推しCP最高!!!
好きな人と好きな人同士がくっついてたら最高だよねという話。
気が付けば、私の体はクリームパンとちぎりパンが繋がっているような姿の王女になっていた。
一体どうしてこうなったのかしら。
前世はゴリッゴリのオタクで薄い本を月一でOLしながら作っていた女。私の座右の銘は三度の飯より推し。全てを推しに捧げているのが唯一の至高だった。
ちなみに私は男女共に美しい・可愛らしい人を愛でるのが好きなタイプで、私の両親&兄弟の家族も全員そういうタイプだった。でも周りは大体男・女どっちかで大体分かれているのよね……嘆かわしい!!
美しい人は全員愛でるべき!!!
友達? 恋人?
ふふっ……私のようなオタクにとって、むしろそのような相手は邪魔な存在というものよ。必要無いわ。全て推しという存在そのものや推しを構成する全ての成分だけが、私の毎日を充実させるの。
だけど……まさか!! 推しが産まれた日を祝う為に、わざわざ自分の誕生日でもないのにケーキやらお酒やらご馳走を用意して一人で食べて推しに想いを馳せていてたら、そのまま死んでいたなんて!!
それにしても私の死因ってなんだったのかしら。私、結構お酒強いから、酔うまでかなり飲んでいたけれど……特に頭をぶつけた記憶も無いし。確かあの夜……推しの誕生日だったから、夜はきっと興奮で寝れないと思ったのよね。
だから軽く"一掴み"の睡眠薬をお酒と一緒に飲んでぐっすり…………あっ。
ふ、ふふふふっ、人の体って案外……いや、なんて脆いのかしら。全く笑えないわ、そのまま永眠だったなんて。まぁ推しの誕生日が命日ってある意味、幸せだったかもしれないわね。
そんなこんなで私は王女に転生したけれども……正直言って地獄だったわ。
『お、お母様……本当なのですか、それは』
『えぇ、だから絶対に……あの男にだけは知られてはいけないわ』
『そっ……そんな、私がお父様の子じゃなかったなんて……』
『そうよ、だから絶対にこの事は誰にも言ってはいけないわ。もしバレてしまったら、私達の命は──』
『お母様ありがとうございます!! あのクズの血が私に流れていなくて!! 本当に良かったです!!!』
『ちょっ、ヘレン!? 防音魔法かけてなかったら危ない所だったわよ!??』
『あっ、ごめんなさいお母様……私ったらつい、はしたなく喜んでしまいました』
だってそれはそうよ!!
あんな可愛いロリ達を道具のように使って、あまつさえ無理やり豊乳させて性処理扱いしてるのよ!? 万死に値するわ!! イエスショタロリ・ノータッチを守りなさい、というかロリを巨乳にするな!!! ロリに巨乳が許されるのは合法ロリだけよ!!!
まぁ年齢はみんな合法だけれど、中身も見た目もが呪いで変わってないなら、それはもう普通に未成年と同じ事!!!
その汚ぇチン○コすり潰して臓物引きずり出すわよ!!!!
というかあんなに可愛らしい子達を穢らわしい手とモノで触らないで頂戴!!
いつかぜったいこの国の女王としてのし上がった暁には、ロリショタに無理やり手を出すゴミ・ありとあらゆる創作物とかに出てきそうな公式カプっぽいCPから寝取ろうとする男・女、百合・薔薇に挟まろうとする男や女、そして百合・薔薇NTRしようとする奴らも、全員処刑するわ!!!
えぇ、私の地雷は絶対に何としてでも消し去ってみせる!!
その為にはまず、あのクソッタレに私がバカでお父様大好きっ子()な手のかかる娘で従順である様子を見せて油断させないといけないわね。本当は死んでも嫌だけど、媚びを売って少しでも──
オゥエッ!!!!
駄目だわ、考えるだけで全身が拒絶反応をッ……!!
『おぉ、私の可愛いヘレンっ♡』
そんな事を言いながら可愛いロリに腰を振るのはやめなさい、息の根を止めて差し上げますわよ。
『王としての命令だ、明日お前と勇者の見合いを行う。その時に絶対に勇者を物にしろ! はぁっ、はぁ……うっ♡♡』
……今、ロリに見られながらロリに興奮して果てている竿役おじさんは一体誰かしら?
