20話 お前を潰す
本作品は、HoYoverse様の『原神』の元素反応の仕組みや、パーティ構成などを妻に教える為に執筆を始めたので、類似している内容が見られるかと思います。(修正しながら投稿するので、酷似しているわけではありません。)
著作権の侵害等は避けるよう心掛けておりますが、引用したようなものが見られ、削除した方がよいと言われた場合、速やかに削除させて頂きます。
ストーリー自体は、全く『原神』を真似ていることはありませんので、上記のことをご理解頂ける方のみ、ご閲覧をお願いします。
ビィン…………
静まり返る闘技場、あの音が鳴り響く。そして、全員の顔は青褪める。
「これでもシールドの破壊には至らないのか……!」
リオンが強く手を握る中、リリムは急いでヒノトの元に駆け付ける。
「だ、大丈夫!? ヒノト……!」
しかし、ヒノトはボロボロになりながらも、
「アンタ…………」
笑っていた――――――。
「すげぇ……ブレイバーゲーム……楽しい……!」
「そ、そんなこと言ってる場合じゃ…………!」
「なあ、リリム……教えてくれ……。あの雷シールドの弱点の属性ってなんだ……?」
「え……雷シールドは……炎とか……氷かしら……」
ヒノトはペロリと魔族から目を離さない。
「リリム、作戦がある……!」
そう言うと、ヒノトはニシっと笑った。
*
呆気に取られていた風紀委員たちも、カナリアの先導により全員が魔族を囲った。
「レオは加勢しないの?」
立ち尽くすルークの前でレオとソルは、傍目から見て動かなかった。
「元々は風紀委員と愚民たちの戦い。雷シールドなら私の魔法は効かないしな。見物をさせてもらおう」
「僕も賛成……。どうやらあの魔族さん、まだ何かを隠しているみたいですし……力の温存をしておかなければいけないでしょう。観客席の生徒が固まっているのは、恐らく魔族さんの洗脳魔法……。普通に戦っている風に見えてるのか、最早何も見えていないのか……。どちらにせよ、この人数を洗脳に掛けている時点で、魔族さんの魔力もかなり消費されるはずです」
立ち尽くす二人の話を聞きながら、ルークは悠長に地べたに腰を下ろした。
「ふぅん……。二人とも随分魔族を買ってるね。まあ、面白いとは確かに……思うかな」
*
「キャンディス!! DIVERSITYの岩魔法使いと共に、ヒノト・グレイマンに雷防御魔法を張ってやるんだ……!」
「は、はい…………!」
-雷防御魔法・雷衝陣-
「行くぞ……! リオン……!!」
「ああ!! カナリア!!」
-雷攻撃魔法・グロウサンズ-
-水放銃魔法・水葬-
ブォッ…………!
魔族を覆うように、大量の磁場と水撃が現れ、幾度となく水雷麻痺を起こす。
「小癪だな……。こんなことをしても、僕のシールドは全く削れないと言うのに……!」
ボン!!
その瞬間、狙い澄ましたヒノトが突撃する。あの音は確実に鳴った。何度も繰り返せば、シールドを破壊できると全員が切に願うが――――。
「さっきのは油断しただけ……。こんな微弱な麻痺でビリビリさせられても、もう君の攻撃は当たらないよ……!」
ゴォン!!
そうして、ヒノトはそのまま吹き飛ばされる。
「まだだ……! もっと麻痺を強く……! 水の魔力をもっと強めるんだ……!!」
(僕にできるサポートは……全部やる……!)
「グラムのシールドに……メガネの人のシールド……。すげぇ……吹っ飛ばされても全く痛くねぇ……!」
ボン!!
そして、再び魔族に襲い掛かる。
「だぁかぁらぁ…………!!」
声を荒げた一瞬、
ボン!!
ヒノトは目の前で再び暴発をさせ、魔族の手を交わす。
「なっ……!!」
-陽飛剣・魔力弾-
ボゴォン!!
しかし、ニタニタ笑うと、ヒノトの頭を掴んでいた。
「君……魔力量落ちてるね……。終わりかな……?」
「あぁ……そろそろ終わりにしようぜ。……魔族!!」
その瞬間、魔族の背後には炎が舞い散る。
-炎魔剣・陽炎-
「炎魔剣……!!!」
「俺はただの囮だったりして……!」
-炎魔剣・裂焼-
そのまま、ズブリとシールドをすり抜け、リゲルは魔族に炎を纏わせた剣を突き刺す。
「ぐあああああああああ!!!」
魔族も歯を食いしばると、ヒノトをそのままリゲルにぶつけ、二人諸共吹き飛ばした。
「洗脳に掛けられ、ようやく技を使えていたような雑魚がしゃしゃり出るな!!!」
しかし、その瞬間、 ゴォン!! と、突如、魔族の雷シールドは破壊される。
「なっ…………?」
目の前には、リリムが立っていた。
「リリム様……!!」
-闇魔法・影縫-
リリムは、風紀委員の炎メイジ、シャマを技ごと気配を消し、魔族に炎を当て続けていた。
魔族には相当高い防御力とシールドがある為、ヒノトの撹乱により微弱な継続攻撃に気付くことが出来なくなっていた。
「人ってのは、アンタが思っているより強いのよ……!!」
「ふふふ……想像以上だ……! 正直、貴女様がいてもこのシールドは破られないと思っていた……」
「私に様なんて付けないで!! 私はもう魔族とは関係ない!! ただのリリム・サトゥヌシアなの!!」
すると、魔族の身体は、まるで土人形のように、リリムの前でボロボロと崩れ落ちてしまった。その光景に、リリムはハッとし、警戒態勢を張る。
