17話 初陣
本作品は、HoYoverse様の『原神』の元素反応の仕組みや、パーティ構成などを妻に教える為に執筆を始めたので、類似している内容が見られるかと思います。(修正しながら投稿するので、酷似しているわけではありません。)
著作権の侵害等は避けるよう心掛けておりますが、引用したようなものが見られ、削除した方がよいと言われた場合、速やかに削除させて頂きます。
ストーリー自体は、全く『原神』を真似ていることはありませんので、上記のことをご理解頂ける方のみ、ご閲覧をお願いします。
朝、ヒノトは四時に起床した。
「うわ……始業式の日もこんなことあったな……」
そして、中央ホールの自動販売機へと向かう。
「よー、グラム。おはよ〜」
眠気まなこ、いつもの様に早朝からゴミ回収をしているグラムに声を掛け、軽い挨拶を交わす。
「あまり寝られなかったのか?」
「あー、楽しみすぎて……」
「ふっ、まるで子供だな」
「うるせぇやぃ」
チリン、と、スポーツドリンクを買い、自室に戻る。今日は授業のない休日、風紀委員に挑む最後の砦。普段よりも段違いに、観客で埋まるだろう。
何度も足繁く通った闘技場。遂に初陣戦を飾れるこの日に、リゲルとの試合というのもまた、ヒノトの闘志を燃やすものだった。初めて声を掛けてくれた友人。それは、初めて正式に戦う相手になった。
リゲルに借りたままのノートを掲げる。
「助けたいとか、多分、勇者ならそう言うことも考えないといけない。でも、今の俺はそんなことより……早くお前と戦って勝ちたい……!」
そうして、ノートを机に戻した。
*
ブレイバーゲームの闘技場控え室には、怪我を防ぐ為の専用の武器と防具が揃えられていた。
「ふぅん、この透明な剣に属性魔法が乗って、剣術魔法の判定をしてくれるのか。いいなぁ、魔法使える奴ら」
剣は鉄ではなく、魔法で創られたエネルギー体で、相手を切り付けても怪我を負わない。しかし、防具のセンサーがそれをキャッチし、どれくらいの損傷を与えたかを判定する。
「魔法防御に優れるが、先日のレオの試合みたいに、あそこまで炎雷爆破で吹き飛ばされれば、流石に無傷とは行かないから、注意するんだよ、ヒノトくん」
リオンは、着慣れたように防具を淡々と身に付けていた。三人は、リオンに教えてもらいながら、なんとか時間をかけて防具の装着を済ませた。
『今回の試合は、風紀委員 VS DIVERSITYです! まずは風紀委員の入場です――――――』
アナウンスにより、風紀委員の出場が促される。
『続きまして、DIVERSITYの入場です――――――』
「行くぜ!!」
ウォーーーーー!! と、目にも止まらない大歓声がヒノトたちを包み、今までの闘技場で過去最大人数を誇る観客で賑わっていた。
後ろ姿に、ヒノトは、震えていた。
「ヒ、ヒノト……大丈夫……? 流石のヒノトも、この人数だと緊張……」
リリムがヒノトの顔を見ると、
「す、すっげぇーーーーー!! ブレイバーゲーム、最高……!!」
「これからよ!! これから!!」
パシン! と叩き、風紀委員たちと睨み合う。
「君たちが最後の砦……君たちを下し、キルロンド王国全てからブレイバーゲームを廃止する……!」
そして、試合のゴングは、鳴らされる。
いつものように、リゲルは先行し、背後から雷シールドとカナリアの洗脳魔法が与えられる。
「グラム!!」
「おう」
-岩防御魔法・岩陰-
「あえ……?」
グラムの岩シールドは、普段ならヒノトだけを覆うはずだが、四人全員を覆っていた。
「俺も、ただ黙って見ていたわけではない。お前たち全員を守れるように、毎日鍛錬を続けていた」
「でも、それだと防御力が落ちるんじゃ……?」
そんなヒノトの横に、リリムとリオンは並ぶ。
「本来であればそうだね。ただ、リゲルくんの炎魔剣はシールドを貫通する。防御力はあまり関係ない。どちらかと言えば相手の手札の一枚、炎雷爆破を防ぐ為の防御だ」
そして、一人リオンは前に出る。
「それと……僕の魔法から身を守る為だ……!」
-水放銃魔法・水葬-
辺り一面に水の魔力が広がる。
「相手の炎魔法は俺が掻き消そう!! ヒノトくん、リリムちゃん、存分に戦ってくれ……!!」
ボン!!
「すっげぇ……流石、グラムとリオンだ……!」
ヒノトは、目を見開いてリゲルに突撃する。
キィィィン……!!
リゲルは、今までの戦い全て無表情でいたが、ヒノトと剣を交え、その顔は初めて苦い顔を示した。
「よう、リゲル……お前の剣術魔法は魔法を打ち消しちまうんだってな……。でも、俺の剣には魔法なんて大層なモンはねぇ……!」
ブォン!!
リゲルは、初めて勢い良く後退させられる。
「キャンディス!! 炎雷爆破の対策はされているから炎雷爆破用の魔法支援はもういい!! シールドをもっと強く張れ!!」
副委員長、雷属性のシールダー、キャンディス・ウォーカーは、咄嗟に魔法追撃の手を止め、シールドに集中する。
「行くぜ、リリム……!!」
ボン!!
更に強固と化したリゲルの雷シールドに突っ込み、左手をシールドに付ける。
「ただの魔力暴発だとダサいから、俺の技にも名前を付けたんだ」
-陽飛剣・魔力弾-
ボン!!
