よく懺■する人■達
懺悔とは(哲学)
魔力によってひとりでにオルガンが鳴り響く教会で、とても美味──いや、素晴らしい体をお持ちであせられる、一人の全体的に色素が薄い金髪碧眼シスターが祈りを捧げていた。
そのシスターは数ヶ月前に村へやって来ると、定期的に懺悔をしに教会へやって来た人間達の、罪の意識を直接吸い上げて浄化に来るのであった。
シスターは普段大きくスリットが入っており、胸部からお腹にかけて穴の空いたデザインをした動きやすい修道着と、ニップレスとニーハイにガーターベルトを身につけており、この聖なる服はシスター曰く「効率良く罪の意識を吸い上げる為」と信心深い教徒達の禊を一人で行っていた。
本日も懺悔をしに来た人間は数多く(男ばかりだが)シスターに罪の意識によって穢れる魂を浄化してもらおうとやって来ると、シスターはとても大らかな表情を浮かべて言った。
「今日も来てくださったのですね、これ程まで信心深い教徒を持ち、ケルロー様とリーゼフィア様もお喜びになる事でしょう。本日はどのようなご要件でしょうか? まだ説教の時間ではありませんが……」
「実は、懺悔をしに本日もやって来たのです」
「なので、シスターから禊を受けてもらおうと……」
人々から口々に言われると、シスターは喜んでいる様子でパンッと1回手を叩く。
「そうでしたか! 人間は生きていれば無意識の内に罪を犯している、罪深き存在ですから。その罪を自覚し、自ら罪を告白し禊を受けに来れる方は中々居ません。とても素晴らしい心持ちでいらっしゃいますね、では早速懺悔を始めましょう」
そう言い、シスターはいつものセリフを口に出した。
「懺悔なさい。貴方達の罪を告白し、禊を受けるのです。二柱の神は貴方達の罪を全て赦してくださるでしょう」
そして男達は己の罪を告白していく。
「私は娼館へ行き、妻以外の女性とセッ○スをしてしまいました……」
「俺は実の姉の下着を盗み、オ○ニーで下着を汚してしまいました……」
「僕は恋人が居るのにも関わらず……別の人を好きになってしまい、その人の事を思うと勃起が止まらなくなってしまいました……」
「ふふふ……皆さん、もう罪を溜め込んでしまったのですね……♡ 大丈夫、禊を受ければ寛大な神は許してくださるでしょう。さぁ、他の方も懺悔をするのです……♡」
~・~・~・~
ここはのどかな、何も無い平和な村。何も無く、フェリラとは遠く離れた異国の地だからか、戦争とは縁のない村である。だが三ヶ月前、この村ではとある変化と来訪者、移住者がやって来るようになった。
「今日も平和だな……」
野菜に水魔法を使い、農夫の男、カイラスは朝の清々しい風を感じながら水魔法で野菜に水やりをしていた。そんな時、村の男がカイラスに話しかけてくる。
「よぉカイラス! おはようさん、今日も頑張ってるな」
「テオドールさん、おはようございます。今日も教会に行くんですか? 長続きする事もあるんですね」
そう言われたテオドールは「まぁな」と自慢げに答えた。テオドールは恰幅のいい体型をしており、世間一般的に見てオブラートに包めばぽっちゃりと言われるおじさんだったのだが……。
三ヶ月前に移住者がやって来てからは、日に日に痩せるようになり、今では別人かのような体型になった。若干筋肉も付いたようである。元々の顔の良さが分かるようになった為か、最近ではイケおじと呼ばれる分類に入った。三か月前までは女性達に避けられていたのに、今では女性たち自ら寄ってくるようになり、最近では飲みに誘われる度に自慢をされる。
そして必ず、今の自分があるのは三ヶ月前に移住してきた"シスター"のお陰なのだと言った。
「これから教会に行くんだが、お前も来ないか?」
「えっ」
珍しくテオドールはカイラスに教会へ誘うと、カイラスは迷う。カイラスには半年前に結婚した妻が居り、その妻を養う為の金を作る為、こうして毎日あくせく畑を耕し、野菜を育て働いている。そして妻の体には自分との子供ができているのだ。時間やお金がかかる、なので休む暇は当然無い。
忙しくはあるが仕事自体も嫌いでは無く、むしろ土を耕し野菜を育てる事は趣味ですらある為、なるべく欠かしたくはない。
そしてカイラスは別に神を信仰している訳ではなく、神に祈る事で聖力を使えるようになった所で、別にその力をどうこうする気も無い。空気中に含まれる魔力が最も薄い地にあるこの村は、魔獣という存在も現れるのは年に3回あれば多い程。
