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ブレイバーゲーム  作者: 春木
第一章 キルロンド学寮編
20/84

19話 リオンとカナリア

 本作品は、HoYoverse様の『原神』の元素反応の仕組みや、パーティ構成などを妻に教える為に執筆を始めたので、類似している内容が見られるかと思います。(修正しながら投稿するので、酷似しているわけではありません。)


 著作権の侵害等は避けるよう心掛けておりますが、引用したようなものが見られ、削除した方がよいと言われた場合、速やかに削除させて頂きます。


 ストーリー自体は、全く『原神』を真似ていることはありませんので、上記のことをご理解頂ける方のみ、ご閲覧をお願いします。

 カナリアが高笑いを上げた瞬間、ゾォっと巨大な黒い塊がカナリアを包み込んだ。


「なっ……!!」

「これ……闇魔法とかそんな次元じゃない……! ()()()()()()よ……!!」


 その瞬間、レオと、その兄、ルークは、その時を待っていたかのように立ち上がる。


「ルーク!!」

「うん、分かってる」


 -草魔法・ショット-


 ヒノトたちの前に、ルーク、レオの二人が飛び出し、ルークは咄嗟に、黒い塊に向けて魔法を放った。


 -雷鳴剣・迅雷-


 ゴォ!!!


 そして、ルークの魔法発動に合わせ、レオは雷の剣をそのまま振り下ろす。普段の雷の威力とは桁違いの音が鳴り響く。


「あれは……草原雷起(そうげんらいき)……!!」


 リオンは、目を見張って声を上げた。


「草原雷起……? またなんかの掛け合わせか……?」

「ああ……。魔法属性の掛け合わせで、一番の高火力と言われている……草魔法と雷魔法の複合魔法だ……!」

「草魔法なんて聞いたことねぇぞ……!?」

「うん……エルフ族にしか扱えない魔法だからね……。普通なら、この国ではお目に掛かれないだろう……」


 ドゴォ!!


 そして更に、上空からはソルが舞い落ちる。


 -風攻撃魔法・ドライブスカイ-


 ヒュオッ……! と風が吹き荒れ、レオの雷を更に強力に叩き込み、自らの物理攻撃も与えた。

 黒い塊からは、シュウ……と煙が籠る。


「つ、つーかお前ら!! 何割り込んでんだよ!!」


 レオは冷静に振り向き、ヒノトに駆け寄る。


「貴様らがリゲルを鎮めてくれたから、今しか倒せる好機はないのだ。どうやら、ソルも分かっていたようだ」

「は……? 何をだよ……」

「カナリアが……魔族に洗脳されていることだ」


 !!


「いや……洗脳魔法って、カナリアの魔法だろ……?」

「ふっ、()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()。本末転倒な話だ。まあだからこそ、魔族も身を隠しやすかったのだろうがな」


 砂煙が立ち込める中、影の中から拍手の音が鳴り響く。


「うんうん、よく見破ったねぇ。流石はエリートくんたちだ。きっとこの国の未来は明るいだろう」


 中からは、白髪に角と羽を生やした少年が出てきた。


「まるで効いてないか……。アイツ……カナリアを捨てて自ら出てきやがった……」

「と言うか……白髪……? 魔族はみんな黒髪じゃないのか……?」

「アハハ! 魔族にだって色々いるさ〜! 全員が全員黒髪じゃないよ〜!! それに僕…………」


 ニタっと笑うと、真っ黒な眼光で全員を見つめる。その眼光に、圧倒的な実力差で全員は固まった。


()()()()()()()()()だからね。君たちがどれだけエリートでも……恐るるに足らない」


 そして、ズバッとレオを指差す。


「君、この前戦った時、その草魔法の子をわざと隠していたね。その前から僕のことを勘付いていた……相当頭のキレる子だね……。でも、あと一押し足らなかったかな。僕には()()()()()()()()()()が常に着いている。雷を軸とする草原雷起では、僕のシールドは削れない……」


 次に、ソルのことを指差す。


「君の判断もいいね。彼の雷魔法が切れる寸前、僕に風魔法を与えることで凝集効果を促し、自らの攻撃すらをも与えてみせた。流石は優勝候補と名高いだけはある。ああ、それに君は、あの聖職のアトランジェの息子だったね」


 瞬時に自身に浴びせられた攻撃を、易々と解説しながら、爆発の魔族は余裕綽々と手を広げる。


「惜しかったね〜! 本当に! いい子たちが揃ってるじゃないか、キルロンドは! でも……でも……」


 そして、ニコリと笑みを浮かべる。


「僕には遠く及ばない…………!!」


 ボン!!


