推理作家への挑戦状 結界編
晟は頷いて
「わかった」
と足を進めた。
そして、上り詰めた先に石碑と何故か虎の像があった。
晟はそれを見ると
「何でここに虎?」
方向から言ったら朱雀だから鳥じゃ…と呟いた。
が、允華は小さく笑って
「いや、多分そういう意味の像じゃないと思うから」
と突っ込んだ。
その時、銃を構えた男が一人木々の間から現れ
「なるほど、ここに隠しやがったのか」
と呟いた。
「一人で宝石をくすねたと思ったら」
允華は男を見て
「誰ですか?」
と聞いた。
男は目を細め
「お前、あのバイト野郎に頼まれたんじゃねぇのか?」
と唾を吐きながら告げた。
允華は虎の像の裏にある鞄を手に
「違います」
でも
「恐らく貴方と目的は一緒だと思います」
と告げ鞄を見せた。
「この中の宝石が貴方の目的ですよね」
…数日前に宝石店の強盗をした犯人んさん…
晟は思わず
「ええ!?」
と叫んだ。
男はニヤリと笑うと
「訳わからんが、まったくその通りだ」
と言い、銃を向けたまま
「さあ、返してもらおうか」
俺のモノだ
と告げた。
允華はハァと息を吐き出し
「これは貴方が盗んだもので」
貴方のものではないですよ
と言い
「でも」
命は惜しいです
とギョッと驚く晟の視線を受けながら鞄を大きく振ると業と強く男に投げつけた。
男は避けながら受け取ろうとした。
瞬間に允華と晟は男の懐に飛び込んだ。
晟は「覚悟!」と叫ぶと思いっきり回し蹴りをして男を吹っ飛ばした。
允華は男の手から離れた銃を少し離れて驚いて見ていた加奈子の方に蹴った。
「茂由さん!!」
取って!
加奈子は慌てて銃を拾って
「はい!」
と応えた。
一瞬の出来事であった。
允華は男の腕を捻って地に押し付けると
「晟、紐みたいなのある?」
と聞いた。
晟は携帯を手に
「警察呼んでるからもう少し頑張ってくれ」
と告げた。
警察が到着したのは5分後で允華と晟と加奈子と加奈子から連絡を受けて慌ててやってきた歳三は事情を話してバッグを二つ渡した。
事情聴取はされたものの直ぐに解放されて夜の帳が降りる頃には夏月家へと帰還したのである。
その時には津村隆が夕食を作っており
「へー、見つかったのか」
良かったな
「それにその大立ち回りを見てみたかった」
と笑ってそれぞれの前に夕食の皿を置いた。
夕食はガパオライスで誰もがバグバグと無言で食べた。
允華は晟と加奈子と共に夏月家を出て高砂駅から東都電鉄で自宅のある成城学園前駅へと向かい帰り道にふとバッグに乗っていた手紙を思い出してポケットから出した。
「そう言えば、この出題者が犯人の言ってたアルバイトだったのか?」
允華は呟き手紙の中を見て
「…誰なんだろこの人…」
俺のことを良く知っている人物だってことだけは分かる
「何処かで出会っていたかもしれない」
と呟いた。
手紙には『貴方なら見つけてくれると思っていました。警察へ届けてください。よろしくお願いします』と書かれいた。
しかし、後日。
アルバイトの青年は自首し捕まった犯人も自供して他の面々も捕まったのである。
アルバイトの青年は同じ夜学に通う友人に相談したと言い
「どうしていいのか分からない言ったら…自首を勧められてモノは古い知り合いから警察に届けてもらうと言ってくれたんです」
と経緯を警察に説明したのである。




