“私”は、
各地の伝承を読み解くうちに一つの奇妙な一致に気づく。

――天国という場所は「上」ではなく「外側」にある。

現実は何層もの次元のうちの下層であり、
人々の怒り、恐れ、愛、執着は
魂に“重さ”を与え、この層へ縛りつける重力となっている。

ならば魂に質量がある限り、
人はどう頑張っても上へは、外側へは行けない。

ではなぜ、魂は軽くならないのか。

記録を読み進めるうちに私は知る。
この世界にはかつて“神の真似事ができる者たち”がいたことを。
彼らは創造する力を持ち、
その強烈な欲望が世界全体の層を重くし、
魂が浮かび上がれないようにしてしまったのだ。

人々がどれほど祈っても、正しく生きても、
魂の質量はゼロにならない。

だから誰も、天国へ行けない。

私は思う。
天国とはどこか遠い場所ではなく、
“魂が軽くなった結果、自動的に辿りつく場所”なのではないか。

だとすれば――
天国に行けない世界とは何か。

それはつまり、この世界そのものが、
「魂が帰れない場所」、
すなわち 地獄 なのかもしれない。

物語は、ここから始まる
永遠の続き
2025/12/10 10:28
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