表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレイバーゲーム  作者: 春木
第一章 キルロンド学寮編
10/84

9話 ちゃんと言え

 本作品は、HoYoverse様の『原神』の元素反応の仕組みや、パーティ構成などを妻に教える為に執筆を始めたので、類似している内容が見られるかと思います。(修正しながら投稿するので、酷似しているわけではありません。)


 著作権の侵害等は避けるよう心掛けておりますが、引用したようなものが見られ、削除した方がよいと言われた場合、速やかに削除させて頂きます。


 ストーリー自体は、全く『原神』を真似ていることはありませんので、上記のことをご理解頂ける方のみ、ご閲覧をお願いします。

 リリムと、最後の魔族、地下牢で二人を攫った張本人を前に、岩II付随魔法により強靭なシールドを重ねたレオと、ヒノト、グラム、リオンの三人は相対していた。


「人間って本当に愚か……。潰し合ってくれるならいいわよ。見物しててあげる。ね、魔王様……」


 リリムは、苦い顔を浮かべて見つめていた。


「なあ、王子様よぉ。一つ、提案があんだけど」

「ふふ、奇遇だな。私も恐らく同じ考えだ……」


 ボン!!

 -雷鳴剣・迅雷-


 ザシュ!!!


「「 まずは、本物の魔族を斬る!! 」」


 その瞬間、結界魔法も何も張らず、悠長に眺めていた魔族は、ヒノトとレオの剣にぶった斬られた。


「貴様ら……人間……!! 卑怯な……!!」

「俺は王子と戦いに来たんじゃねぇ。お前を倒して、リリムを助けに来たんだ。狩られるか狩られないかの盤面で、気を抜いたのがお前の敗因だ」

「フハハ、卑怯上等……。私は国民を守る義務がある。その為には、手段もクソも無い……」


 そして、改めて二人は向かい合う。


「貴様は公式戦で……と思っていたが、邪魔立てをするのであれば仕方がない。反乱分子として……処断する」


 再び、レオの剣にはバチバチと雷が篭る。


(恐らく……レオのシールドはあの時の魔族の結界魔法よりも防御力が高い……。ってことは、いくら剣を当てても貫通なんて出来ない……)


 -岩魔法・砲岩-


 背後から、グラムの岩魔法が放たれる。


「でも俺には……仲間がいる……!!」


 ボン!!


 ヒノトはレオの眼前に迫る。


「何回も攻撃重ねて、お前のシールド削り取ってやる!」


 バゴン!! ……キィン!!


 やはり、二人の攻撃は全くレオに届かない。レオはニタリと笑みを浮かべる。


「一人は貴族、一人は平民だが、ヒーラーも兼用する。その魔力量……お前たちでは削り取れない……!」


 -水放銃魔法・水針-


 シュン!!


「なら……同じ王族の魔力ならどうだ……!!」


 レオは瞬時に振り向くと、剣を振り下ろす。


「王族自ら、叩き斬るだけだ……!」


(この早い魔法も見切って斬り落とすのかよ……! レオはどれほど成長しているんだ……!)


「お前、なんでそんな強いのにいつも偉そうなんだよ。ラグナおじちゃんも偉そうにしてねぇだろ」


 ヒノトの急な言葉に、レオは固まる。リオンも、唖然とヒノトを見つめた。


「貴様には……関係のないことだ……!」

「ラグナおじちゃんが前に言ってたんだ。自分にも同じ歳くらいの息子たちが居るって。お前たちのことだったんだろ。会えるの楽しみにしてたんだよ」

「貴様が楽しみだったかどうかなど関係ない」

「でも、これだけは言える。偉そうでムカつく奴だけど、お前は俺のライバルだ」


 その真っ直ぐな言葉に、二人はハッとした顔を浮かべる。


「魔法も使えん貴様のような愚民がライバルだと……? ふざけたことを言うな!!」


(あのレオが……動揺している……?)


「お前もだ!! リリム!!」

「えっ……?」


 急に話を振られたリリムは、途端に声を上げた。


「人として生きたいのか、そうじゃねぇのか、そろそろハッキリしろよ!!」


 暫くの静寂の後、リリムの瞳から涙が零れる。


「ヒノトくん……言い方……」

「リリム!! お前のせいで、ラグナおじちゃんも父さんも、コイツだって悩んでんだ!! 本当ならこんな争いは要らねぇんだよ!!」

「私は……!! わた……し……は……」


 その瞬間、レオは、バチバチッ!! とリリムに迫る。


 キィン!!


