第七話 オフ会 その2
その後、なんとか場の雰囲気も和やかに戻り、オフ会は順調に進みました。そして、いよいよ今回のオフ会のメインイベント「魔法インド少女 VS ヤクザ」の試写会が始まります。
これは劇場公開シリーズの第二弾で、前作の「魔法インド少女 VS 宇宙人」を超える、ヤクザとの壮絶な仁義無き戦いを描いた大型スペクトラルロマン大作であります。その内容は、笑いあり、涙あり、流血ありと子供向け番組であるにも関わらず、大きなお友達も楽しめる作りとなっております。
実はこの場に居る全員、最低三回は映画館で見ており内容を知っているのですが、あの感動を再びと言う事で今回DVD化も記念して、このオフ会で見ようと言う運びになっていました。そして、いよいよ試写会が始まりました。
ナマステちゃんが可愛い仕草をしました。全員で叫びます。
「可愛いよ、可愛いよナマステちゃん、萌え~!」
ナマステちゃんの変身シーンです。全員で合唱します。
「ナマステ、ナマスカ、ナマステジー! インドの国からこんにちわ、魔法インド少女ナマステ参上!」
ナマステちゃんがピンチです。全員で応援します。
「ナマステちゃん、後ろ! 後ろにバズーカ砲を構えたヤクザが! 後ろだナマステ~!」
そして、最後の決戦でナマステちゃんの必殺技が炸裂しました!
「真身如来、応身如来、釈迦如来! 天罰テキメン、マホトマ・クラッシュ!」
なんと言う傑作、なんと言う感動なのでしょうか! 会場に湧き上がる大歓声に鳴り止まぬ拍手。全員スタンディングオベーションです。中には泣いている人も。かく言う僕の視界も滲み、目から溢れる涙を抑える事ができません。感動です。
その時、隣で寝ていた彼女が、大きなあくびをしながら立ち上がりました。
「ふぁ~あ。ったく、クソつまんねぇ映画をタラタラと流しやがって。あまりにもつまらねえから、途中で寝ちまったよ。くだらねぇ時間を過ごしちまったぜ」
そう言いい残し、彼女はシンと静まり返った会場を後にしました。
恐らく、僕がこのオフ会に参加する事はもう無いでしょう。
僕の彼女はドSです。




