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ブレイバーゲーム  作者: 春木
第一章 キルロンド学寮編
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2話 メンバー勧誘

 本作品は、HoYoverse様の『原神』の元素反応の仕組みや、パーティ構成などを妻に教える為に執筆を始めたので、類似している内容が見られるかと思います。(修正しながら投稿するので、酷似しているわけではありません。)


 著作権の侵害等は避けるよう心掛けておりますが、引用したようなものが見られ、削除した方がよいと言われた場合、速やかに削除させて頂きます。


 ストーリー自体は、全く『原神』を真似ていることはありませんので、上記のことをご理解頂ける方のみ、ご閲覧をお願いします。

 寮は一人一部屋ずつ用意され、正門から見て教室の奥地に、高層マンションのように広がっていた。それぞれ、1〜3年生A〜Dクラスまでの、合計12層にも連なる壮大なマンションとなっている。

 寮で自分の部屋を確認し、粗方の荷物の受け取りを済ませると、疲労感からか、ヒノトは直ぐに寝落ちていた。


「んが……ベッドじゃねぇや……ここ……」


 朝四時、ソファで寝てしまっていたヒノトは、中途半端な時間に目が覚めてしまい、ベッドに向かうが、完全に目が覚めてしまい、上着を羽織り、飲み物が買える外の中央ホールへと足を運んだ。


「あ、おはようございまーす」


 自動販売機の側には、ガタイのいいゴミ回収のおじさんらしき人物がゴミを纏めていた。


「うす……」


 小さな声で返答されたが、なんの気無しに、ヒノトは飲み物を買い、自室へと戻り、入学式の時刻まで待った。

 入学式が終わり、一年Cクラスへと向かうと、「よっ」と、リゲルが軽い挨拶で出迎えた。


「寮のベッド、すっげぇ寝心地いいのな」

「俺、昨日ソファで寝ちゃってさ」


 そんな、他愛無い会話も束の間、ソワソワと少しずつ友人関係が築かれていく最中、途端に教室は静まり返る。


「嘘だろ……」

「噂では聞いてたけど……このクラスかよ……」


 そして、小さな声で周囲は騒めき出す。

 クラスへ入って来たのは、黒髪を靡かせた、ツインテールの小柄な女の子だった。


「なんだ? アイツ、なんかあんのか?」

「俺も実物を見たことはないから恐らくだが……あの子、噂の『魔王の娘』だと思うぞ……。あんな()()()()()、魔族でなければ考えられない……」


 この世界では、自身の属性ごとに髪色が変わる。その女の子は、真っ黒な黒髪、闇魔法を使う魔族の証だった。


「へぇ、じゃあ闇魔法使えんのか! 凄ぇな!」

「ハハ、ヒノトは魔族相手にも変わらないな。でも、『発動の代償に人の命!』とかだったら怖ぇな」


 アハハ、と笑っていると、魔王の娘はヒノトの隣の席に腰を掛けた。


「お前、魔王の娘なんだって? 凄ぇな! 勇者パーティに捕らえられて、まだ小さかったからって保護してもらったんだろ? なあなあ、闇魔法使えんのか!?」


 ヒノトは、なんの気無しに話し掛けるが、魔王の娘はリアクションどころか無反応で答えた。


「無視かよ……。まあいいけど! どうせ俺は魔法すら使えないから、関係ねぇもんなー!」

「ヒノト……あんま関わらない方がいいかも知れないぞ。あの子、噂じゃ()()()なんだそうだ。誰が話し掛けても無視して相手にしないんだってよ」


 魔王の娘は、そのまま淡々と、誰からも話し掛けられることはなく、授業に集中して取り組んでいた。

 昼休み、ヒノトとリゲルは食堂へ向かう。食堂も三箇所点在しており、高級レストラン仕様から村の定食屋まで再現され、その人それぞれの金銭面に合わせた計らいがされていた。

 そのせいか、村の定食屋仕様の食堂は、人があまりおらず、がらんとしていた。


「なあ、ヒノトはパーティどうするか決めたか?」

「ああ、決めてる! 俺が前衛のソードマンだから、やっぱ勇者パーティと同じ編成、前衛・中衛二人・後衛の王道編成にしたいんだ!」


「ハハッ、やっぱりヒノトは編成まで勇者パーティを参考にするんだな。でも、理想ばかりも言っていられないぞ。メンバー探し、しないとだからな。俺は気のいい奴らと組めたらいいんだけどな〜」


 そう言いながら、リゲルの家では滅多に口にしなさそうな、イケガエル定食を躊躇いもなく口に入れた。


「へぇ、初めて食ったけど美味ぇな!」


 ガタン!!