ヒノトの左手から暴発した魔力は、いとも簡単に雷シールドを破壊するが、ヒノトは暴発の勢いで自身も吹き飛ばされる。
「馬鹿め……! そんな体当たりみたいな攻撃でシールドを破壊しても、すぐに張り直すだけだ……!!」
キャンディスが頭に血が上り、声を荒げた瞬間、
-闇魔法・彼岸-
リリムの魔法発動の途端、吹き飛んでいたはずのヒノトの身体は、勝手にリゲルの元へ向かう。
「そこで闇魔法だと!?」
ザン!!
その瞬間、その場にいる全ての人間が静寂に包まれる。
戦闘開始、僅か五分……数多くのパーティが一切手を出せなかったリゲルを、ヒノトは吹き飛ばした。
「 ウオォォォォォーーー!!! 」
そして、現実に引き戻されるかのような歓声が上がる。
「ここまでは予測通り……ここからだね」
「互いに魔族の力を使った。ここからが本当の……ブレイバーゲームとしての戦いだ……!」
観客席、ソル率いるSHOWTIMEは目を細めて眺める。
風紀委員長、カナリアは黙り込むが、決して焦った様子を見せることはなかった。いつもと雰囲気の違う風紀委員長に、雷シールダーのキャンディス、炎メイジのシャマは、汗混じりに顔を歪めて後退するが、その動きに戸惑いはなかった。
「安心しろ、DIVERSITY諸君……僕は洗脳魔法だけで風紀委員長を務めている訳ではない……」
そして、手から雷をバチバチと放出させる。
「僕はちゃんと強い」
-雷攻撃魔法・グロウサンズ-
ゴォン!ゴォン!ゴォン! と、的確に味方のいない位置を狙い、超高火力の落雷を振り落とす。
-炎魔法・ヒートグラウンド-
そこに、シャマは長年の経験から華麗に降り落ちる位置を予測し、炎魔法を展開させる。
「炎雷爆破は起こさせない……!!」
-水放銃魔法・水葬-
瞬時に、リオンは相手の炎魔法を水撃で掻き消す。
「フハハハ!! 炎魔法だけ掻き消せても、僕の雷撃をいつまでそのシールドで防げるかな!!」
(確かにそうだ……グラムくんはただでさえ四人に付与している……。こんな高火力の雷撃……長くは保たない……!!)
ボン!!
そんな、魔法の押収する中、ヒノトはカナリアを眼前に捉えていた。
「ヒノトくん……! いつの間に……!」
その側には、リリムの姿があった。
「闇魔法・影縫!!」
リゲルを吹き飛ばした後、リリムは咄嗟にヒノトの元へ駆け付け、闇魔法で姿を隠していた。
「貴様ァァァァァ!!!」
-炎魔剣・業火-
ヒノトの前に炎が出現すると、その中からリゲルが剣を向けてヒノトに襲い掛かる。
その目を見て、ヒノトは確信し、ニシっと笑う。
「よう……待ってたぜ、リゲル……!!」
「お待たせ……ヒノト……!!」
リゲルの洗脳は、解かれていた。
○DIVERSITY
ヒノト・グレイマン:ソードマン
リリム・サトゥヌシア:闇魔法
グラム・ディオール:岩属性/シールダー
リオン・キルロンド:水属性/ガンナー
○風紀委員
リゲル・スコーン:炎属性/ソードマン(炎魔剣)
カナリア・アストレア:雷属性/ウィザード(洗脳魔法)
キャンディス・ウォーカー:雷属性/シールダー
シャマ・グレア:炎属性/メイジ
○KINGS
レオ・キルロンド:雷属性/ソードマン
ファイ・ソルファ:岩属性/ヒーラー
シグマ・マスタング:岩属性/シールダー
風属性のメイジ
〇SHOWTIME
ソル・アトランジェ:風属性/メイジ
ロス・アドミネ:風属性/ヒーラー
ルルリア・ミスティア:風属性/メイジ
グロス・ラドリエ:岩属性/シールダー
ルーク・キルロンド:ウィザード
◇魔法の組み合わせ
炎雷爆破:炎魔法と雷魔法がぶつかった際、強力な爆発が起こる。(自身にもダメージ)
凝集効果:風魔法が他の自然系魔法とぶつかった際、自然系魔法を一か所に集め、暴発させる。
◇剣術魔法
陽飛剣:ヒノトが見よう見まねで付けた自分の技の名前
雷鳴剣術魔法:レオが鍛錬により開発した独自の剣術魔法。
炎魔剣術魔法:義賊スコーンにより継いだ魔族の力が込められた剣術魔法。
・鐘楼:相手の魔法を無効にする
・劫火:相手の眼前に瞬間移動
・裂焼:防御不可能な炎の斬撃を与える
・陽炎:?
・業火:?
◎自然界の恩恵
・風Ⅱ不随魔法:風属性が二人同時に魔法が発動中、味方の『移動速度』強化、並びに『スタミナ』減少が遅くなる。
・炎Ⅱ不随魔法:炎属性が二人同時に魔法が発動中、付近の味方の『攻撃力』が増加する。
・雷Ⅱ不随魔法:雷属性が二人同時に魔法が発動中、味方全体の『魔力』が回復する。
・岩Ⅱ不随魔法:岩属性が二人同時に魔法が発動中、シールドが張られている味方の『シールド値』及び『攻撃力』が増加する。