19話 リオンとカナリア
本作品は、HoYoverse様の『原神』の元素反応の仕組みや、パーティ構成などを妻に教える為に執筆を始めたので、類似している内容が見られるかと思います。(修正しながら投稿するので、酷似しているわけではありません。)
著作権の侵害等は避けるよう心掛けておりますが、引用したようなものが見られ、削除した方がよいと言われた場合、速やかに削除させて頂きます。
ストーリー自体は、全く『原神』を真似ていることはありませんので、上記のことをご理解頂ける方のみ、ご閲覧をお願いします。
カナリアが高笑いを上げた瞬間、ゾォっと巨大な黒い塊がカナリアを包み込んだ。
「なっ……!!」
「これ……闇魔法とかそんな次元じゃない……! 魔族そのものよ……!!」
その瞬間、レオと、その兄、ルークは、その時を待っていたかのように立ち上がる。
「ルーク!!」
「うん、分かってる」
-草魔法・ショット-
ヒノトたちの前に、ルーク、レオの二人が飛び出し、ルークは咄嗟に、黒い塊に向けて魔法を放った。
-雷鳴剣・迅雷-
ゴォ!!!
そして、ルークの魔法発動に合わせ、レオは雷の剣をそのまま振り下ろす。普段の雷の威力とは桁違いの音が鳴り響く。
「あれは……草原雷起……!!」
リオンは、目を見張って声を上げた。
「草原雷起……? またなんかの掛け合わせか……?」
「ああ……。魔法属性の掛け合わせで、一番の高火力と言われている……草魔法と雷魔法の複合魔法だ……!」
「草魔法なんて聞いたことねぇぞ……!?」
「うん……エルフ族にしか扱えない魔法だからね……。普通なら、この国ではお目に掛かれないだろう……」
ドゴォ!!
そして更に、上空からはソルが舞い落ちる。
-風攻撃魔法・ドライブスカイ-
ヒュオッ……! と風が吹き荒れ、レオの雷を更に強力に叩き込み、自らの物理攻撃も与えた。
黒い塊からは、シュウ……と煙が籠る。
「つ、つーかお前ら!! 何割り込んでんだよ!!」
レオは冷静に振り向き、ヒノトに駆け寄る。
「貴様らがリゲルを鎮めてくれたから、今しか倒せる好機はないのだ。どうやら、ソルも分かっていたようだ」
「は……? 何をだよ……」
「カナリアが……魔族に洗脳されていることだ」
!!
「いや……洗脳魔法って、カナリアの魔法だろ……?」
「ふっ、洗脳魔法使いが魔族により洗脳に掛けられていた。本末転倒な話だ。まあだからこそ、魔族も身を隠しやすかったのだろうがな」
砂煙が立ち込める中、影の中から拍手の音が鳴り響く。
「うんうん、よく見破ったねぇ。流石はエリートくんたちだ。きっとこの国の未来は明るいだろう」
中からは、白髪に角と羽を生やした少年が出てきた。
「まるで効いてないか……。アイツ……カナリアを捨てて自ら出てきやがった……」
「と言うか……白髪……? 魔族はみんな黒髪じゃないのか……?」
「アハハ! 魔族にだって色々いるさ〜! 全員が全員黒髪じゃないよ〜!! それに僕…………」
ニタっと笑うと、真っ黒な眼光で全員を見つめる。その眼光に、圧倒的な実力差で全員は固まった。
「魔族軍四天王の一角だからね。君たちがどれだけエリートでも……恐るるに足らない」
そして、ズバッとレオを指差す。
「君、この前戦った時、その草魔法の子をわざと隠していたね。その前から僕のことを勘付いていた……相当頭のキレる子だね……。でも、あと一押し足らなかったかな。僕には魔族特性の雷シールドが常に着いている。雷を軸とする草原雷起では、僕のシールドは削れない……」
次に、ソルのことを指差す。
「君の判断もいいね。彼の雷魔法が切れる寸前、僕に風魔法を与えることで凝集効果を促し、自らの攻撃すらをも与えてみせた。流石は優勝候補と名高いだけはある。ああ、それに君は、あの聖職のアトランジェの息子だったね」
瞬時に自身に浴びせられた攻撃を、易々と解説しながら、爆発の魔族は余裕綽々と手を広げる。
「惜しかったね〜! 本当に! いい子たちが揃ってるじゃないか、キルロンドは! でも……でも……」
そして、ニコリと笑みを浮かべる。
「僕には遠く及ばない…………!!」
ボン!!