あっ、私の父親(血は繋がってない)だったわね! 血が繋がってたら本当に自殺してた所だったわ!
というか今お母様の話を思い出しても本当に虫唾が走るわね、正室のお義母様が妊娠した後『妊娠している正室(当然のごとくロリボディ)が居るにもかかわらず、側室でもないそこらに居るの女(合法ロリ巨乳)を孕ませる背徳感マシマシセッ○ス』がしたいという、汚ねぇチン○コが脳みそになってるんじゃないかと思える思考で、実は一生を決めた相手が居たお母様を、王としての権力を振り回して無理やり襲って娶っただなんて!!
その約一週間前に本当のお父様とは排卵誘発剤とか飲んでエッチして妊娠確定してたから、良かったけれども。ちなみにお父様はお母様のたった一人の専属執事として日々働いている。
やけにお母様は執事と仲が良さそうだし距離が近いし、やけにその執事は私に対して優しくて甘いし、全く私はクソッタレと顔が似てないから母親似なのかな~とは思ってはいたけれど。そういう事だったのね、と聞いた時はとても納得した。
それに今こうして考えると、本当のお父様は確かにかっこいいし背も高いし、有能だし、鏡を見てみると顔のパーツが半分ずつお父様に似ているし……本当にお父様の子で良かったわ!
……と、現実逃避として私の本当の生まれを思い出していた所で、私は心の中で『はぁ!??』と叫んだわ。そんな訳で私は無理やりクソッタレにセッティングされた勇者とのお見合いを明日する事になった。
もし上手く勇者に取り入れたら僥倖、このまま結婚して女王になり、あのクソッタレとその息子諸共処刑できる!!
そして当日……。
『は、初めまして! お、おおお俺はレイゼルって言う勇者ですます!』
『初めまして、あの……一生推してもいいでしょうか?』
『へっ?』
私の目の前に現れた勇者は、あまりにも顔が良かったのと初々しさ、そして使い方のおかしい敬語が尊かったので即私の推しになった。こんなに可愛いショタが現実に居るとは、ここはやっぱり何処かの二次元の世界なのね。じゃあきっとこの子が主人公なんでしょう、勇者だし。
旅の資金は私に任せてちょうだい。
某竜の探索に出てくる王様よりも圧倒的な援助で私が全面サポートするわ。
『あ、いえなんでもありません。私はヘレン・ミシュド・ロルバーグと申します、ところで単刀直入に聞きますが……』
『ん?』
『何か好きな物や夢中になっている何か、趣味などはありませんか? 』
とりあえず推しの趣味や好きな事を知る事は大切よね、趣味ってやっぱりお金がかかるもの。もしこれで今の生活をより良く充実に、そしていつかこの戦争を終わらせる事ができる手助けになれればいいのだけれど。
そう思っていた私に、レイゼル様はキラキラと目を輝かせて口を開いた。
『お、俺っ! 好きな物とかじゃないけど、夢中になってる人は居る……ます!』
あら、もしかして年上のお姉さんとかアイドルとかそういうのかしら。可愛いわね~!
『あら、そうなんですね。 どんな人なのですか?』
『えっと、俺の幼馴染のノエルっていう子なんだ……ですけど』
あらあらあらあらあら~~!! 好きな女の子が居たのね!? 私が夢女子だったら発狂していただろうけど、全然そういうのはアリよ~~~!! まぁその子が推せるかにも寄るけれど、きっとレイゼル様が好きな人なんだから、相当可愛い人なんでしょう! そうに違いないわ!!
顔をちょっと赤くさせちゃって可愛いわね~~!
そのまま純愛を貫いてちょうだい!!
……あら? 待って、そういえばこの子勇者なのよね? という事は私の親とも呼びたくないあのクソッタレと同じように、他の貴族達もこの子を狙っているのよね??
ちょっと!!!
レイゼル様とまだどんな子か分かってないノエル様との仲を壊そうとしないでちょうだい!! 殺すわよ!??
