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コンティニュー・ロール  作者: 如月いさみ


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56/126

果たされなかった思い出 果たされた思い出

その翌日。

芹沢城は成城を去ったのである。


何があったのかは分からないが夜逃げ同然で一家が姿を消したのである。


允華はその事を思い出し

「先生が撃たれて目を覚ました時に『清美が手を引いて戻してくれた』って言ったんだけど先生は確かに推理モノを書いてはいるし俺よりトリックを解くの上手いと思うんだけど」

義姉さんに対する思いの中にそう言う思考が全くないんだって感じて

「理屈とか理由とかそう言うのが無くてただただ義姉さんを愛して幸せにしたかったんだなぁって」

そう思った時に芹沢のことを思い出したんだ

と告げた。

「俺、彼に恋愛に向いている人間は心にロジックを持たないって言われたんだけど」

そうなのかもなぁって


晟は静かに笑むと

「そっか」

それで芹沢の最後の贈物がまだ誰の手にもわたってなかったらって思ったのか

と告げた。


允華は笑顔で

「見つかってたら良いんだけどね」

まあ俺にはやらないって言ってたから少し複雑

と呟いた。


晟は笑って

「それは芹沢の意地だろ」

きっと允華なら見つけてくれるって思ってたからじゃないのか?

と告げた。

「明日見つけに行こうぜ」


允華は笑顔で頷いた。

「ありがとう、晟」


夕食の準備も晟が行った。

ただ、家で夕食を食べるということで晟は

「じゃあ、明日はお宝さがしな」

一応、学校には連絡しておく

と気を使って家へと帰って行ったのである。


允華は彼を見送ると既に夜の帳が降りた町を見つめ、いつもと変わりのない様子に目を細めた。


翌日、月も連れて中学へ行くつもりだったが、兄の元は10時前に家へ帰ってきたのである。

「ん?出掛けるのか?」

玄関口で会い允華は頷いた。

「中学に行こうと思って」

月も一緒にと思ったんだけど

と答えた。


元は玄関口に現れた月を見ると抱き上げた。

「ただいま、月」

月は笑顔で

「おかりなさい、お父さん」

と答えた。


元は允華を見ると

「今日は家にいる予定だから月を見ておくが」

と告げた。

「月はどうする?」


月は笑顔で

「僕はどっちでも」

と答えた。


元は頷いて

「じゃあ、今日は父さんと一緒にいようか」

と言い

「允華、行ってきて良いぞ」

と告げた。

「昼はいるか?」


允華は頷くと

「ん、晟も一緒に来るけど良いかな?」

と答えた。


元は笑って

「ああ、もちろんだ」

と答え、家の中へと月と共に入った。


允華は二人に

「じゃあ、行ってくるね」

と告げて白露家を後にしたのである。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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