瞬時に、ヒノトは魔族に飛び掛かる。
「まだ俺たち全員、敗けてない」
ドゴォ!!!
ヒノトが迫った瞬間、腕を横に振るうだけで、ヒノトのことを吹き飛ばした。
「君……確かに炎魔剣には強いかも知れないけど、その音がうるさすぎて、全然奇襲にならないよ……?」
戦況は、刻一刻と変化していた。
ヒノト率いるDIVERSITY、カナリア率いる風紀委員の戦闘の中、リオンとリリムのサポートを駆使し、見事に炎魔剣で数多のソードマンを伏してきたリゲルを倒す。
しかし、その後、カナリアからは本物の魔族が現れ、それに勘付いていたレオ、ルーク、ソルの三人は、異変を感じた瞬間に魔法の連撃を叩き込むも、無傷。
リゲル、カナリアは気絶、風紀委員メンバー、シャマ、キャンディスも、呆気に取られ呆然としていた。
レオ、ソルも、実力差に身体を強張らせる。
ボン!!
「しつこいなぁ…………」
ドゴォ!!
何度も突撃しては、何度も振り飛ばされる。動いていたのは、ヒノトだけだった。
(こんな中で、僕に何が出来る…………?)
リオンは、歯を食い縛り、手を強く握っていた。
(カナリア……君を助けられなかった僕が……弟にまるで及ばない僕が……何を……)
リオンは、カナリアとの記憶に想いを馳せる。
*
リオン、カナリア、十三歳――――――。
二人は、剣術魔法学校で出会う。
「なあ、リオン様! アイツ、元王族らしいですよ!」
リオンは、貴族院たちに囲まれて過ごしていた。
「へぇ……名前は?」
「カナリア・アストレア! 洗脳魔法を使うとかって、気持ち悪がられてるんですよ!」
放課後、リオンは、コソコソと帰ろうとするカナリアに声を掛けた。
「ねぇ、カナリアくん」
「リ、リリリ、リオン様!?」
ひどく動揺を示すカナリア。
「その金髪……みんなは洗脳魔法って言うけど、雷魔法を応用しているんだよね。凄いな、君は」
「そ、そんな……僕なんて気持ち悪いだけです……」
「え……? 全然気持ち悪くないけど」
当時のリオンは、深く考えることを放棄していた。でも、だからこそ、そんな些細な本音が、カナリアの心を強く動かしていた。
「ねぇ、カナリアくん」
「あの……リオン様……。カナリアでいいですよ。そんな……くんなんて付けられるほど……」
「そうか! じゃあ僕はリオンでいいよ! と言うか、そんなこと言うなら、リオンって呼んでくれ! 僕たち、同い年だろ?」
(この人、チャラいとか、女たらしとか言われてるけど、みんな知らないだけなんだ……。ただ純粋に、優しくて明るいだけなのに。王族と言うだけで、この明るさがチャラさとして見られてしまっているんだ……)
「リオン……リオン!!」
「お、おう……! カナリア!!」
それから、暫く二人は共に行動する時間が増えた。
「なあ、カナリアってなんで強くなりたいの?」
「守りたいんだ……人を……。王家争いの時、僕の父は魔族に殺されて、貴族院に落ちた……。その時、お父様は自分を守る兵士たちの身代わりに死んだんだ」
その顔は、誇らしくも、涙を浮かべていた。
「じゃあ、学寮に入ったらブレイバーゲームをやろう! 水と雷は相性がいい、同じパーティになろう!」
しかし、その夢は現実とならなかった。学寮に入学して直ぐの頃だった。
カナリアは、嬉々としてリオンの元に向かう。
「ねえ、リオン! パーティ…………」
「ごめん、カナリア……。僕はもう戦いたくないんだ。どうせ僕は……王族の落ちこぼれだからさ」
そうして背を向けると、またいつものように、ヘラヘラと仲間の輪に入って行った。
それから間も無くして、弱気なカナリアが風紀委員に所属した話を聞き、二人は全くの疎遠となった。
*
-雷魔法・ジャック-
「リオーーーーーーーーーン!!!!」
もう立ち上がれないカナリアは、手だけを上げ、魔族に雷魔法を浴びせた。
「雷魔法……? 効かないんだってば」
しかし、リオンにはその声しか考えることはなかった。
-水放銃魔法・水針-
「カナリア……!! 待たせたね……!!」
そして、リオンから素早い水撃が放たれる。
雷魔法と水魔法が起こすのは――――――
『 水雷麻痺 』
ジジッ…………
「クソッ……水雷麻痺か……! 面倒臭い……!」
水雷麻痺はその名の通り、一瞬だけ相手を痺れさせる。
その一瞬が、
ボン!!
