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ブレイバーゲーム  作者: 春木
第一章 キルロンド学寮編
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7話 雷帝君臨

 本作品は、HoYoverse様の『原神』の元素反応の仕組みや、パーティ構成などを妻に教える為に執筆を始めたので、類似している内容が見られるかと思います。(修正しながら投稿するので、酷似しているわけではありません。)


 著作権の侵害等は避けるよう心掛けておりますが、引用したようなものが見られ、削除した方がよいと言われた場合、速やかに削除させて頂きます。


 ストーリー自体は、全く『原神』を真似ていることはありませんので、上記のことをご理解頂ける方のみ、ご閲覧をお願いします。

 ラス・グレイマンが、実の息子、ヒノトとグラムの二人を試している頃、雲行きが怪しくなり、妙な気配にラスは魔族のいる方角を睨む。


 ゴォン!!


 突如、猛烈な落雷が遠くに見えた。


「な、なんだ!? あそこだけ雷雨か!?」


 ヒノトの混乱を他所に、ラスは口を歪ませた。


「チッ……あのバカ王子が……。ラグナももう少し子供と向き合えってんだ」

「王子……? レオの魔法か……!!」


 その言葉に、ヒノトとグラムも察する。


「急がないと……!!」

「ああ、事は急を要する。お前たちの相手は出来なくなった。どうせお前のことだ、着いて来るんだろう。一つだけ言っておくぞ」


 ゴクリと、ラスの瞳を見つめる。


「笑え。どんな時でも。不可能を超えろ」


 ヒノトは、その言葉を一身に受ける。


「あぁ、それから極秘事項も話しておこう。お前たちをどうしても来させたくなかった理由だ。今回俺たちが招集されたのは、『魔族の残党への脅し』の他に、もう一つ止めなきゃならねぇもんがある……」


 そして、その言葉を最後に、ラスは一瞬で姿を消した。


「今の話……本当だとしたら……」

「俺たちも急ごう!!」


 グラムと目を見合わせ、ヒノトたちも駆けた。


   *


 レオの雷撃は外から大きな打撃を与え、建物の側面を大きく損壊させた。


「やっぱ気持ちいいなぁ……デカい魔法は……!!」

「こんな奇襲みたいなことしたら、全員から捕まってしまうぞ……!!」

「あ……? 私のことをナメているのか……?」


 すると、睨みを効かせながら、中から二名の魔族と思われる男女が駆け付け、上空を見上げた。


「言わんこっちゃない……! どうするんだ……!」


 すると、岩魔法で構築された空中上の足場から、レオは魔族たちに向かって飛び降りる。


「倒すに決まってる……!!」


 剣を構え、パーティの方向を見遣る。


「シグマ! ファイ! 今だ!!」


 シグマ・マスタング、王子レオのパーティの岩魔法使いのシールダー。貴族院の生まれで、防御特化に魔法を展開する。

 空中上に岩を形成し、擬似的に空中上の移動も可能にする、短髪の茶髪のガタイのいい男。


「岩防御魔法・ブロックゲート!」


 ファイ・ソルファ、王子レオのパーティの岩魔法使いのシールダー兼ヒーラー。リゲルと同じく王国郊外の生まれで、多彩な魔法を扱うことが出来るが、主に支援魔法に優れる。

 レオが入学前に探していたのは、この、『防御×治癒』を兼ね備えた『岩魔法使いの両者を兼ねる後衛』を探す為であった。入学後、勧誘を受けパーティに加わった、茶髪のショートヘアで小柄な女子。


「は、はい……! 岩魔法・ロックメンド!」


 レオには、()()()()()()()が与えられる。


「さあ、蹂躙の時間だ……」


 しかし、魔族たちには理性がある。


「これが見えないのかしら! 人質がいるのよ! 一人で乗り込んできて、蹂躙されるのは貴方よ!!」


 そして、縄で縛られたリオンが前に出される。

 しかし、レオは歩みを止めない。


「僕に人質の価値はないよ……。何故ならソイツは、お前たち魔族じゃなくて、()()()()()()()んだからね……」

「は……? どういう……?」


 魔族たちも困惑する中、レオは微笑む。


「よぉーく分かってんじゃねぇか……クソ兄貴……。国の為に潔く死んでくれ……」


 -雷鳴剣(らいめいけん)迅雷(じんらい)-


 ゴゥッ……!!


 -炎魔剣(えんまけん)鐘楼(しょうろう)-


「なっ……!」


 レオの雷の込められた剣撃を止めた……消し去ったのは燃え盛る剣を手にしたリゲルだった。


「レオ様の仰って頂いた通り……俺も足掻きます……! 誰かを守れるソードマンになれるように……!!」

「俺様の邪魔立てをするな!! 貴様が剣を向けるべきは後ろに居るだろう、愚か者が!!」


 その瞬間、魔族二体、及び、レオ、リオン、リゲル、全員の足下から、ブクブクと水が溢れ始める。


「そこまでにしなさい」


 ゴォン!!!