 平穏な昼食時、突如としてキッチンから大きな物音が聞こえ、二人は咄嗟に目を向ける。そこには、大柄の男に睨まれ、アワアワと震えた食堂のおばちゃんの光景が目に止まった。

 リゲルは、昨日の前例を思い出し、咄嗟にヒノトに声を掛けようとしたが、既にヒノトはいなかった。


(ヒノト……お前は首を突っ込まずにはいられないんだな……)


「なあ、おばちゃん。どうかしたのか?」


 おばちゃんは、震えながら「魔物……魔物……」と、ブルブル震えてしまっていた。


「アッハハ、学寮に魔物なんているわけないじゃん!」


 そう目を向けると、目の中が真っ黒な、黒髪の男を目の当たりにし、『魔族は髪が黒い』ことを思い出す。


「お前も、魔族の生徒だったのか?」


 しかし、ヒノトはなんの気無しに話し掛けるが、男はその言葉にハッとした顔を浮かべる。


「お前……俺が怖くないのか……?」

「怖くねぇよ! あんな朝に作業してるもんだから、暗くて回収のおじさんかと思ったけど、早朝に中央ホールでゴミ片付けてたの、お前だったろ?」

「ああ……今朝、早くに飲み物を買いに来てた……」

「ゴミ掃除する奴がさ、怖い奴な訳ないじゃん!」


 そう言うと、ヒノトは男にニカっと笑った。

 そして、男が握り締めていた食券を見つけると、おばちゃんに代わりに差し出し、料理を受け取り、二人でリゲルの席まで戻った。


「なあなあ、名前教えてくれよ! 俺はヒノト! こっちの赤髪はリゲルな! 俺たち二人とも一年!」

「おう! よろしくな」


 リゲルも、内情が伝わると、気さくに挨拶を交わした。


「俺は……グラム……。グラム・ディオール。二年……」

「うげ……先輩!! す、すみません……中央ホールに居たから、てっきり一年生かと……」

「いや、いいさ。むしろ、普通に接してくれた方が……嬉しい」

「そうか……? じゃあ、グラムだな! 改めてよろしくな!」


 ヒノトとリゲルの会話が弾む中、淡々と昼食を食べるグラム。

 そんな中で、会話の矛先はグラムへと向かう。


「なあ、グラムの職業って何?」

「え……俺は……シールダー……」


 その答えに、ヒノトは目を輝かせる。


「シールダー……ってことは、後衛だよな! なあ、グラム! 俺のパーティメンバーになってくれよ!」


 その言葉に、グラムは箸をカタンと落とした。


「あ、俺……なんかまずいこと言った……?」


 次第に、グラムの瞳からは涙が零れ落ちた。


「グラム……? 大丈夫か……?」

「こんな俺と……本当に組みたいのか……?」

「ああ! ゴミ回収を進んでやるようないい奴だ! 勇者になる俺のパーティにピッタリだろ!」


 グラムは、我に返り、涙を拭って箸を持ち直した。


「俺は……学寮を辞めようと思っていたんだ……」

「え……なんで……?」

「俺も、ブレイバーゲームに参加したかった。その為に練習してきた。でも、こんな見た目のせいで、メンバー勧誘どころか、魔族だなんだと避けられるようになっていたんだ……」

「でも、その黒髪、魔族なのは本当なんだろ?」

「いや、この髪は何故か黒いが、俺は岩魔法を使う。本来は茶髪のはずだが、暗く変色しただけなんだ……」


 重い空気感の中、やはりヒノトは笑い飛ばした。


「な〜んだ! だったら解決だな! これからは俺たちがいるし、俺とブレイバーゲームも参加できるし、交友関係だってさ、笑顔の練習でもしてみようぜ!」


 その言葉に、グラムはおろか、リゲルまでもが呆然と、その言葉を身に受けていた。


「へへー、リゲル! メンバーは俺の方が先に見つかっちまいそうだな!」

「あはは、お前には敵わねぇよ……」


 ニヤけた顔で、リゲルは食事を済ませた。

一年生

ヒノト・グレイマン(主人公):ソードマン

リゲル:ソードマン/炎属性


二年生

グラム・ディオール:シールダー(岩魔法)


シールダーは、防御に特化した魔法使いを指します。

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