-陽飛剣・魔力豪弾-
ヒノトの攻撃を与えるチャンスとなった。
ボゴォン!!!
ヒノトの剣からは、膨大な魔力暴発が放たれ、衝撃によりヒノト自身も再び大きく吹き飛んだ。
しかし、全員の顔はハッとする。攻撃は、確かに命中していた。
○DIVERSITY
ヒノト・グレイマン:ソードマン(陽飛剣)
リリム・サトゥヌシア:闇魔法
グラム・ディオール:岩属性/シールダー
リオン・キルロンド:水属性/ガンナー
○風紀委員
リゲル・スコーン:炎属性/ソードマン(炎魔剣)
カナリア・アストレア:雷属性/ウィザード(洗脳魔法)
キャンディス・ウォーカー:雷属性/シールダー
シャマ・グレア:炎属性/メイジ
○KINGS
レオ・キルロンド:雷属性/ソードマン(雷鳴剣)
ファイ・ソルファ:岩属性/ヒーラー
シグマ・マスタング:岩属性/シールダー
風属性のメイジ
〇SHOWTIME
ソル・アトランジェ:風属性/メイジ
ロス・アドミネ:風属性/ヒーラー
ルルリア・ミスティア:風属性/メイジ
グロス・ラドリエ:岩属性/シールダー
ルーク・キルロンド:草属性/ウィザード
魔族軍四天王 白髪の男:雷属性
◇魔法の組み合わせ
炎雷爆破:炎魔法と雷魔法がぶつかった際、強力な爆発が起こる。(自身にもダメージ)
水雷麻痺:水魔法と雷魔法がぶつかった相手を一時的に痺れさせる。(自身にもダメージ)
凝集効果:風魔法が他の自然系魔法とぶつかった際、自然系魔法を一か所に集め、暴発させる。
草原雷起:草魔法を浴びている相手に雷魔法をぶつけると、草の発芽を瞬時に行うことで起爆したような現象が起こり、付近の相手に大ダメージを与える。
◇剣術魔法
陽飛剣:ヒノトが見よう見まねで付けた自分の技の名前
雷鳴剣術魔法:レオが鍛錬により開発した独自の剣術魔法。
炎魔剣術魔法:義賊スコーンにより継いだ魔族の力が込められた剣術魔法。
・鐘楼:相手の魔法を無効にする
・劫火:相手の眼前に瞬間移動
・裂焼:防御不可能な炎の斬撃を与える
・陽炎:太陽光から相手に錯覚を見せ、背後の影から現れる
・業火:味方の魔法の影から炎を巻き上げ、自身を移動させる
◎自然界の恩恵
・風Ⅱ不随魔法:風属性が二人同時に魔法が発動中、味方の『移動速度』強化、並びに『スタミナ』減少が遅くなる。
・炎Ⅱ不随魔法:炎属性が二人同時に魔法が発動中、付近の味方の『攻撃力』が増加する。
・雷Ⅱ不随魔法:雷属性が二人同時に魔法が発動中、味方全体の『魔力』が回復する。
・岩Ⅱ不随魔法:岩属性が二人同時に魔法が発動中、シールドが張られている味方の『シールド値』及び『攻撃力』が増加する。