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ブレイバーゲーム  作者: 春木
第一章 キルロンド学寮編
14/84

13話 王 VS 風紀委員

 本作品は、HoYoverse様の『原神』の元素反応の仕組みや、パーティ構成などを妻に教える為に執筆を始めたので、類似している内容が見られるかと思います。(修正しながら投稿するので、酷似しているわけではありません。)


 著作権の侵害等は避けるよう心掛けておりますが、引用したようなものが見られ、削除した方がよいと言われた場合、速やかに削除させて頂きます。


 ストーリー自体は、全く『原神』を真似ていることはありませんので、上記のことをご理解頂ける方のみ、ご閲覧をお願いします。

 翌日、レオが急を要してヒノトにシールド破壊の術を教えたかった理由を、全員が理解することになる。


『 KINGS VS 風紀委員 』


 その見出しは、広告掲示板に大きく掲げられていた。


「アイツ、今日が戦う日だったのか……! でも、もしアイツが風紀委員負かしたら、俺の出番ってないんじゃねぇか……?」

「いや……。あの王子のプライドからして、あまり考えられないけど……今日の試合、もしかしたら()()()()()()()()で考えていたのかも……」

「ハァ!? あのプライドの塊のレオだぞ!? 負け戦なんかするわけねぇだろ!!」

「だとしてもよ! 考えてみなさい……たしかにレオは王族だし、事実として強者……。でも、相手は()()()と、()()()()()()()()()()なのよ……」


 ヒノトは、改めて風紀委員メンバーの面々の凶暴さを噛み締め、汗を滴らせた。元王族であり、風紀委員長 カナリア・アストレアは、強力な洗脳魔法を使うことが出来る。魔族と契約した大罪人スコーンの実の息子だったリゲル・スコーン。そして、他全員が貴族院のエリート……。


「やべぇな……」

「ふふっ、流石のヒノトもビビっ……」


 ゾク…………


「早く戦いてぇな…………!」


 ヒノトは、獲物を見るような目で笑っていた。魔王の娘であるリリムですら、その眼光に背筋を凍らせた。


   *


 グラムとリオンを連れ、四人で闘技場へと向かう。


「リオンさぁ、そう言えば、レオのパーティの最後の一人って、誰だか知らないのか?」

「いや……それが全然知らないんだ……」

「ま、今回見れるからいいか」


 しかし、闘技場に出て来た、レオのパーティ、KINGSの最後尾から着いてくる男は、全く見たことも聞いたこともない、青緑色の細身の男だった。


「あ、あの髪色! 珍しい風属性だろ!」

「風属性の役目は、基本的にはバッファーが多い。実際、彼の持っている武器は杖だ。恐らく、中衛のメイジでレオの攻撃力を上げる為の役割か……」


 見た通りを解説するが、どうにもリオンは腑に落ちずにいた。


「バッファーかぁ、考えてもなかったな! 流石レオ! 天才だなぁ〜!」


(いや……ヒノトくん……。編成にバッファーを採用することは大して珍しくない……。むしろ……あの思慮深いレオがそんな単純なことをするのか……? それ程、あの男のバフは強力なのか……)


 暫くして、風紀委員も出場する。黒髪が更に侵食しているリゲルを始め、風紀委員長 カナリア・アストレア。そして、メガネをした真面目な風貌の金髪の男に、細身の赤髪の女が続いて出場した。


「炎二人に雷二人……『炎雷爆破(えんらいばくは)』編成だ……!」

「え……? 炎雷爆破編成……?」

「炎魔法と雷魔法が同時に相手にぶつけられた際、爆発が生じるんだ。それを狙ったパーティ編成を、『炎雷爆破編成』と呼ぶんだけど、爆破する時にシールドなどがなければ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、諸刃の剣のような編成なんだ……。しかしその分、与えられるダメージは強力……!」