 瞬時に、ヒノトは魔族に飛び掛かる。


「まだ俺たち全員、敗けてない」


 ドゴォ!!!


 ヒノトが迫った瞬間、腕を横に振るうだけで、ヒノトのことを吹き飛ばした。


「君……確かに炎魔剣には強いかも知れないけど、その音がうるさすぎて、全然奇襲にならないよ……?」


 戦況は、刻一刻と変化していた。

 ヒノト率いるDIVERSITY、カナリア率いる風紀委員の戦闘の中、リオンとリリムのサポートを駆使し、見事に炎魔剣で数多のソードマンを伏してきたリゲルを倒す。

 しかし、その後、カナリアからは本物の魔族が現れ、それに勘付いていたレオ、ルーク、ソルの三人は、異変を感じた瞬間に魔法の連撃を叩き込むも、無傷。

 リゲル、カナリアは気絶、風紀委員メンバー、シャマ、キャンディスも、呆気に取られ呆然としていた。

 レオ、ソルも、実力差に身体を強張らせる。


 ボン!!


「しつこいなぁ…………」


 ドゴォ!!


 何度も突撃しては、何度も振り飛ばされる。動いていたのは、ヒノトだけだった。


(こんな中で、僕に何が出来る…………?)


 リオンは、歯を食い縛り、手を強く握っていた。


(カナリア……君を助けられなかった僕が……弟にまるで及ばない僕が……何を……)


 リオンは、カナリアとの記憶に想いを馳せる。


   *


 リオン、カナリア、十三歳――――――。

 二人は、剣術魔法学校で出会う。


「なあ、リオン様! アイツ、元王族らしいですよ!」


 リオンは、貴族院たちに囲まれて過ごしていた。


「へぇ……名前は?」

「カナリア・アストレア! 洗脳魔法を使うとかって、気持ち悪がられてるんですよ!」


 放課後、リオンは、コソコソと帰ろうとするカナリアに声を掛けた。


「ねぇ、カナリアくん」

「リ、リリリ、リオン様!?」


 ひどく動揺を示すカナリア。


「その金髪……みんなは洗脳魔法って言うけど、雷魔法を応用しているんだよね。凄いな、君は」

「そ、そんな……僕なんて気持ち悪いだけです……」

「え……? 全然気持ち悪くないけど」


 当時のリオンは、深く考えることを放棄していた。でも、だからこそ、そんな些細な本音が、カナリアの心を強く動かしていた。


「ねぇ、カナリアくん」

「あの……リオン様……。カナリアでいいですよ。そんな……くんなんて付けられるほど……」

「そうか! じゃあ僕はリオンでいいよ! と言うか、そんなこと言うなら、リオンって呼んでくれ! 僕たち、同い年だろ?」


(この人、チャラいとか、女たらしとか言われてるけど、みんな知らないだけなんだ……。ただ純粋に、優しくて明るいだけなのに。王族と言うだけで、この明るさがチャラさとして見られてしまっているんだ……)


