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コンティニュー・ロール  作者: 如月いさみ


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共に歩む愛する人

日和はそれに

『雨:俺には何が問題なのかわからないから本当に問題はないのかもしれないが…取り敢えず映像をみてくれ』

とギルドホームのギルドチャットに当時の映像をアップした。


4人はじっと見つめた。

異様な空気である。


ウエイトレスはタブレットの前で真剣な顔をする大人4人を怪訝そうに見て

「ワタリガニのクリームパスタとサラダお持ちしました」

と置いて立ち去った。

それから順々にやはり怪訝そうに見ながら注文全てを置いて立ち去った。


日和が流した映像は警察が追従するところから写っていた。


ニット帽を目深に被った犯人が銃を持ち一番後ろの後部座席の女性に銃口を向けているのが窓に浮かんでいた。

引き金に掛けた指先の爪が震えているのが見える。


允華はその映像をじっと見つめ

「ん?左側から並走しているんだよね、このパトカー」

と呟いた。


晟は頷いた。

「助手席側にバスがあるからそうだな」


允華は少し考えて

「そうなんだ」

と呟いた。


バスは誘導されて車庫に入り停車すると同時に犯人の背後にいた男が一人飛び掛かり犯人と共に倒れ込んでパンッという音と共に社内の電気が消え去り、暫く静寂が広がる映像が流れた。


その時間、5分程である。


その後、飛びかかった男と他の乗客が立ち上がって一点を見ているのが窓から見えると警察が中へ入っていく姿が写り、車内の映像が流れた。


運転手はハンドルを持ったまま固まり、二人の男と三人女性と中央に犯人が倒れていた。

先ほどの映像に映っていたニット帽を被った男が右手に銃を持ったまま頭から血を流して死んでいたのである。


犯人の男は20代くらいの若い男で左手の中指に指輪をしたり唇や耳たぶにピアスをしたりと派手な出で立ちであった。


允華はその姿に目を細めた。

「ん?」


それに絢華が顔を向けた。

「どうしたの?」


允華は考えながら

「ちょっとおかしい気がした」

と呟いた。


加奈子は首を傾げ

「何が?」

と聞いた。


その時、日和からチャットが流れた。

『雨:これがその時の映像で警察の見方は犯人が銃で乗客を脅し女性を守る為に男が飛びかかった事で誤って犯人が座席の鉄部分に頭を強打し死亡。運転手を含め乗客の全員がそう供述し、カメラからもそう判断できたので飛び掛かった男性は自己防衛で不起訴、バスジャックに関しては犯人死亡のまま書類送検となったがそれを疑問に思っていた刑事が調べていたが結局は上記のままとなった』


更に日和は

『雨:犯人は代議士の息子で日頃から素行が悪く。色々問題を起こしては代議士が揉み消していたらしい。泣き寝入りした人も多くいたそうだ』


允華は「そうなんだ」と呟き

『コンティニューロール:すみません、もう一度動画流してもらえますか?何か変なので』

とチャットを送った。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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