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ブレイバーゲーム  作者: 春木
第二章 公式戦編
26/84

23話 公式戦 開幕

 本作品は、HoYoverse様の『原神』の元素反応の仕組みや、パーティ構成などを妻に教える為に執筆を始めたので、類似している内容が見られるかと思います。(修正しながら投稿するので、酷似しているわけではありません。)


 著作権の侵害等は避けるよう心掛けておりますが、引用したようなものが見られ、削除した方がよいと言われた場合、速やかに削除させて頂きます。


 ストーリー自体は、全く『原神』を真似ていることはありませんので、上記のことをご理解頂ける方のみ、ご閲覧をお願いします。

 夏も下旬に差し掛かり、心地よい秋の風が舞う頃、キルロンド王国が執り仕切る『公式戦』が幕を開ける。

 夏の長期休暇、学生たちは授業がなくとも自主鍛錬に励み、授業日と変わらない学寮生活を過ごした。そして、キルロンド学寮の参加パーティは、今まさに闘技場へと参列していた。

 中でも注目を浴びているのは、やはり神童と謳われ、一年生にして優勝候補と名高い、王子 レオ率いるKINGS。ファイは、相変わらず目を泳がせ、注目に耐え切れない様子でシグマの影に身を潜めていた。

 次いで、生徒たちを騒つかせていたのは、普段の明るい雰囲気がまるで消え去り、闘志を燃やす、聖職者 ミネルヴァ・アトランジェの息子、ソル率いるSHOWTIME。

 先の問題行動となっていたが、魔族によるものと免除された元王族の風紀委員長 カナリア率いるキルロンド学寮風紀委員。

 そして、それを下した魔族や王族を率いるダークホースと噂される、魔法の使えない平民 ヒノト率いるDIVERSITYも、実しやかに番狂せが起きるのではないか、と声が絶えなかった。

 一同が整列していると、貴族院代表が運営する、貴族院のみが入学を許された生徒たちが入場する。大剣を背負った柴色の髪の高身長の男性が率いるパーティ、オレンジ髪の手ぶらで笑顔な女性が率いるパーティ、最後に、薄い水色の髪を宿したあどけない顔で、少年とも思える容姿の男性が率いるパーティ、貴族院学寮からは三パーティが参加した。

 それから、他の学校の参加者たちもゾロゾロと入場し、合計で十組、四十名が闘技場内に整列した。


「うおぉ……すげぇ数だな……」


 流石のヒノトも、会場の熱に当てられる。


「たったの十組か……。やはり、年々公式戦への参加者は減るばかりだな……」


 しかし、相手が減るにも関わらず、王国の将来を見据えているレオは、一人苦い顔を浮かべていた。


「人数が多かろうと少なかろうと、関係ないけどね」


 そこに、ソルも横目で会話に参加する。


「どうしてですか? 人数が多い方が、たくさん出場できるし、選抜される人数も増えるんじゃ……?」


 しかし、ソルは真っ直ぐに汗を滲ませて答える。


()()()()()()()()()もあったそうだ……。選抜に選ばれると言うことは、その名の通り実戦に参加することになるんだ。生半可に学生同士の試合に勝ったからと言って、命を投げ出させるような真似を王国はさせない。戦いの中で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んだよ……」


 相手に勝ちたい、ライバルに勝ちたいと言うのは、恐らくは全員が考えていることだが、やはり、選抜に選ばれると言うことは、優勝することよりも難儀とされる。

 だからこそ、ソルたちSHOWTIMEは、三年間と鍛錬と実戦に明け暮れ、この日を待ち侘びていたのだ。

 国王 ラグナ・キルロンドの挨拶により、公式戦は大賑わいの中で開式宣言が行われた。次いで、貴族院代表挨拶、そして、先日会ったシルフも挨拶を重ね、学生たちへのエールの言葉を送った。

 開会式の後、選手が年々減っていることから、全チームに個別の控え室が用意され、場所を移した。中には既に、開会式中に用意されたのであろう、トーナメント表が張り出されていた。

 そのトーナメント表を見て、リリムが一言。


「なにっこれ!! 王族贔屓(びいき)すぎじゃない!!」


 トーナメント表では、キルロンド学寮の中で、DIVERSITY以外の全パーティがシード権におり、更に貴族院学寮さえもシード権に含まれていた。


「レオたちは三回勝てば優勝、俺たちは四回と、一回多く勝たなくちゃいけない……」

「レオたちならまだしも、貴族院学寮がシードにいてどうして私たちだけ多いのよ! なんか見下されてるみたいでムカつく!!」

「アハハ……仕方ないさ。王国としても、なるべく平民から王族まで公平になるよう、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()なんだよ……」