 驚くリオンに、更にリリムは言葉を足す。


「それに、二人ずつ居るってことは、レオのパーティと同じ自然界の恩恵から、『炎Ⅱ不随魔法』と『雷Ⅱ不随魔法』の二つも同時に発動できる……。炎Ⅱ不随魔法はシンプルな攻撃力強化だけど、雷Ⅱ不随魔法は、二人の雷魔法が放たれ続けている間、()()()()()()()()()()()()作用が起こる……」

「王族の魔力ってだけで厄介なのに、魔力の回復までできるってことは……めちゃくちゃ強ぇパーティじゃねぇか……!」

「これは……流石のレオも()()()()()()()()()と見込むだけのことはあるのかもね……」


 そして、試合のゴングは鳴らされた。


 -岩防御魔法・ブロックゲート-

 -岩魔法・ロックメンド-


 シグマ、ファイの二人は、いつもの様に、レオに向けて二重の岩シールドを展開させる。もう一人の男は杖を構えたまま待機し、そのままレオは思い切り突撃した。

 そこに、相対するのはリゲル――――。


 -雷防御(かみなりぼうぎょ)魔法・雷衝陣(らいしょうじん)-


 風紀委員の金髪の男はリゲルにシールドを張る。


(あの金髪の男は雷防御魔法を使った。と言うことは強固な雷シールドを張るのみの魔法で、他に特出した効果はない……。だが、炎雷爆破によるリゲルくんへのダメージを防ぎ、同時に爆風の衝撃波も防いでリゲルくんの攻撃のチャンスを生み出す……。流石は貴族院の出だ……。だが……)


 -雷鳴剣・雷柱(らいちゅう)-


 ドンドンドン!! と、会場内には電気を帯びた無数の柱が創造されると、バチバチと蓄電するように光った。


「いつ降り落ちるか分からない、高火力の雷撃だ。その薄いシールドでどこまで保つか試してやろう……!」


(炎雷爆破により互いのシールドが削られる中で、岩魔法はシールド特化の属性。更にレオは、岩Ⅱ不随魔法すら発動させているから、リゲルくんに張られたシールドの方が遥かに弱い……。レオはそれを知った上で、強気な攻撃に出ている……。()()()()()()()()()()()()()為に……!)


 そのまま、レオはリゲルに剣を振るい上げる。レオには二重のシールドがあり、炎雷爆破のダメージを容易に防げる。緻密な計算で守備を固めており、且つ膨大な魔力を用するレオにしか出来ない芸当だった。

 しかし、リゲルは表情を変えず、簡単に退避する。


(剣を交わさないのか……? 自信がない……と言うような顔には見えないが……)


 レオも、途端に足を止める。


「ハハ、流石はレオ様だ。大抵のソードマンは、リゲルくんが退避したら()()()()()()()()()()()()突っ込んでくるところを……。ふふ、やはり侮れないね」


 妙に大人しかった風紀委員長、カナリアは、レオを前に初めて口を開いた。


 -炎魔法・ヒートグラウンド-


 赤髪の女の魔法により、ボウッ、ボウッ、ボウッ、と、レオの足下は炎が出現する。


「小賢しい……!」

 

 自前の反射神経でレオは全て避けるが、


 -雷洗脳魔法・ブラインド-


 注目度も高く、稀に見る上位職ウィザードでもある洗脳魔法使いのカナリアが魔法を発動した瞬間、会場の全員がレオを見遣るが、レオに異変は起こらない。


 シュンッ!!


 異変が起きたのは……リゲルだった。


 -炎魔剣・劫火(ごうか)-


 キィン!!


「コイツ……!!」


 一気に距離を詰め寄り、二重シールドを破壊することもなく、すり抜けてレオに剣を振り翳した。


「炎魔剣はシールドさえ突き抜けるのか……!!」


 レオは咄嗟にリゲルの剣をギチギチと防ぐ。


「貴様……理性が飛んでるな……。()()()()()()()()()()はやはりお前だったか……!」


 -炎魔剣・烈焼(れっしょう)-


 魔法が切り替わり、レオは異変を感じてすぐさま後退し、青緑髪の男を見遣る。男はコクリと頷くと、杖を構えた。


「貴様たちの炎……利用させてもらうぞ……!」


 退避後、動かなくなったリゲルの元に高速で突撃。


 -雷鳴剣・迅雷-

 -風魔法・ミキサード-


 レオの剣撃に合わせ、青緑髪の男も魔法を発動。


 ゴオッ!!


