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コンティニュー・ロール  作者: 如月いさみ


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推理作家への挑戦状

つまり、書き溜めていた人に回すということだ。

桃源出版側としては直彦から弟子の允華が話を書いていることを聞いており、允華の小説を載せることで直彦への次の原稿依頼の伝手になるということでの依頼であった。


これで允華の小説が良ければ新しい小説家をゲットできるという一石二鳥なのである。


允華としては直彦の顔もあり、最悪でも原稿を落とすということはできなかった。

つまり拙速を重んじるということである。


必死で加筆修正した原稿は何とか無事に6月15日発刊の7月号に間に合ったのである。

初めての雑誌掲載であった。


コンティニューロール


兄の元は早々に月刊誌小説Sing7月号を二冊購入し一冊を横浜の父へと送り

「これも允華の一歩だな」

と豪華な料理で允華を労った。


月もジュースで

「允華兄ちゃんおめでとう!」

と乾杯して祝った。


直彦も隆も

「これからだが、一歩は一歩だ」

「そうそう、頑張れよ」

とアルバイト先でケーキを買って祝った。


晟と加奈子も二人からの贈物を買って送ってくれたのだ。


允華としては入稿できた安堵もあったが本当に多くの人たちに支えられてきたんだと実感したのである。

そして、感謝したのである。


そんな矢先…桃源出版に一通のファンレターが届いた。

『白露允華先生へ』

そう書かれたファンレターの中には感想と共にもう一つ封筒が入っていた。


『推理作家に挑戦状』

それが事件の始まりであった。


桃源出版の辻村歳三から茂由加奈子にメールが届き、奇妙なファンレターが来ていることが翌日に知らされた。


連絡は午前中にあり、一報は直彦と隆と加奈子の三人が先に知ることになった。

直彦は加奈子からそれを聞くと

「今日も午後から来ることになっているから辻村さんに持ってきてもらったらいいと思うんだが」

唯のクイズなら問題はないと思うが

と告げた。

「辻村さんは何て?」


加奈子はそれに

「封がしているのでまだ明けていないそうです」

と答えた。


直彦は腕を組むと

「そうか」

と呟き

「俺はそういうファンレターを貰ったことが無いからな」

面白そうだが

とニヤリと笑った。


加奈子はふぅと溜息を零すと

「先生…少しワクワクしてます?」

とぼやいた。


直彦はそれに

「多少はな」

と答えた。


隆は二人を見ると笑って

「だが、ネタになるから茂由君はちゃんとメモっておいた方が良いぞ」

と助言した。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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