妄執の果て
直彦は二人に
「朝ごはんが和食系だってことは間違いないが、豚肉とか玉葱とか山芋とかって朝ごはんには見かけないものだろ?」
みそ汁の具にしてはチグハグだしな
と告げた。
允華は頷いて
「ですよね」
と言い
「聞いてみようかな」
と指を動かした。
『コンティニューロール:奥さんに朝食の内容を聞かれましたか?』
日和は「朝食か」と言い
『雨:聞いている。ご飯、豆腐の味噌汁。前日の夜に余った山芋と豚肉の煮物を出したそうだ』
と告げた。
晟と隆は「「余りモノか」」と呟いた。
允華はちらりと直彦を見るとふぅと息を吐き出した。
「先生、きっともう当たりをつけているんだ」
允華は椅子に凭れて
「倒れる前に飲んだ水を調べても毒物はなかった」
水溶性なら直ぐに吸収されるから発症も早いよね
「倒れた時に飲んでいた水や服や体の付着はなかったってことは倒れる前に毒を口にしていたってことだから、常用している薬に紛れ込ませるってことだけどカプセルでもなかったし走ってから一時間は経っていたんだから錠剤じゃその前に症状出ているから違う可能性が高い」
と呟いた。
「だけど、朝食に怪しいものがない」
というか
「変なものを出したら被害者が食べないよね」
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