おかげで田舎な割に住んでいる人は多く、真面目に働いた分だけ稼げる。最近はカイラスの育てた野菜を大量に買い取るお得意さんも一ヶ月前にできたので、今の内にどんどんいい野菜を育てて売っていきたい。
それに聖力よりも魔法の方が使い勝手もいいし、仕事に使う分には魔力が薄くても全く問題が無い。神の力に頼らず生きてきたカイラスに信仰心という物は皆無。つまり全く興味がなかったのである。
当然カイラス以外の村人達もそうで、以前の教会であれば誰も来なかった為、ただの埃っぽい結婚の時だけにしか使われない場所だった。
しかし何故かシスターがやって来てから、テオドールを筆頭とした村の男達が教会へ向かうようになったのである。
前にカイラスは一度シスターと会い、一言二言だけ会話をした事があるのだが……。シスターはとても美しく儚く優しく男ウケする女性だった為、まだまだ新婚夫婦と呼ばれるカイラスでも少し惹かれた事があった。その後で我に返り、己を心の中で叱責したが。
「お前が来れば喜ぶぞ、この村で一番の若い色男だからな」
「や、やめてくださいよ、第一その人シスターでしょう? ケルロー神の恋人なんですから。それに仕事があるので結構です」
カイラスはそう言い、水魔法に集中するとテオドールは「その気になったら何時でも来いよ~」と声をかけ、教会へ向かった。
「(テオドールさん、変わったな……色々と)
今度行ってみるか……?」
「いや、行かない方が正解だ」
「うおっ!?」
すると突然隣から気配も無く、お得意さんが話しかけてきた事にカイラスは驚くと、バッと勢いよく顔を斜め下に向けた。
「いきなり話しかけるのは止めろって! 驚いただろ」
「それはすまない」
「それで、俺の小さなお得意さんは今日は何を買いに来たんだ?」
小さなお得意さんことジャレッドは、子供扱いしてくるカイラスに多少何か言ってやりたいのを我慢して買い物メモを渡した。メモを受け取ったカイラスはそれを見て、ハチミツ好きなプーさんのようにメモを見ていた。
「……また多くなってないか?」
「あぁ、母の店がまた有名になってな。おかげで繁盛している」
「そりゃ凄いな、おかげでウチや村の養鶏・養豚・養牛場、酪農家は大助かり……と言いたい所だが、流石にこの量はウチだけじゃ足りないな。この村の分の野菜が無くなる」
「そこは分かっている、だから売れる分だけでいい。それと……」
ジャレッドは一枚の上質な紙を差し出すと、カイラスはそれを見て驚いた。
「契約書? しかも畑を……借りる?」
「あぁ、野菜が足りないならすぐに作ればいいからな。その為の土地を借りる代わりに、土地代と作った野菜の数と労働力の分を払おう」
「ここはヒエリカじゃないんだ、ウチの野菜は一応魔法を使ってるから1週間で収穫できるんだが、今すぐって言う訳には──」
「問題無い」
「お前な……まぁ、でもお前ならどうにかするんだろうな」
子供相手になんとも不思議な取引を持ちかけられたカイラスは呆れるが、相手は金払いが良い。儲かるならと契約書にサインをしてジャレッドに契約書を返した。
「早速だが今すぐに野菜を収穫しろ、僕の時間を無駄にしないようにな」
「今日も上から目線なガキだなぁ、急いでるなら手伝えばいいだろ」
「僕がやって構わないが、僕の払う代金には労働力も込で払っている。僕が収穫した野菜の数につき労働力の料金は割り引くぞ」
「はいはい、わーったって」
一つずつ丁寧に素早くカイラスが収穫している中、ジャレッドは畑から離れると、店に向かう為に村の中心へ歩いていった。すると村の老婆がジャレッドを見て声をかける。
「おはよう、ジャレッドちゃん」
「おはようございます、夫人」
人好きのする笑顔を作って答えると、魔法で花を咲かせて老婆に渡す。花のプレゼントは人の心を和ませる効果がある、この村に馴染むにはこれが一番手っ取り早い。多少無理やりでも、やはり渡した方がいいのだ。
「あらぁ、ありがとう。もし60年前だったら、ジャレッドちゃんに猛アタックしてたかもしれないわね」
「きっとその当時の貴女は今と変わらず綺麗な方だったのでしょう、ですが……僕にはもう心に決めた人が居まして」
「一途なのねぇ~、こんなに礼儀正しい男前なんて女の子がほっとかないでしょう? ジャレッドちゃんに愛されてる娘は幸せ者ね」
「では、用事があるので失礼します」
「今度お家にいらっしゃい、美味しいお茶用意するわね~」
老婆に会釈してからジャレッドは店に向かうと、その道中で村の子供達がジャレッドに駆け寄った。
「おにいちゃんだ! きょうもきてくれたの?」
「おはなちょうだい!」
