共に歩む愛する人
駅から大きな交差点を越えると公園へと入っていく。
両側に桜並木がある有名な大通りである。
勿論、この季節は葉桜であるが、それはそれで清々しく心地よいものであった。
晟は加奈子を見ると
「その、さ」
二人が良い感じになったら
と小声でささやいた。
加奈子は笑顔で
「なるほど、分ったわ」
けどランチまでは一緒してね
「一応、私の作家先生の恋人になるかもしれない人だものどんな人か知っておかないとね」
と目をきらりんと光らせながら告げた。
晟は「…なるほど」と夏月直彦の編集者である津村隆を思い浮かべながら
「色々大変だな」
とぼやいた。
が、加奈子は小さく笑うと
「普通じゃないわね」
雑誌社の編集者とは少し違うから
「津村さんも私も」
と答えた。
「津村さんと夏月先生は元々中学時代からの無二の親友だものその延長線上にあるし」
私と允華君も先生と言う橋渡しがあっての作家と編集者だから少し特殊だわ
晟は腕を組むと
「そうなんだ」
と呟いた。
「それに、允華の親友の…だからな…」
そう言って自分を指差し頬を染めながら呟いた。
加奈子は微笑むと
「だよね」
とそっと晟の手を掴んだ。
允華は二人の後ろを歩きながら二人が手を繋ぐのを見ると
「…俺がドキドキする」
と心で呟いた。
絢華は目を瞬かせて
「テリ君と彼女はこれ?」
と恋人を示す手をして允華を見た。
允華は真っ赤になりながら
「ん」
と小さな声で答えた。
絢華は頷き
「青春だねー」
と呟いた。
允華は少し考え
「青春って…ゴッポさん俺達とあまり変わらない気がするけど」
と告げた。
絢華は笑顔で
「允華君は4回生でしょ?」
スキップしてる?
と聞いた。
允華は首を振った。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




