推理作家への挑戦状 結界編
歳三はフムフムと頷き
「なるほど、そう当てはめて行けばそれぞれの場所が分かると」
4か所全て調べたら何処かで当たると
と告げた。
直彦は考えながら
「人海戦術だな」
と呟いた。
隆はそれに
「だが、絵は?」
と聞いた。
「もしかして落書きか…便箋の雰囲気だしか?」
允華は携帯を触りながら
「違うと思います」
と言い
「江戸時代の結界はその4か所なんですが…今は5か所ととも言われているみたいです」
と告げた。
「考え方は違いますが、日枝と神田以外が入れ分かっているようですよ」
直彦はそれに
「つまり、入れ替わった二か所…増上と寛永…朱雀と玄武が去りし二体の神獣になるのか」
と呟きハッとすると
「允華君、携帯を見せてくれ」
と言い驚いた允華から携帯を受け取り、画面を見るとふっと笑った。
「なるほど…全部意味があったのか」
允華は驚いて
「先生は分かったんですか?」
と聞いた。
直彦は頷くと
「ああ、分れば全部つながる」
と告げた。
允華は直彦から携帯を返してもらってみると
「増上は…今は芝公園」
寛永は上野
と言い、「あ」と声を零すと
「そう言う意味なんだ」
と告げた。
晟と隆は同時に
「「どういう意味なんだ!?」」
と聞いた。
見事なシンクロである。
允華は歳三と加奈子も顔を向けると
「上野の不忍池を琵琶湖に見立てて中に竹生島の代わりになる弁天島を作ったって話があるんだ」
つまり
「下の琵琶湖の絵は不忍池を示していて竹生島にチェックがあるから弁天島にあるということだと思う」
と告げた。
そして、携帯を触りながら
「多分、芝公園にもそう言うのがあると思う」
ラクダの瘤のような場所
と言い
「ほら、芝公園は芝丸山遺跡が前方後円墳でその山のところに隠したってことだと思う」
と告げた。
直彦は笑みを深めると頷いた。
允華は立ち上がり
「俺、行ってきます」
他に狙っている者がいるということは犯罪絡みの宝でそれを消そうとしている人がいるということかもしれないので
「一刻を争います」
と告げた。
直彦も隆も頷いた。
歳三はやれやれという具合に
「じゃあ、また運転手で参加しようか」
と歩き出した。
加奈子はカメラを手に「ありがとうございます!」と答え、晟は「おっしゃ」と足を踏み出した。
正に台風一過である。
彼らが出て行ったあとに直彦は不意に
「そう言えば、少し前に強盗事件がニュースで流れていたな」
宝石店の
と呟いた。
隆は直彦を見ると
「…ああ」
と答え
「その宝か?」
と聞いた。
直彦は考えながら
「わからん」
と短く答えた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