「なぁ、またすっげぇマホウやってくれよ! まえにみずうみのみずをわったときみたいにさ!」
「またタンケンしにいこうぜ!」
「それは今度だ、あと危険な場所には行かないからな。この僕が着いているからには、お前達にケガを付けさせる事は決してありえないが……万が一の事がある。そんな事があれば、お前達の両親に顔向けできないだろう。
何の花がいい?」
そう言うと女の子からは「ぴ、ピンクのバラがいい!」と返事を貰い、女の子の両手を取ると、両手で優しく包み込むようにして握る。その女の子はつい顔が赤くなってしまうものの、何も無かった自分の手の中で感触を通じて薔薇が魔力によって作られていくのを感じた。
そしてジャレッドが手を離した瞬間、棘のないピンクの薔薇が次々と咲く。
「わぁ……きれい!」
「そうだろう? この僕が作ったのだから当然だ」
「いいなー! わたしにもつくって! ユリがいい!」
「ユリは人にあげるのにはあまり良くない花だが……女性からの頼みだ、良いだろう」
「あー!! ずりぃ!」
「えこひーきだー!!」
「当たり前だろう、男なら我慢しろ」
「さべつだー!!」
「いまのよのなか、だんじょさべつはダメなんだぞ!!」
「LGBTほーいはんだー!!」
「(どこからそんな言葉を……)」
ジャレッドはそんなふうに思いながらもユリをプレゼントすると、文句を言っている男の子達に「仕方ない、着いてこい」と声をかけた。
向かった先は村で採れた新鮮な食材や調味料などが売っている店で、やって来たジャレッドに店主は声をかけた。
「買い忘れか?」
「いや、新たに買う物が増えたんだ。これらを頼む」
ジャレッドはメモ帳を出してサッとペンで材料と数や分量を書いて渡すと、店主はすぐにそれらを用意した。ジャレッドは代金を出して、材料の入った紙袋を受け取る。
「また来いよ」
「あぁ」
ジャレッドは紙袋を持ち、魔法で冷やしながら村の広場へ向かった。そこにはフリーで置かれているテーブルと椅子があり、そこではよく村の人々が料理などを持ち運び、近所同士で会話をして食事や酒を楽しむ為に使われている。
ジャレッドはそのテーブルに紙袋を置き、自宅にあるキッチン道具を召喚した。
「おー!」
「なーなー、なにつくんの?」
「見ていれば分かる」
そう言うと、ジャレッドは用意したボウルに買っておいた卵を割り、ホイッパーで泡立てる。手慣れたものですぐに泡立つと、紙袋から砂糖を取り出し、数回に分けて混ぜるとバニラエッセンスを出して数滴落とす。白っぽくなるまで混ぜ続けていると、見ていた男の子達が甘い匂いにつられてヨダレを垂らしながら興味津々で尋ねていた。
「もしかしてプリンか!?」
「いや、違う」
「なーんだ」
それからジャレッドは紙袋から生クリームを出し、別のボウルホイッパーでまた泡立てていく。魔法で冷やしながらプロ顔負けの泡立てでもったりとした生クリームになるまで混ぜると、生クリームを泡立てた卵入りのボウルにクリームの泡が潰れないようにして混ぜ、トレーに移した。
「グロウ」
すると一瞬でトレーごと完全には凍っていない程度で冷やすと、混ぜながら少しずつ冷やしていく。しっかりと凍った時にまた道具とそれから皿を召喚し、取り出したアイスディッシャーを使って皿に盛り付けた。
「これで満足か?」
「アイスだ、ずるーい!」
「おいしそう……いいなぁ」
「おまえらはさっきはなもらっただろ」
「ずるくねーぞ!」
「全員分は用意してある。お前たち2人は量を多くしておくから、平等だ」
そしてジャレッドは道具を魔法で洗うと、自宅の方に戻した。
「うっま!」
「うめぇー! 」
「おいしい! ……それにしてもやっぱりおにいちゃんってすごいね、なんでもできちゃう」
「オマケにカオもいいしね」
「この僕だからな、当然だ」
そして子供達がアイスを食べ終わったところで皿を洗うと、残ったアイスは自宅の冷凍庫に入れた。
「じゃあなー!」
「こんどはゼッタイたんけんしにいこーな!」
「じゃあそのつぎはわたしがおにいちゃんと、ふたりっきりでデートしにいこうねー!」
「あっ! ずるい、わたしもデートする!」
「(……ませてるな)」
それからもジャレッドは、沢山の人々達から話しかけられては会話をし、村の女性達からはよく家に来ないかと誘われたのだが、丁重にお断りした。明らかに目がハートになっていて、ハァハァしていたので。
畜産家、酪農家達の家を訪ねては、食材の受け取りをして代金を払い、魔法でフェリラに転移させた。