 必死にリリムを制するリオンだが、靴をキュッキュと履き終えたヒノトもトーナメント表を眺める。


「いやいや、これラッキーじゃん。俺ら、あの無効試合になった風紀委員としかブレイバーゲーム出来てないんだし、一回でも多く戦えるの、すげぇ嬉しい」


 ヒノトの言葉にグラムはニヤリと笑みを浮かべる。


「決まったものは悩んでいても仕方がない。俺たちは風紀委員やKINGS、魔族とも渡り合ってきた。まずはしっかり、夏に取り入れた新技を実践レベルにしよう」


 グラムは冷静に、三人へと語り掛けた。その言葉を受け、リリムはコクリと頷いた。


「こう言う時、猪突猛進でもなく、かと言って慢心でもなく、冷静に落ち着いて物事をまとめてくれる存在がいてくれるのはすごく助かるね、ヒノトくん」


 ヒノトの耳元で、リオンは囁く。


「え? グラムはいつもあんなんだろ?」

「ハァ……。君はもっとグラムくんのありがたみを身に感じた方がいい……」


 そうこうしている間にも、一回戦目の試合が始まろうとしていた。四人は、簡単な着替えだけ済ませ、観客席へと足を運ばせる。

 第一試合は、平民チームVS平民チーム。全員を驚かせたのは、前衛に務める戦士は、()()()()()()()()()()()()だった。


「どっちも女性で……ソードマンじゃない……? ()()()()になるってことか……?」

「恐らくはそうだろうね。実際、魔力量が王族につれて強くなるとは言え、それは同時に、シールドやサポートも強固になると言うこと。ならば、平民のパーティでは安直にソードマンを起用するではなく、メイジたちによる魔法の掛け合わせで攻撃する場合が多い」


(しかし……そんなありきたりな考えで、この公式戦に参加してくるとは思えないが……)


 汗を滲ませる中、試合のMCが鳴り響く。


『第一試合、選手の紹介をさせて頂きます。西門、魔法学寮より、前衛メイジ、モモ・フレア。中衛ナイト、アイク・ランド。中衛メイジ、シルフィ・ラズ。後衛ヒーラー、セルフィ・ラズ』


 前衛らしきモモと呼ばれた女性は、赤みの薄い桃色の髪でオドオドしながら前に出る。それを他のメンバー達が背中から支えていた。


『続きまして東門、同じく魔法学寮より、前衛メイジ、ルル・フレア。中衛メイジ、アズール・ウォール。中衛メイジ、ララ・フレア。後衛シールダー、ゴヴ・ドウズ』


 前衛は、同じくフレアと呼ばれた青髪で強気な顔で入場する女性に、全員がシャンとした顔付きで着いて行った。


「なんか……名前聞いてると、兄弟姉妹が多いな……」

「ああ、平民が王族や貴族よりも魔力量が劣ってしまう一番の要因として、双子や三子が産まれやすいことにあるんだ。その為、魔力が分配されてしまう」

「そういや、最初のパーティ、聞いたことない()()()って役職がいたな。まさか上級職か……!?」

「いや、ナイトも下級職。ソードマンと同じだよ。そもそも下級剣士職には三種類いてね。ヒノトくんのように、機動力を重視して戦う戦士をソードマン、両手で持つような巨大な大剣を振るうのがロングソードマン。そして、ナイトは小型の短剣と小型の盾を装備している戦士のことを指すんだ。特別、剣術に特化しているわけではないが、防御にサポートと幅広く行える。ほら、ヒノトくんのお父さん! 多様な武器を扱う()()()()()()()()だね!」

「へぇ……俺はまだまだ知らないことばかりだな……」


 そうして、刻々と試合のゴングは鳴らされた――――――。

平民パーティ①(魔法学寮)

 モモ・フレア:炎属性/メイジ

 アイク・ランド:ナイト

 シルフィ・ラズ:メイジ

 セルフィ・ラズ:ヒーラー


平民パーティ②(魔法学寮)

 ルル・フレア:水属性/メイジ

 アズール・ウォール:メイジ

 ララ・フレア:メイジ

 ゴヴ・ドウズ:シールダー


◇学校の仕組み

 キルロンド学寮:国が管理する学校。特別、貴族以上等の指定はないが、志が高い者が集う。

 貴族院学寮:貴族院が管理する学校。貴族院のみが入学できる。

 魔法学寮:平民が多く集う学校。兵士になろうという者はあまりいない。

 剣術学寮:魔法学寮とほぼ同じだが、魔法が苦手な者が多く入学する。

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