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ブレイバーゲーム  作者: 春木
第二章 公式戦編
27/84

24話 弱者の知恵

 本作品は、HoYoverse様の『原神』の元素反応の仕組みや、パーティ構成などを妻に教える為に執筆を始めたので、類似している内容が見られるかと思います。(修正しながら投稿するので、酷似しているわけではありません。)


 著作権の侵害等は避けるよう心掛けておりますが、引用したようなものが見られ、削除した方がよいと言われた場合、速やかに削除させて頂きます。


 ストーリー自体は、全く『原神』を真似ていることはありませんので、上記のことをご理解頂ける方のみ、ご閲覧をお願いします。

 戦いのゴングが鳴り響くと、青色の髪を靡かせ、水魔法使いのルル・フレアは駆け出す。


「お姉ちゃん!! 水属性のウチに炎属性の貴女は一度も勝ったことないんだから、大人しく棄権しておけばよかったのに……!!」


 そう言うと、大きな杖をその手に宿した。


「ひ、ひえぇ…………!!」


 相対する桃色の髪、炎魔法使いのモモ・フレアは、ビクビクしながら、青髪のナイト、アイク・ランドの背に隠れる。


「大丈夫です、モモ先輩! 今年が最後なんですから! 自分の魔法を信じてください!!」


 そうして、青髪同士が相対する。そのルルの背後から、中衛のメイジ、紫髪のアズール・ウォールが小さな杖を持って飛び出す。


 -雷魔法・ビライト-


 杖からは微弱だが、無数の細い電撃が放たれる。


(僕の水魔法を読んで()()()()狙いか……! これじゃモモ先輩を守れない……!)


「シルフィ先輩!!」

「大丈夫、もう準備してあるわ!!」

「流石です! 一緒に行きます!!」


 アイクの掛け声に、モモの背後で杖を構えていた氷魔法使いのメイジ、シルフィ・ラズが支援に駆け付ける。


 -氷支援魔法・アグネス-

 -水防御魔法・二重層-


 二人の魔法が発動した瞬間、アイクの盾は凍り付き、アズールの放った電撃は地面へと誘導された。

 しかし、その瞬間にルルはニタリと笑う。一番背後に控えている岩魔法使いのシールダー、ゴヴ・ドウズの手が光る。


 -岩支援魔法・ビルアス-


「ルル先輩は、僕たちが盾を凍結させて防ぐことも計算して……!」

「その通り……! 氷状態に雷が当たれば、私たちの作戦は完成したも同然……!!」


 氷が纏われている状態に雷が与えられると、一時的ではあるが、水雷麻痺の痺れ状態を回避する代わりに、雷と氷の()()()()が生じ、『物理攻撃の防御力』を下げられてしまう。

 ルルは、大きな杖を振り上げる。


「大きい杖はフェイク……! それを打撃攻撃で使うつもりだったのか……!」

「し、しかも、ゴヴくんの岩魔法で身体強化までされてるよぉ……!」


 危機一髪と思われたその時、モモパーティの一番背後に控えていたヒーラー、セルフィ・ラズの杖も光る。


 -風支援魔法・ビルアス-


 セルフィも、ゴヴと同じ身体強化魔法をアイクへと発動する。


「大丈夫……私たちは敗けない……!」

「そうだ、僕がこのパーティの盾なんだ……!」


 -水魔法・三重層-


 アイクの盾には、水の層が三重に集まる。


 ゴォッ!!!


 ルルの棍棒と化した杖がアイクの盾を直撃し、大きな音を立て、地面にはガッとヒビが入った。

 周囲には、砂煙が舞う――――。


「ハァハァ……。流石に、雷氷破砕の弱体化に私の身体強化……。ここまでの威力を出したんだから、流石にナイトのアイクくらいは倒せたでしょ……」


 ガッ!!


 その瞬間、アイクは砂煙の中からルルを奇襲する。


「僕は……このパーティの盾です……!」


 速度の遅いアイクの剣は、容易く交わされるが、倒せたと思っていたルルに汗を滲ませた。


「なるほど……。ゴヴの岩魔法のビルアスは、身体強化とシールドを張るけど、セルフィの風魔法によるビルアスなら、身体強化に治癒を施してたってワケね……」


 冷静に息を整えると、棍棒に使っていた杖を、今度はしっかりアイクへと向ける。


「なら、治癒魔法する間も無く倒してあげる……! 私たちだって、これだけで終わらない……!!」


 すると、ルルの魔法発動に合わせるように、アズール、そして、控えていた炎魔法使いのメイジ、モモとルルの長女であるララ・フレアも横に並ぶ。


「ごめんね、モモちゃん……。どちらかの味方なんて本当はしたくなかったけど、私も公式戦で戦ってみたかった……。あわよくば……平民でも戦えるって、平民の希望になりたいの……!」


 そう言うと、ララは涙を浮かべて両手を光らせる。


 -炎支援魔法・フレイア-


 魔法発動後、ルルの身体は赤い光を放つ。そして再び、アイクだけではなく、全員に向けて大きな杖を掲げる。


「これで私の水魔法には、ララお姉ちゃんの炎魔法も付与されて、当たった対象に、炎×水の炎水熱傷を与える。更に、アズールの雷魔法の追撃で炎雷爆破を起こし、全てを吹き飛ばす威力にまで引き上げた。私たちの協力魔法……防げるものなら防いでみなさい……!!」


