推理作家への挑戦状
それを告げた允華に晟は
「それ本当なのか?」
と険しい表情で聞いた。
允華は手紙を見つめ
「この手の込み具合から本当だろうね」
と言い同じように入っていた傘を広げた。
『6月20日午前0時に男と女になる前の中間地点で死神は鎌を持つ』
加奈子は允華を見つめ
「これって、もしかして」
と呟いた。
允華は二人を見ると箱を手に
「取り合えず、先生のところへ戻ろう」
まだ時間はある
と告げた。
二人は頷いて三人は階段を降りると歳三に箱を渡した。
允華は彼に
「すみません、緊急事態なので先生のところへ急いでください」
と告げた。
歳三は慌てて
「わかった」
と応えるとアクセルを踏んで高砂の直彦のマンションへと急行した。
允華は夏月家に戻ると
「先生、これを」
と最後の傘を見せた。
「恐らく殺人が起きる知らせだと俺は思います」
直彦はそれを見ると
「俺もそう思う」
と言い
「20日の0時というと今日の深夜だな」
と呟いた。
時計を見ると時刻は午後4時。
時間は後6時間である。
允華は持ってきた二つの木箱から人形も傘も詰められていたクッション材も全てを取り出した。
それを見て隆は
「允華君、何かヒントになるモノが入っているのか?」
と聞いた。
允華は全てを手に持って確かめながら
「それが、手紙に報酬はこの人形と中の物って書いていたので多分人形だけでなく他にも重要なモノが入れられているんじゃないかと思って」
と呟いた。
直彦は二つ目の傘に書かれた言葉を見ながら
「なるほど、確かに人形だけなら人形って書くが態々中の物って書くってことは重要なモノが人形ともう一つあるってことだな」
と告げた。
そして、加奈子を見ると
「悪い、茂由君」
この三つの男女坂の周辺の地図を出してくれ
と告げた。
「特に近くに坂があったらその名前も」
加奈子は頷いて
「はい」
と答え、パソコンを取り出すと調べ始めた。
晟は「俺は」と言い允華の調べて置いていっている人形を手に
「調べているふりをするしかできない」
とハハッと自分で突っ込んだ。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