「大丈夫ですよ、リリム様……。もうここでやるべきことは終えましたから……」
すると、無傷の魔族がリリムの背後に出現する。
「っ…………!!」
「リリム…………!!」
「今まで皆さんが戦っていたのは、僕が洗脳で見せていた僕の分身体。分身体とは言え、僕のシールドを破ったことに変わりはない。誇っていいよ」
そう言うと、余裕綽々と笑みを浮かべた。
「君たちの力量……予想以上で益々楽しみになってきたよ……。戦争が…………!!」
「戦争……!?」
「ああ、僕のことをそこらの魔族の残党と一緒にしないでくれるかい? 僕の名前は魔族軍 四天王 雷の使徒 セノ=リューク。魔族軍の再臨だ……!」
そう言うと、バサバサっと舞い上がる。
「また会おう……若人たち……。この世界が絶望に染まるのを見届けるのは、君たちだ――――」
ビュン! と、落雷が落ちたかのように消えると、観客席の生徒たちも全員が気を失った。セノ=リュークの言葉に、驚愕に動揺していると、レオは真ん中に立ち、剣を地面に突き刺した。
「 狼狽えるなァ!! 」
「レオ…………? で、でも……魔族軍の復活なんて、勇者もいない今、僕たちには何も…………」
「これは機密事項だったのだが、三王国は、魔族軍の復活を予測していた。だからこそ、このブレイバーゲームに精を出し、魔法や剣術を我々に習わせていたのだ」
「でも……今の魔族の力は……」
四天王の一角、とは言っても、実力差がありすぎた。その現実を前に、全員が打ちひしがれていた。
「その為の公式戦だ。まずはここにいる四パーティが公式戦に参加するだろう。そこで、王国軍の選抜として引き抜かれる働きを示せ。そうすれば、魔力に優れたエルフ族の元で特殊訓練を受けられるよう手配済みだ」
「エルフ族の元で……特殊訓練……!?」
「ふふ、それは光栄な時間になりそうだね」
今まで沈黙を極めていたソルも、ニヤッとやる気に満ち溢れた表情を浮かべる。粗方の話を終えたレオは、ヒノトの元へ歩む。
「さっきから項垂れているが……貴様はそこでいつまでも地べたにいる気か……?」
そうして、いつもの様に剣先を向けた。
「なあ……レオ…………」
全員が、心配そうな目でヒノトを見遣る。
「俺……また、あの強い奴と戦いたい…………!」
ゾク…………
「コイツ…………!」
ヒノトの目は、また、獲物を見る眼になっていた。その眼光に、レオもニヤリと笑みを浮かべる。
ヒノトは、ゆったりと立ち上がり、剣を引き抜く。
「お前の言いたかったこと、三王国が考えてること、なんとなく分かった。だから改めて…………」
「「 公式戦で、お前を潰す…………!! 」」
二人は睨み合いながら、剣を向き合わせた。
○DIVERSITY
ヒノト・グレイマン:ソードマン(陽飛剣)
リリム・サトゥヌシア:闇魔法
グラム・ディオール:岩属性/シールダー
リオン・キルロンド:水属性/ガンナー
○風紀委員
リゲル・スコーン:炎属性/ソードマン(炎魔剣)
カナリア・アストレア:雷属性/ウィザード(洗脳魔法)
キャンディス・ウォーカー:雷属性/シールダー
シャマ・グレア:炎属性/メイジ
○KINGS
レオ・キルロンド:雷属性/ソードマン(雷鳴剣)
ファイ・ソルファ:岩属性/ヒーラー
シグマ・マスタング:岩属性/シールダー
風属性のメイジ
〇SHOWTIME
ソル・アトランジェ:風属性/メイジ
ロス・アドミネ:風属性/ヒーラー
ルルリア・ミスティア:風属性/メイジ
グロス・ラドリエ:岩属性/シールダー
ルーク・キルロンド:草属性/ウィザード
●魔族軍
セノ=リューク(四天王):雷の使途
◇魔法の組み合わせ
炎雷爆破:炎魔法と雷魔法がぶつかった際、強力な爆発が起こる。(自身にもダメージ)
水雷麻痺:水魔法と雷魔法がぶつかった相手を一時的に痺れさせる。(自身にもダメージ)
凝集効果:風魔法が他の自然系魔法とぶつかった際、自然系魔法を一か所に集め、暴発させる。
草原雷起:草魔法を浴びている相手に雷魔法をぶつけると、草の発芽を瞬時に行うことで起爆したような現象が起こり、付近の相手に大ダメージを与える。
◇剣術魔法
陽飛剣:ヒノトが見よう見まねで付けた自分の技の名前
雷鳴剣術魔法:レオが鍛錬により開発した独自の剣術魔法。
炎魔剣術魔法:義賊スコーンにより継いだ魔族の力が込められた剣術魔法。
・鐘楼:相手の魔法を無効にする
・劫火:相手の眼前に瞬間移動
・裂焼:防御不可能な炎の斬撃を与える
・陽炎:太陽光から相手に錯覚を見せ、背後の影から現れる
・業火:味方の魔法の影から炎を巻き上げ、自身を移動させる
◎自然界の恩恵
・風Ⅱ不随魔法:風属性が二人同時に魔法が発動中、味方の『移動速度』強化、並びに『スタミナ』減少が遅くなる。
・炎Ⅱ不随魔法:炎属性が二人同時に魔法が発動中、付近の味方の『攻撃力』が増加する。
・雷Ⅱ不随魔法:雷属性が二人同時に魔法が発動中、味方全体の『魔力』が回復する。
・岩Ⅱ不随魔法:岩属性が二人同時に魔法が発動中、シールドが張られている味方の『シールド値』及び『攻撃力』が増加する。