『ふふ、レイゼル様はその方が大好きでいらっしゃるのですね?』
『…………うん。あ、はいっ!』
顔を真っ赤にしながらついタメ口になってしまう言葉遣いを、無理やり敬語にして言い直すレイゼル様に私は胸を焼かれそうになりながら『具体的にはどのような所が好ましく思っているのですか?』と聞くと、レイゼル様は更に目を輝かせた。
『え、えっと! 結構色んな所があって伝え切れるか分かんないけど……。
まずノエルの外見的に好きな所はなんと言ってもやっぱり顔!! まさに黄金比の位置に顔のパーツがあって最高で可愛いんだけど、そのままパーツ一つ一つも全部好きで、まずは目! ノエルの目は本当に綺麗で、エメラルドみたいなんだよな! エメラルドの宝石言葉は「幸運・幸福・夫婦愛・安定・希望」らしいんだけど、宝石言葉の他にも、愛の成就っていう意味を持ってるらしくて! ノエルにピッタリっていうか、いつか俺がノエルと結婚して本当にそうしてやりたいって思うんだよな! ぱっちりした目で俺の事見てくれるし、ジトーってしたりゴミを見る目で見てくる所が本当に可愛くてたまらなくってさ~♡ 顔立ちも子供っぽいからそこもノエルの可愛さを引き立たせるところでもあって、そんな綺麗で可愛い目は見てるだけでも何を思ってるのか分かりやすいくらいに素直でさ、可愛いよな! それからノエルの目にあるまつ毛は毛量も長さもあって凄いんだけど、そこがノエルの魅力を感じ底上げしてて元々の可愛さにプラスしてセクシーな感じがするんだよ! それでノエルの目は時々ちょっと何処か見透かすような感じがして、俺の全部を見られてる感じがするから、ただ俺の事をノエルが見てるだけでも幸せな気持ちになれるんだ♡ あとよくゴミを見るような目で見てるのに、その中にちょっとエロい気分になってるような感じも入ってる目で俺を見てる時は本当に最高……♡ 思い出すだけでもすぐにチ○コがビンビンに勃って、我慢汁がダラダラ出そうになるんだよな♡ まだ勃たないけど、いつか精通したらノエルにっぱいその綺麗な目で俺の勃起したカウパー腺液でぬるぬるになったチ○コを見て、視姦して欲しいな~♡ 次に可愛い所はノエルの口! 唇はぷっくりしたピンク色で柔らかくてモチモチしてるんだけど、ちっちゃいからいつも食べるのが遅くて頑張ってご飯食べてる所が可愛くてつい見ちゃうんだけど、本当に可愛いんだよな~~♡ ずっとそこを触っていたいし、キスしたいしされたいし、ノエルの唇が俺の身体中にキスしたらって思うと最高に興奮するんだけど、やっぱり一番して欲しいのは俺の口とチ○コにキスして吸い付いて食べて欲しいっていうかっ♡ ノエルの口の魅力を伝えるにあたって勿論歯も捨てがたいんだけど、ノエルって本当に歯並びが良し白くて綺麗なんだよな! いつもちゃんとコレで歯磨きしてるんだろうなって思いながらこっそりノエルの歯ブラシ使ってみた時は本当に興奮して、これでノエルとディープキスした事になるんじゃないかと思ってさ! 本当に止めようと思ってても止められなくてっ……♡ 時々使い終わった歯ブラシとかも回収してコレクションしたり、眺めたりすると幸せな気持ちになれるんだ♡ 本当にノエルは罪作りだよな♡ 抜けた乳歯とかも今の所全部俺が手に入れてるんだけど、本当にちっちゃくて可愛い歯だな~っ♡て思いながら時々それも眺めるんだ♡ 歯が抜けた後のすきっ歯もノエルは恥ずがしがるけど、それが成長するノエルの魅力の一つでもあって──』
……ん?? 今、ノエル様の目と口が好きっていう話だったわよね?? えっ、ちょっ、なんかその2つだけで凄く話が長くないかしら?!
というか今こんな可愛い美少年がチ○コとか勃つとか言ってるのだけれど!?? というか普通にこれストーカーというか、ヤンデレじみてる方の好きよね??! あー、私それ大好物です!!
イケメンなのに変態でヤンデレで残念な美少年、最高だわ!!!
『ノエルの髪は本当にとっても綺麗で、太陽の光の角度によっては色んな色味が出たりして不思議なんだけど、いつもは基本的に──』
いやそれにしたって長い!! 長いわレイゼル様!! まぁ推しなのでいくらでも聞けますけど! むしろどんどん話してくれたって良いのよ!!