それからジャレッドはあまり気が乗らないものの、そろそろ用事が終わりそうなので教会へ向かう事にした。重い足取りで教会に向かう途中、徐々に聞こえてくる艶やかな嬌声と野太い声に頭を抱え、事が終わるまでレシピ本を読み、教会の外にて待っていた。
数十分ほどしてドアが開くと、シスターの姿に擬態しているセナがジャレッドを見つけるやいなや、すぐさま力強く抱きしめる。ジャレッドの顔に思いっきり胸が押し付けられた。
「長い間私を待っていてくれたのね♡ 待たせてごめんなさい、ダーリン」
「そこまでではないが……早く僕から離れろ」
見たところシャワーを浴びたのか髪が湿っているし、イカ臭いもしない。ジャレッドの言っている意味は別に汚れるだとか、精神的に嫌だとか、そういう意味での離れろという言葉では無い。相手が居るからこその言葉である。だが見るからに落ち込むセナにジャレッドは「勘違いするな、不快では無い。美人な女性に抱きしめられて嫌な気持ちになる者は居ないだろう?」と言うと、セナはすぐに元気になった。
「だが抱き締めることに許可を出した覚えは無い」
「いいじゃない、減るものじゃないでしょう?」
ジャレッドはセナの体を押して離そうとしながらカイラスの元へ魔法で戻ると、丁度収穫を終えたカイラスが休憩を取っていた。
「終わったか」
「おう、そこに置いて……何でシスターがお前に引っ付いてるんだよ」
「……こうなった心当たりはあるが、このシスターが勝手に引っ付いているだけだ」
「ふーん……」
カイラスはジャレッドとシスターの関係が大いに気になるものの、魔法で全てフェリラへ飛ばすのを見ていた。
「……さて、休憩は終わりだ。次の作業に取り組め」
「は? いや何言って──」
そう言いかけ、カイラスは畑を一瞥し……また二度見した。
「野菜が復活してやがる!!」
「精々金と僕の為に働くんだな」
ジャレッドは当てつけかのように自宅で冷やしていた残りのアイスを食べ始め、セナはジャレッドにあーんを所望し、それについ癖で応えてしまったジャレッドが頭を抱えていたりなどをしていた。
「貴方の意外と求められたらやってくれる素直な所、私好きよ」
「ただの習慣だ、それ以上でも以下でもない」
「……その習慣を作ったお相手は、生前の貴方に指輪をはめた人かしら?」
セナにそう言われ、ジャレッドはふと自身の手袋の上に身に着けた左手の薬指にはまる、ただの鉄の輪に視線を向ける。
「半分違うな」
「あらそう? もう半分は?」
「当然、あの家畜共に決まっているだろう。身の程を弁えずに家畜風情が毎日僕にねだってくる、本当に……鬱陶しい」
そう言うジャレッドだが、その声はとても優しいもので、深い愛情がある事を感じさせる。
「ちょっとだけ妬けちゃうわ」
「家畜に嫉妬をするなど、本当にどうかしているな」
~・~・~・~
「ママ、おかえりなさい!」
「今日はどこ行ってきたのー?」
「前にも行った、ただの田舎だ。畑くらいしかない」
ジャレッドはそう言うと、寄ってきた家畜達の頭を撫で……背後に居る、元の姿に戻ったセナに視線も向けずに話しかける。
「ところで……何故着いてきた」
「良いじゃない、貴方の恋人だもの」
「どこかの国では愛人と書いて恋人と読むらしいが、僕は自分の配偶者以外にそういう感情を向ける気は無い」
はっきりと言い切るジャレッドにセナは後ろから優しく抱きしめた。
「……それでも好きよ」
「心の中だけに秘めてくれ。それより家畜共の前だ、早く離れろ」
ジャレッドはそう言うと、雌の家畜達が目を輝かせて何かを言いたげにしている事に気付き「どうした」と聞いた。
「ママとおねえさまってオトナのカンケイなの?」
「セッ○スしたの?!」
「おい待て違う、有り得ないことを言うな。僕は既婚者だぞ」
「でもわたしのパパは"ママたち"といっぱいセッ○スして、いっぱいケッコンしてたよ? ママもおねえさまとケッコンするの?」
そう言うのはフェリラ出身の家畜である。そんな雌の家畜にジャレッドは「しない」と食い気味に言うと、食堂へ向かわせる事にした。
「それより、もう夕飯の時間だ。さっさと作りに行くぞ」
「はーい!」
「ごはん!!」
食事の時間だと聞いて家畜達は機嫌を良くすると、待ちきれない家畜は走っていき、料理の準備に取り掛かりに行った。
「今夜食べていくか?」
「そうね……」
「先に言っておくが、僕は食べられないからな」
「残念、でも折角だし食事の方を頂くわ。お夕食のメニューは何?」
「今日は子供がほぼ全員好きな、野菜嫌いでも食べられる野菜とチーズの入った煮込みハンバーグだ」
「良いわね、ハンバーグ。私も好きよ」