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コンティニュー・ロール  作者: 如月いさみ


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55/126

果たされなかった思い出 果たされた思い出

成城学園小学校からエスカレーター式で中学へ上がった允華と晟はクラスの中でも少し浮いた存在であった。

というのも白露家は誰もが知る名家であったが晟の家は成城学園では極普通か少しランクの低い家柄であった。

その二人が常に一緒にいるというのが目を引いていたのである。

しかも。

允華は休憩時間も読書読書でインドア派。

反対に晟は側にいるもののあっちへ行きこっちへ行きと見るからに活発に動くアウトドア派だったのである。


そんな全てが対照的な二人が意外と一緒にいる時間が多いのが誰の目から見ても不思議だったのである。


二人のクラスの人数は男女合わせて22名。

9割が資産家や社長クラスの所謂金持ちの子息子女であった。


その中には親の事業が失敗して去っていく子供も極稀だが存在している。

二人と同じクラスにいた芹沢城もその一人であった。


允華も晟も詳しくは知らなかったのだが、彼は5月のGWが終わって間もない金曜日の昼休みに突然黒板の前に行くと

「今から俺が出す暗号を解いたらすっげぇお宝をプレゼントする!」

と言ったのだ。


昼休みで何をしようかと話していたクラスメイトの半分くらいは彼の言葉に黒板の前へと集まった。


晟も教室の窓際で本を読んでいた允華を見ると

「なんか、宝探しゲームするみたいだけど…参加しねぇ?」

允華そういうの得意だろ?

と呼びかけた。


允華は本を読みながら首を振ると

「俺いま恋愛小説中だから興味ないから参加しない」

とあっさり断った。

「晟は行ってきたら?」


晟はう~んと考えると

「じゃあ、行ってくる」

見つけたら半分こな

と黒板の前へと足を向けた。


允華はそれを見送り本に視線を落とした。


約半分のクラスメイトが集まると釣られて数名が加わり、結局のところ教室に残ったのは参加しなかった允華と出題者の芹沢城だけであった。


城は允華の元へ行くと

「白露なら参加するかと思ったけど」

と机に座って告げた。


允華は本に視線を落としながら

「いま恋愛小説読んでるから暗号とか推理とかに頭回したくないんだ」

と答えた。


城は窓の外を見つめ

「そっか、けど白露の本質は推理だと俺は思うぜ」

恋愛に向いてるやつはさぁ

「心にロジックを持たないから」

と允華を見つめた。

「白露って基本ロジック思考だから恋愛小説とか向かないぜ」


允華はムッとして城を見つめた。

「俺が何を好きで何を読んでも俺の勝手だろ」


城はふっと笑うと

「いつか俺の言う通りになったら…」

と言いかけて、机から降りると

「誰が俺の最高のお宝見つけるかなぁ」

白露にはやらねぇからな

と笑った。


允華は黒板を見て

「別にいらないよ」

と答えた。


黒板には暗号が書かれていた。

それを見つめ、心がソワリとしたが直ぐに本に視線を落とした。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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