『ノエルのまだ未成熟なツルペタロリボディが──』
でもなんだかここまで変態的で盲目的にレイゼル様を夢中にさせるノエル様の方が気になってきましたわね!? ノエル様ってどんな方なのかしら!
『とにかく外見は全部俺の好みそのまんまで! 次に俺が一番ノエルの事が好きになった理由の性格の事なんだけど……』
『レ、レイゼル様! もう夕方になってしまっています!!』
『嘘だろ!? ノエルの好きな所の10分の1をやっと話し終えたっていうのに!! 時間め、なんであっという間に過ぎるんだよ!』
『何ですって!? 10分の1!?』
こ、これがノエル様ガチ恋勢の語り……!! 並のオタクでは雑魚にも等しい話の長さと愛の量!!
これが勇者という事なのね!? 私は結構なオタクだと自負していたけれど、レイゼル様の前ではよくあるRPGに出てくるLv1の平民でも倒せるスライム以下だったのね!
オタクとしてなんだか恥ずかしくなってきたわ!!
『あっ、ご、ごめん……俺以外の男にノエルの魅力を知って欲しくないけど、普段ノエルの事を話せる人が周りに居なくてつい……』
つまり同担拒否勢だからノエル様の惚気ができず、ずっとフラストレーション的な物が発散出来ていなかったのね!? 分かるわ、分かるわその気持ち!!! 私は同担拒否勢ではないけれど、中々好きな物の話ができないのって、辛いのよね!!
『レイゼル様……また今度お会いした時に、ノエル様の事を仰ってください。いくらでもその惚気を聞きますので! いやむしろ話してその代金を払わせてください!!』
『えっ、いいの? 俺、貰えるものは貰う主義だけど……。お金欲しいし、遠慮なく貰うぞ?』
『いいのです、全部貰ってください。ところでその貯金は一体何に使うおつもりですか? もしかしてノエル様に……』
『そう! いっぱいお金貯めたらまずはノエルの可愛い所を撮る為の映像記録アーティファクトを買って、それから結婚資金とか養育費の為に色々貯めるんだ!』
『ッハ──!! ヤンデレの天ぷら来ましたわ!! 是非援助させて頂きます!!!』
それから私はクソッタレから勝手にお見合い()をさせられる度にレイゼル様からノエル様との話をメモしながら聞いては、密かにまだ見ぬイマジナリーノエル様とレイゼル様のうっふんであっはんな薄い本を描き上げていた。
身近に居るカプがリアルタイムで味わえるから一番美味いって聞いた事があったけれど、それは本当だったわ! でも話だけだから、実際にこの目で拝んでみたいけれど!!
いつか本物のノエル様のお姿を拝見してみたいわ!!
……そう、以前の私は生半可な気持ちでノエル様に会いたいなどと思っていた。
『あっ……は、初めまして、よろしくお願いします!』
な、なにィ──────────────ッ!?
なんなの、この子!! レイゼル様の話以上にかわ、いやとってもプリチーでキュートじゃないの!! (語彙力の消失)
全体的にちっちゃくて可愛くて、気が強い小動物みたいで!! レイゼル様がこんなにもメロメロになってしまうのも当然!! いや、この世における自然の摂理ですらあるわ!!
そしてトドメがコレ。
『えっと……じゃあ、ヘレン………………ちゃ、ま』
カッッッッッ!! (光線に焼かれる音)
私は、圧倒的な尊さの前に精神を一瞬にして亡きものとされた。
ッシャアァァアアアァアアアアアアア!!!!
来たァアァアアアアアアアアァアアアアアアッ!!!!!!
ウォォオォォォオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!
DAISUKE_____☆
(しばらくの狂喜乱舞)
あ──────────────────────────────────────ッ!!!!
(それでも興奮が収まらないオタクの魂の叫び)
ク~~~ッソ か~わいい~~~~~~!!!! (ノエルマン化)
しゅき! (急に冷静になるオタク)
一生このカプ推そ! (ガチ)
たった一つの命を捨てて、生まれ変わった王女の体。
寝取りヤー共の野望を叩いて砕く。
私がやらねば誰がやる。
という訳で、とりあえずこの2人を引き剥がそうとするクソッタレ共と周りは滅べ!
作者もお金があったら沢山推しのグッズとかほs
作者はお絵描き大好きウーマンなので、薄い本とかグッズは自家栽培できるけど……現物にしようとするとお金かかるのはどうして??