「お前は……何の為に処断を免れた!! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んだ!!」


 レオの剣を止めながら、ヒノトは叫び続ける。


「人類を散々殺した魔王……その娘で色々感じちまうのは分かる……。でも、いつまでもお前が何も言わなかったらずっと何も変わんねぇんだ!! 変わりてぇなら、変わる努力をしろ!! そんで、人を守りたいなら、()()()()()()()()()()()()!!」

「どうして……貴方はそこまで……!」

「俺は……勇者になりたいからだ……!!」

「私だって……」


 その瞬間、レオはヒノトを押し退ける。


「クソッ……!!」

「私だって……()()()()()()になりたいわよ!!」


 シン…………


 リリムの眼前で、レオの剣は静止した。全員が静寂に包まれる中、静かにレオは剣を下ろした。


「レオ……?」


 静かに立ち去ろうとするレオに、リオンは静かに声を掛ける。


「この王子、レオ・キルロンドが前に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()を確認した」


 そう告げると、レオは去って行ってしまった。

 悔しそうな顔で、ヒノトは俯いたままだった。リリムも、困惑したまま動かなかった。


「アイツ……分かってたんだ……。ラグナおじちゃんの想いも、リリムの想いも……。でも、王子の立場だから、処断する姿は見せないといけない。そんな中で強行して、リリムに『ちゃんと言わせる』ってことをした……」

「でも……それはヒノトくんがレオを静止してくれてなければ、処断は直ぐに遂行されていたんじゃ……?」

「アイツ……最後の剣に雷がなかった。手を抜かれてたんだ。()()()()()()()()()()()()()ように……」


 剣を強く握り締め、ヒノトは胸に当てる。


「今回の勇者は……アイツだ…………」


 そんな中で、国王らパーティ四人と、リゲルも四人の元へと駆けて来た。


「やはり、レオの様子を見る限り、処断は免れ、リリムから言質を取らせたみたいだね……」

「ヒノト……」


 ヒノトの初めて見せる打ちひしがれた様子に、リゲルも言葉を掛けられずにいた。そんな静かな中、リリムは立ち上がり、ヒノトと向かい合った。


「アンタ……私にあそこまで言わせて……あんなに粘着質に、しつこくしつこく私に付き纏って……!!」


 リリムは、話しながら涙を溢れさせていた。


「女の子を助けたのなら、最後まで、勇者らしく、かっこよく立ちなさいよ……!!」


 ヒノトは、その言葉にハッとした顔を浮かべた。


「お前…………」

「一回敗けたから何!? 一回、勇者らしく出来なからって何よ!! そんなことで私のことを何度も何度も助けようとして……無責任な姿見せないでよ!!」


 ヒノトは、笑顔がないまま、フラッと立ち上がる。


「リオン・キルロンド、リリム・サトゥヌシア…………」


 リオンは、汗混じりにヒノトの姿を見つめた。


「俺は……勇者になる。だから、力を貸してくれ……!」

「仕方ないから貸してあげる……。アンタ、見掛けに寄らず頼りないから。この、魔王の娘の本気の力で、アンタを支えてあげるわよ!!」

「リリム…………」

「だから……いつもみたいに笑いなさい……!!」


 リリムは、涙ながらに、クシャッと笑って見せた。


「僕も……一応王族だ。レオに比べたら、全然弱いかも知れないが、僕でよければ力を貸そう……。どうやら、倒したい相手は同じみたいだしね……」


 リリムとリオンの言葉に、ヒノトの頬には涙が零れる。そんなヒノトの頭に、大きな手が被せられる。


「ヒノト、己の弱さを認められることも、また強さだ。今は泣け……そして必ず、お前の力になってくれる奴らを、前衛として守り抜け。その為にお前を強くしたんだ」

「父さん…………」

「ほーら、んじゃあ帰るぞー。ヒノトは置いてく。この辺は魔物が出るが、コイツは魔物との戦闘には慣れてる。一人で散々泣いたら、一人で帰って来い」


 ササッと手を払い、全員を押し出し、そのまま全員で王国へと帰還してしまった。

 ヒノトは一人、大きな月を天に仰ぎながら、ただただ、ただただ、泣いた。

ヒノト・グレイマン(主人公):ソードマン

グラム・ディオール:シールダー/岩属性

リオン・キルロンド(王子):ガンナー/水属性

リリム=サトゥヌシア(魔王の娘):闇魔法

リゲル:ソードマン/炎属性


〇王子レオ パーティ

レオ・キルロンド(王子):ソードマン/雷属性

シグマ・マスタング:シールダー/岩属性

ファイ・ソルファ:ヒーラー/岩属性


○現役国内最強パーティ

ラグナ・キルロンド(国王):氷属性

ラス・グレイマン:ウォーリアー/氷属性

ミネルヴァ・アトランジェ:クレリック

シルヴァ・ディスティア:シールダー/水属性


◎自然界の恩恵

 ・岩Ⅱ不随魔法:岩属性が二人同時に魔法が発動中、シールドが張られている味方の『シールド値』及び『攻撃力』が増加する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