 その瞬間、二人を纏っていた炎・雷の全てが、同時に暴発し、会場内に轟音を響かせた。

 二人の姿は、砂煙の中で見えなくなった。


「これ……何が起きてるんだ……!?」


 魔法に疎いヒノトは、ただ呆然と戦いを見つめる。リオンは冷静に、目を細めながら解説する。


「今のは、風魔法特有の『凝集効果(ぎょうしゅうこうか)』だ。炎や雷の自然系の魔法に対し、風の効果で一か所に集め、()()()()()()()()()()を起こす。バッファーかと思っていたが、相手のシールドは雷シールドの一枚に対し、レオのシールドは堅い岩の二枚。互いの魔法を一か所に巻き込んだ凝集効果の威力は相当のもの……リゲルくんに張られたシールドであれば、破壊に至る可能性も高い。しかしその分、自滅になり兼ねない攻撃だけど、レオのパーティの二重シールドの前でなら、レオを巻き込んでも容易く使用できる……!」


 しかし、依然として腑に落ちないリオン。


「す、すげぇな……! レオ!! 流石に、これは勝ったんじゃねぇのか……!?」


 そんな中、一人の男が四人の横にフラッと立つ。


「いや、たぶん……うん。負けるよ」


 そこには、エルフ族に似た緑色の綺麗な髪を宿す、幼い少年のような細身の男が立っていた。


「ルーク……!?」


 その姿を見た瞬間、リオンは声を荒げる。


「えっと……リオンの知り合いか……?」


 リオンは顔を苦くして歯を食いしばる。


「紹介しづらいよね。だって、レオだけじゃなく、俺からも逃げてたんだもんね……。()()()――――」


 そう言うと、みんなにニコッと微笑む。


「リオンの弟!? レオだけじゃなかったのか!?」


「詳細には、お父様とエルフの方とのハーフ……。僕たちとは片親違いの弟、レオの兄に当たる二年生、ルーク・()()()()()だ……」


 ルークは、また無表情に戻り、試合を眺めた。

○DIVERSITY

ヒノト・グレイマン:ソードマン

リリム・サトゥヌシア:闇魔法

グラム・ディオール:岩属性/シールダー

リオン・キルロンド:水属性/ガンナー


○風紀委員

リゲル・スコーン:炎属性/ソードマン(炎魔剣)

カナリア・アストレア:雷属性/ウィザード(洗脳魔法)

雷属性のシールダー

炎属性のメイジ


○KINGS

レオ・キルロンド:雷属性/ソードマン

ファイ・ソルファ:岩属性/ヒーラー

シグマ・マスタング:岩属性/シールダー

風属性のメイジ


ルーク・キルロンド:ウィザード


◇魔法の組み合わせ

 炎雷爆破:炎魔法と雷魔法がぶつかった際、強力な爆発が起こる。(自身にもダメージ)

 凝集効果:風魔法が他の自然系魔法とぶつかった際、自然系魔法を一か所に集め、暴発させる。


◇剣術魔法

 雷鳴剣術魔法:レオが鍛錬により開発した独自の剣術魔法。

 炎魔剣術魔法:義賊スコーンにより継いだ魔族の力が込められた剣術魔法。


◎自然界の恩恵

 ・炎Ⅱ不随魔法:炎属性が二人同時に魔法が発動中、付近の味方の『攻撃力』が増加する。

 ・雷Ⅱ不随魔法:雷属性が二人同時に魔法が発動中、味方全体の『魔力』が回復する。

 ・岩Ⅱ不随魔法:岩属性が二人同時に魔法が発動中、シールドが張られている味方の『シールド値』及び『攻撃力』が増加する。

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