共に歩む愛する人
日和は目を見開く
「ほっほー、さすがテリ君だ…何か見つけたのかもしれない」
と呟き、妹のようにかわいがっているゴッポが『ボコる』と怒っていることを知らず動画をもう一度流した。
允華はじっと見つめ
「…わかった」
と呟いた。
それに晟が
「何が分ったんだ?」
マジで事件だったのか?
と聞いた。
允華は唸りながら
「これが事件だったら全員の供述が一致しているのもおかしいよね」
と言い
「けど、そういう推理小説もあったから全く皆無じゃない」
と告げた。
『コンティニューロール:実は犯人の銃を持っている手が反対なんです』
晟も絢華も加奈子も息を飲みこんだ。
日和も「は!?」と声を零すほど驚いていたのである。
允華は冷静に
『コンティニューロール:バスの左側に追従していたパトカーから撮った映像で窓に映っている犯人の引き金に掛かった指先の爪がこっちに見えています。つまりこの時の犯人の利き腕は左。けれど、倒れている犯人の引き金にかかった手は右。右利きなんです』
『コンティニューロール:反対なんです』
と打ち込んだ。
加奈子は「確かにそうだわ」と呟いた。
絢華も頷いて
「この短時間の内に利き腕が代わることはないし、まして、銃の引き金を引く手を変えるなんて普通はしないわね」
と告げた。
允華は考えながら
『コンティニューロール:その上で全員が銃を向けていた人物と倒れていた人物が同じだと言っていたとしたら…全員に共通の接点があって全員が共犯者ということが考えられます』
『コンティニューロール:時間帯もかなり早朝ですし運転手も共犯者なら他の人を乗せないようにバス停に止まらないとか、扉を閉じたまま他の乗客を乗せないようにすることは可能だと』
と打ち込んだ。
日和は驚きながら
「まさか、そんなことが…だが映像が事実を映しているのならそこから…」
と呟き
『雨:なるほど、運転手を含め乗客全員の接点を調べることにする。ありおつノシ』
と打ち込んで椅子から立ち上がった。
允華もそれに
『コンティニューロール:ありおつノシ』
と答え、二人同時にログアウトした。
絢華は考えながら
「う~ん、でも、計画的な犯行なら利き腕の事も考えるんじゃないかなぁ」
例え利き腕でなくても合わせた方に握らせるとかもできるし
とぼやいた。
允華は「だよね」と答え
「一つは利き腕が一緒で背格好の似ている人がいなかった…それに無理やり握らせられなかったのは多分指輪のせいだと思う」
と言い
「指輪をしている方に持たせるとそれもおかしいよね」
だからおそらく犯行は突発的だったんだと思う
と告げた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




