燃える絵
元は二人を愛おしそうに見て
「不思議なものだな」
と呟いた。
直彦も隆も
「「そうだな」」
と答えた。
太陽はこの館で生まれ、元を父として1歳まで朧清美と育てたのだ。
つまり、元にとっては娘でもあるのだ。
反対に月は別れた妻の叶が育てていたのだ。
それが、叶は次男の陽介を連れて本当に愛する男のところへ行き、太陽は本来の父である直彦を父として、月は本来の父である元を父として成長していっているのだ。
運命とは不思議なモノである。
允華は感慨にふける元たちを見て
「兄さん、そろそろ」
と呼びかけた。
元は頷いて
「応接室で話をしよう」
と応接室へと誘った。
白露家の応接室は特別な家系に恥じない立派な部屋で壁には有名な画家の絵画が掛かり、調度品も置かれていた。
テーブルも椅子も海外からの特注品であった。
それぞれ椅子に座り元が口を開いた。
「春彦君、夏月と津村には話しておいたんだが…これからのことを話しておきたい」
春彦は頷いた。
元は允華を見ると小さく頷いた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




