共に歩む愛する人
それは唐突な出来事であった。
允華のLINEに港川絢華から連絡が入ったのである。
以前、MMORPGのギルドで一緒だったアバターネーム『ゴッポ』さんだ。
彼女とは夏月春彦と直彦が同時に狙撃を受けた時に春彦を見舞うため九州へ向かった飛行機の中で偶然出会った経緯がある。
允華は講義を終えて桃源出版から依頼された原稿の企画書を作る為に夏月家へ向かおとした時に気付いて驚いたのである。
「ゴッポさんだ」
それに大学の門で落ち合った晟が驚いて
「ええ?なんでLINE?」
と覗き込んだ。
允華は彼に
「3月から4月にかけて春彦君の所へ行ってただろ?あの時に偶然彼女と会って交換した」
前に伽羅君の夢でゴッポさんが出てきたことあっただろ?
「あの時に春彦君と連絡を取り合うようになったみたい」
と告げた。
晟は「ああ!」というと
「あのオフラインイベントのタオル事件!」
と告げた。
允華は指を差すと
「それ」
と笑った。
晟も笑って
「それで?」
ゴッポさんなんて?
と聞いた。
允華はチャットの内容を見て
「俺の小説読んでくれたって」
お祝いしてあげるから今度の日曜日に会おうって
と顔を真っ赤にして告げた。
晟はニヤニヤ笑うと
「ほっほー」
と言い
「いいじゃんいいじゃん」
ゴッポさんめちゃかわだし
「伽羅君の絵だけしか知らないけどな」
と告げた。
允華は慌てて
「いや、凄く本当に可愛い人だったよ」
と言い
「けど、俺…こういうの慣れていないって言うか」
とぼやいた。
「茂由さんは仕事が先だったからな」
晟は「んー」と声を零すと
「よし!じゃあ…ダブルデートはどうだ?」
その方が允華も気安いだろ?
と告げた。
「俺もゴッポさん知ってるし」
允華は小さく頷いて
「じゃあ」
というとLINEに
『プラアーサーも一緒で』
と入れた。
返事は早く
『テリプラOKよ。楽しみにしてるね』
と流れた。
允華は笑って
「彼女凄く素敵な人だよ」
と言い晟は「そうかそうか」と笑顔で答えた。
コンティニューロール
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