「リオン……リオン!!」

「お、おう……! カナリア!!」


 それから、暫く二人は共に行動する時間が増えた。


「なあ、カナリアってなんで強くなりたいの?」

「守りたいんだ……人を……。王家争いの時、僕の父は魔族に殺されて、貴族院に落ちた……。その時、お父様は自分を守る兵士たちの身代わりに死んだんだ」


 その顔は、誇らしくも、涙を浮かべていた。


「じゃあ、学寮に入ったらブレイバーゲームをやろう! 水と雷は相性がいい、同じパーティになろう!」


 しかし、その夢は現実とならなかった。学寮に入学して直ぐの頃だった。

 カナリアは、嬉々としてリオンの元に向かう。


「ねえ、リオン! パーティ…………」

「ごめん、カナリア……。僕はもう戦いたくないんだ。どうせ僕は……王族の落ちこぼれだからさ」


 そうして背を向けると、またいつものように、ヘラヘラと仲間の輪に入って行った。

 それから間も無くして、弱気なカナリアが風紀委員に所属した話を聞き、二人は全くの疎遠となった。


   *


 -雷魔法・ジャック-


「リオーーーーーーーーーン!!!!」


 もう立ち上がれないカナリアは、手だけを上げ、魔族に雷魔法を浴びせた。


「雷魔法……? 効かないんだってば」


 しかし、リオンにはその声しか考えることはなかった。


 -水放銃魔法・水針-


「カナリア……!! 待たせたね……!!」


 そして、リオンから素早い水撃が放たれる。

 雷魔法と水魔法が起こすのは――――――


 『 水雷麻痺(すいらいまひ) 』


 ジジッ…………


「クソッ……水雷麻痺か……! 面倒臭い……!」


 水雷麻痺はその名の通り、()()()()()()()()()()()()

 その一瞬が、


 ボン!!


 -陽飛剣・魔力豪弾(まりょくごうだん)-


 ヒノトの攻撃を与えるチャンスとなった。


 ボゴォン!!!


 ヒノトの剣からは、膨大な魔力暴発が放たれ、衝撃によりヒノト自身も再び大きく吹き飛んだ。

 しかし、全員の顔はハッとする。攻撃は、確かに命中していた。

○DIVERSITY

ヒノト・グレイマン:ソードマン(陽飛剣)

リリム・サトゥヌシア:闇魔法

グラム・ディオール:岩属性/シールダー

リオン・キルロンド:水属性/ガンナー


○風紀委員

リゲル・スコーン:炎属性/ソードマン(炎魔剣)

カナリア・アストレア:雷属性/ウィザード(洗脳魔法)

キャンディス・ウォーカー:雷属性/シールダー

シャマ・グレア:炎属性/メイジ


○KINGS

レオ・キルロンド:雷属性/ソードマン(雷鳴剣)

ファイ・ソルファ:岩属性/ヒーラー

シグマ・マスタング:岩属性/シールダー

風属性のメイジ


〇SHOWTIME

ソル・アトランジェ:風属性/メイジ

ロス・アドミネ:風属性/ヒーラー

ルルリア・ミスティア:風属性/メイジ

グロス・ラドリエ:岩属性/シールダー


ルーク・キルロンド:草属性/ウィザード

魔族軍四天王 白髪の男:雷属性


◇魔法の組み合わせ

 炎雷爆破:炎魔法と雷魔法がぶつかった際、強力な爆発が起こる。(自身にもダメージ)

 水雷麻痺:水魔法と雷魔法がぶつかった相手を一時的に痺れさせる。(自身にもダメージ)

 凝集効果:風魔法が他の自然系魔法とぶつかった際、自然系魔法を一か所に集め、暴発させる。

 草原雷起:草魔法を浴びている相手に雷魔法をぶつけると、草の発芽を瞬時に行うことで起爆したような現象が起こり、付近の相手に大ダメージを与える。


◇剣術魔法

 陽飛剣:ヒノトが見よう見まねで付けた自分の技の名前

 雷鳴剣術魔法:レオが鍛錬により開発した独自の剣術魔法。

 炎魔剣術魔法:義賊スコーンにより継いだ魔族の力が込められた剣術魔法。

 ・鐘楼:相手の魔法を無効にする

 ・劫火:相手の眼前に瞬間移動

 ・裂焼:防御不可能な炎の斬撃を与える

 ・陽炎:太陽光から相手に錯覚を見せ、背後の影から現れる

 ・業火:味方の魔法の影から炎を巻き上げ、自身を移動させる


◎自然界の恩恵

 ・風Ⅱ不随魔法:風属性が二人同時に魔法が発動中、味方の『移動速度』強化、並びに『スタミナ』減少が遅くなる。

 ・炎Ⅱ不随魔法:炎属性が二人同時に魔法が発動中、付近の味方の『攻撃力』が増加する。

 ・雷Ⅱ不随魔法:雷属性が二人同時に魔法が発動中、味方全体の『魔力』が回復する。

 ・岩Ⅱ不随魔法:岩属性が二人同時に魔法が発動中、シールドが張られている味方の『シールド値』及び『攻撃力』が増加する。

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