「お父様……!!」


 レオとリゲルを挟む形で上空から拳を突き出し、地面に叩き付けながら現れたのは、国王 ラグナ・キルロンドだった。


 ピキ……ピキピキ……。


 そして、ラグナの拳は、その地表を瞬時に『凍結』させた。


(なんだこれ……!? 凍ったのか……!?)

(お父様の……氷魔法……!!)


「全員の動きを封じた!! ラス!! 今だ!!」

「あいよ」


 ザシュッ……!!


 全員が凍結されたことで、ラスは魔族二体を、二本の武器で同時にぶった斬った。


(魔族二体を……あっさり両断……!?)


 サラサラと消え行く魔族たちを確認し、ラグナは全員の凍結の拘束を解いた。


「プハッ……!」

「苦しかったな、すまない」

「い、いえ……国王様……。助かりました……」


 リゲルは、不安そうにレオを見上げる。レオの表情は…………笑っていた。


 ゾク…………。


「お父様……よかったです、間に合って……。魔族は、()()()()いる……!!」


 そう告げると、落雷のような速度で、初撃で破壊した地下へと侵入した。


「お父様……! 違うんだ……! リリムちゃんは……あの子は学寮の生徒たちを助けようとしただけなんだ……!!」


 リゲルに縄を解かれたリオンは、必死に声を荒げるが、国王として、首を縦に振ることが出来ない。ラスも、その姿に言葉を失っていた。


「国王様……ヒノトのお父さん……恐れ多くも、質問させて頂いてもいいでしょうか……?」

「君は、ヒノトと一緒に居た少年だな」

「ここまでの不確定情報の中で、リリム・サトゥヌシアは本当に始末されなければいけないのでしょうか……? 見ていると、国王様も、ラス様も、迷っているような気がしまして……」


 決断に迷っていたラグナの言葉を、ラスが代弁していたが、ここはラスの言葉よりも先に、ラグナが答えた。


「正直、迷っていないと言えば嘘になる。リオンの言う通り、リリム・サトゥヌシアがあのように言わなければ、ヒノトも、君も、グラムくんも、助からなかっただろう。それに、三王国で人権を認められた。それも、機密な魔法により悪意がないことも証明されている。それを、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことが……。国民を守ることが国王の勤め……だからこそ、その一言だったとしても、決断しなければならないのだ……」


 ラグナの真っ直ぐな瞳に、リゲルは言葉を失う。ラグナの肩を掴み、ラスが言葉を足した。


「だから、もしリリム・サトゥヌシアを救えるとしたら、ヒノトだ」

「でも、ヒノトが来ることは否定していたんじゃ……」

「俺が否定したところで、アイツは来る。()()()()()()からな。俺たちパーティの本当の任務は、魔族討伐なんかじゃない。()()()()()()()()()()()()から、その兄、リオンを救うことだ。だから、国王自らが出張っている」

「僕を……ですか……?」

「ああ、そうだ。だから、俺たちの裏の任務はここで終了だ。まあ、残りの魔族も倒さなければならないが……それは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことを意味する。だから、彼女が助かるかどうかは、ヒノト次第だ」


 ゴゴォン!!


 建物の中では、レオが壁を破壊する音が鳴り響く。レオは、問答無用でリリムを殺すつもりでいる。

 国王ラグナも、ラスも、出会ってしまったら、国民の安全を優先し、処断しなければならない。


 ボン!!


「この音は……!!」

「待て……この!!」


 小さなヒノトは、自分より一回りも大きなグラムを背に抱え、レオのパーティメンバーの妨害を交わし、リゲル、リオン、ラグナ、ラスの横を飛び上がる。


「ヒノト……!!」

「おおー! リゲル!! お前もやっぱ助けに来たんじゃねぇーか!! リオンも無事だなー!!」

「ヒノト、分かっているな」

「ああ、父さん……!」


 ヒノトは笑って答えた。


「父さんたちのパーティより、レオのパーティより、誰よりも先にリリムを助ける!!」


 そして、崩壊した地下へと飛び込んだ。

ヒノト・グレイマン(主人公):ソードマン

グラム・ディオール:シールダー/岩属性


リゲル:ソードマン/炎属性

リオン・キルロンド(王子):ガンナー/水属性

リリム=サトゥヌシア(魔王の娘):闇魔法


〇王子レオ パーティ

レオ・キルロンド(王子):ソードマン/雷属性

シグマ・マスタング:シールダー/岩属性

ファイ・ソルファ:ヒーラー/岩属性


○現役国内最強パーティ

ラグナ・キルロンド(国王):氷属性

ラス・グレイマン:ウォーリアー/氷属性

ミネルヴァ・アトランジェ:クレリック

シルヴァ・ディスティア:シールダー/水属性

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