共に歩む愛する人
木の影に隠れながら二人を見ていた晟はボロボロ泣くと
「あれ、絶対に上手く行った」
良かったなぁ、允華…ううう…良かった
と呟いた。
加奈子は驚いて一瞬ドン引きしたものの小さく微笑むとそっと晟の手を握り
「そう言うところ、私は好きよ」
晟君
と囁いた。
晟は微笑み
「ありがとう、茂由さん」
と答えた。
が、加奈子は困ったように
「加奈子で良いわよ」
と告げた。
晟は真っ赤になりながら
「…か、加奈子さん」
と俯き告げた。
絢華は木に隠れていた二人を発見すると
「…尾行されていたようね」
と言い、允華の手を掴んで進むと
「デザート行きましょ」
と笑った。
允華も笑むと
「そうだね」
と答え足を踏み出した。
事件に関しては後日だが日和から連絡があった。
允華の想像通りに男性を運転手が呼び出し話し合い中にもみ合いとなり倒れた時に打ちどころが悪く死亡し、その時に慌ててその男性の被害者の集まりの一人に連絡をして急遽仕立てた事件だったということであった。
男は運転手の一人娘を車に連れ込み暴行を加えて自殺へと追い込んでいたのである。
あの時に集まった人々の父親や息子などに対しても傷害や暴行などを行い、それらを全て父親の権力で揉み消していたのである。
ただ、運転手はその3年後に病気で亡くなっており手紙を残していた。
それに全てが書かれていたのである。
事件自体は既に時効を迎えていたが、日和はその報告をずっと事件ではないかと疑いつつ定年を迎えた先輩刑事に話をし、そして、手紙を渡したのである。
允華はデートを終えて帰ると待っていた兄の元に
「実は兄さんに合わせたい人がいるんだ」
俺は彼女と将来を共に生きて行こうと思っている
「兄さんと夏月先生や義姉さんを愛していた兄さんの親友の人たちと一緒にこの白露家や特別な家系の廃藩を行って」
と告げた。
「彼女はとても頭が良いし、それだけでなく人の痛みも人を包み込む優しさもある」
元は允華を見ると静かに微笑み
「そうか、俺は凄く嬉しい」
俺が見たくて見れなかった未来をお前が実現してくれることが」
と抱きしめた。
「お前たちの事は俺も守る」
一緒に歩いてくれ
允華は頷き
「勿論だよ」
兄さん
と抱きしめ返した。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