 ルルの杖には、膨大な魔力が溜められていく。


 -水攻撃魔法・アクアジェット-

 -雷攻撃魔法・グライト-


 ゴゥ!! と、大きな音を立て、蒸気を発する水撃が放たれると、その中をバチバチと雷魔法が唸る。まさに、水・炎・雷を合わせた合体魔法。

 しかし、魔法を放った三人は目を見開く。モモの盾だったはずのアイクは、モモの背後へと下がると、三人全員がモモに向けて手を翳した。


「あの子たち……支援魔法なんて使えないわよね……?」

「ち、違う……! あれは……!!」


 さっきまでの怯えが消え、静かに目を見開くモモは、片手を掲げると、膨大な魔力が集められる。


 -炎攻撃魔法・フルフレア-


 ゴォッ!!!


 魔法発動と同時にモモの周囲に暴風が吹き荒れ、背後にいた三人までもを吹き飛ばし、巨大な炎撃を放つと、一瞬のうちに三人の合体魔法さえ掻き消し、ルル、ララ、アズールを気絶させた。

 最後に残ったゴヴは、汗混じりに呆然と膝から崩れ落ちた。


「やっぱり……モモ先輩の魔法は強力ですね……」


 アイクは、起き上がりながらもニヤッと笑う。


「え! え! えぇー!? ララお姉ちゃんも、ルルちゃんも気絶してる!?」


 正気に戻ったモモは、自分が巨大な魔法を放ったことすら覚えておらず、困惑の中で涙を浮かべさせていた。


『勝者、魔法学寮、ONESHOTの勝利――――――――!』


 次第にアナウンスが鳴り響き、平民同士の試合だとナメていた観客も、盛大な拍手を送った。

 決してナメていたわけではないが、ヒノトもまた、平民パーティの死闘に唖然とさせられていた。


「最後の……何やってたんだ……?」

「前衛のメイジ……。モモ・フレアさんと言ったかな……。あの子は前衛のはずなのに、ほとんどナイトくんの背後に隠れていたどころか、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()していた……。それを分かっていたかのように氷魔法のメイジが支え、何やら()()()()()()()()()いた。リゲルくんのような、魔族の力による暴走とは違って、モモさんは恐らく、理性がある状態で人を傷付けることを恐れ、魔法を発動したくないのだと思う。それを静かに覚まし続け、理性がギリギリ飛んだところで、()()()()()()()()()()()()()()でモモさんに魔力を与え続けた。そして、最後の強力な炎魔法……」

「めちゃくちゃ計算してんじゃねぇか……。相手の打撃強化も、合体魔法も凄かった……」

「ああ……これこそが、()()()()()()()()()()による力なんだろう……。膨大な魔力があればどうしても単純な魔法攻撃の強化を考えるが、彼らはいかに()()()()()()()()()()()()()()()()()を考え続けているんだ……」


 ヒノトは、ボロボロな戦士たちを見て震える。


「すげぇ……俺も早く戦いたい…………!」

「ヒノトくん……。焦ることはない、じっくり魔法の掛け合わせを知っていこう、と言いたいところだが……。シード権のパーティの試合は後回しになる。だから、次がもう僕たちの試合だ。急ごう…………」


(次が出番だと分かっていたから、早めに切り上げようと思っていたのに、王族の僕でも見入ってしまった……。次の戦いも決して気合は抜けないな…………)


 そして、DIVERSITYの四人は控え室まで駆けた。

魔法学寮 ONESHOT 勝利

 モモ・フレア:炎属性/メイジ…理性がない時に限り、尋常ならざる魔法攻撃を放つ。

 アイク・ランド:水属性/ナイト…防御・支援・攻撃、全てをこなすオールラウンダー。

 シルフィ・ラズ:氷属性/メイジ…支援魔法を得意とし、仲間への魔力供給をする。

 セルフィ・ラズ:風属性/ヒーラー…回復のみならず、支援魔法も行いながら味方をサポートする。


魔法学寮 フレアーズ 敗北

 ルル・フレア:水属性/メイジ…フレア三姉妹の次女にしてキレ者。杖を棍棒代わりに戦う。

 アズール・ウォール:雷属性/メイジ…攻撃に特化した雷魔法を扱う。

 ララ・フレア:炎属性/メイジ…フレア三姉妹の長女。魔法学寮の中でトップの支援魔法使い。

 ゴヴ・ドウズ:岩属性/シールダー…シールドのみならず、支援魔法も行う器用なシールダー。


〇魔法の組み合わせ

 水雷麻痺:水と雷により、一時的な麻痺効果を与える。

 雷氷破砕:雷と氷により、相手の物理攻撃耐性を下げる。

 炎水熱傷:炎と水により、相手に大ダメージを与える。

 炎雷爆破:炎と雷により爆発が生じ、相手に大ダメージを与える。


〇初級支援魔法 ビルアス

 身体強化魔法ではあるが、詠唱者の属性により、若干の効果が変わる。

 岩…防御魔法ほどではないが、些細な攻撃なら防げるシールドを付与する。

 風…回復魔法ほどではないが、若干の治癒効果を施す。

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