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女の子の体は、男を喜ばせる快感成分でできている

 女の子の体は、男を喜ばせる快感成分でできている。


 僕はマザーグースに在りそうな寓説を、もっともらしくそらんじていた。


 今度は腰に手を回して、お尻の方に手を持っていく。


 その動きの中で、偶然、スカートをめくりあげてしまった。


 ほんとに偶然か? 僕も自信が無い。だって、初めて見たナマパンも……。


「やっと、見えた……」

 ナマチチと同じ感想だったのだ。


 でもさすがにこの行動は、アマネも恥ずかしかったらしい。


 僕の手を掴み、そして、逃れるように、僕の体と入れ替えたのだ。その結果、僕とアマネは上下入れ替わった。


 アマネが上で僕が下になったのだ。


 体を入れ替えた時、僕の右腕は拒否されたお尻から、おっぱいへと素早く移動していた。

 いや、これはこれで嬉しいんだけど……。アマネの胸の重さが……。


 また、頭の中に、ジュンキの猥談が蘇った。


 「ユウナって胸がちっパイんだよ。それで、上に載ってもらったんだけど、やっぱり、ちっパイんだよな」


 その時は何を言っているのか分からなかったけど、今ならわかる。


 下を向くことで、おっぱいが重力で下を向く。その重さと揺れる乳房が、手の平にずしり感じられて……、初めて優越感を感じて、ジュンキに勝った気がしたのだ。


 でも、そのせいで、アマネの太ももは僕の股間から逃れていた。重なっていた下半身はズレて距離を取られた。柔道で言うところの上半身は四方固め、下半身は袈裟固めといったらいいか? いや、分からない人は分からなくていい。


 アマネは、僕の股間のふくらみに、絶対に気付いていたはずだし、さすがに嫌だったもかもしれない。


 でも、アマネは、胸を揉まれたまま、僕に積極的に唇を重ね、舌を差しいれてくる。


 僕が乳房に夢中になって、唇を忘れていたことを、攻めるようむさぼってきた。興奮した僕は頭を入れ替えるたびに、僕は体が離れるのが嫌でアマネを抱きしめてのがさないように体を入れ替えて僕が上になろうとしたけど……。


僕の暴走を諭すように、アマネが上で僕の体を抑え込むのだ。僕は仕方なくアマネに身を委ねて、欲望を抑え込むのだ。

 

 そんなふうに体を入れ替えお互いに求めつつ、どのくらい時間が経っただろうか?


 ピー! ピー!! ピー!!!


 大きなタイマー音が部屋中に響いた。


「ごめん、私の携帯……」


 僕の上で、僕の胸に唇を押し付けていたアマネが、素に返ったように体を起こした。


「もう、行かなくっちゃ……」


「ご当地イベントのロケ?」


 アマネの声にそんな風に返事を返しながら時計を見た。時間は9時過ぎだ。僕たちは1時間以上、乳繰り合っていたわけだ。


 だるさるそうに対応する僕に対して、アマネはブラを留め、ワンピースに袖を通した。そして、僕に背中を向けてファスナーを上げるように促すのだ。

 本当にさっきまでの甘い時間は終わったんだ。


 僕は名残惜しくて、後ろからアマネを抱きしめたけど……。


「恥ずかしいから、早くして……」

 俯いて、小声でお願いするアマネ。僕は今までの時間が嘘のように、恥ずかしそうでよそよそしい。


 完全に普段のアマネに戻ってしまったようだ。僕も今日こんなことになってしまったけど、たまたま、巡り合わせただけで僕の本意じゃない。


 僕は観念して、ファスナーを上げた。


 すると、アマネはベッドから腰を上げ、テレビ台の上に載っかっている鏡を持ちだして、カジュアルこたつの上に、持ってきたバックから化粧道具を取り出して化粧を直し始めたのだ。


 やや、乱れた髪をブラシと整髪料で整え、紅を差している。あの唇、相当舐めまわしたかも……。

 いや、僕は何を考えているんだ。


「凄いね。それ(化粧品)。まるでプロみたい」


 って、僕は何を言っているんだ。テレビに出ているどんなアイドルよりかわいいんだから、もはや、プロだろうが!!


「ううん。これはメイクさんに色々聞いて……。本番前に手直ししてもらうつもりで持っ来ただけで、今日だってこんなつもりじゃなくて……」


 じゃあ、何がその気にさせたんだ? 僕はそこのところが問いたいだけど……。


「大体、部屋に入ってきたら、そこにレンタルのDVDの箱が転がっていたから!」


 そういえば、昨日は、エロビデオを見ながら寝ちまった。


 そして、アマネの指し示すこたつの上には、証拠品がしっかり載っている。


 アマネ自身は、エロビデオに見ることは責めていなかったけど、免疫があるかは別問題だ。それより、話題を変えないと……。


「鍵がかかっていただろ? どうやって入ったんだ?」


「下駄箱に予備の鍵を隠しているでしょ。鍵を無くしても下宿に入れるようにって。それを使ってレン君が居なくても、コウキやジュンキ君たちが下宿で入り込んでくつろいでいるって」


 確かに自宅組が羨ましそうにするから、部屋を自由に使わせているけど……。そんなことまで、アマネの耳に入っているとは……。

 驚愕の表情とまではいかないが、コウキやジュンキたちと俺についてどんな話をしているのか……?


「レン君のことは、どんなことでも知っておきたいの。きっと、女性経験がないとか……」

「いや、まあ……」


そこは図星なんだが……。だからと言って、面と向かって認めたい事実でもない。


「大丈夫よ。レン君。私も初めてなの。今日みたいなこと……」


 とんだカミングアウトだ。今日のことって、男と半裸で抱き合ったり、おっぱいを生で触らせたり、吸わせたりってことだろうな。まあ、僕はまだそのことは半信半疑だけど……。


 僕がアマネと目を合わせると、恥ずかしそうに目を逸らした。




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