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コンティニュー・ロール  作者: 如月いさみ


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32/126

運命の出会い

何があったのか分からなかった。


一瞬だったのか。

長い時間だったのか。


分からなかったが前を行く人影を追いかけた。

足元に水が流れ一歩進むごとに深くなっていく。


このまま行けば…そう考えて慌てて前を行く人影の肩を掴んだ。

その人影が誰かわかっていた。

見えないのにわかっていたのだ。


「春彦!こっちに来るんだ!」

そっちじゃない!

言い、驚いて振り向く春彦の顔に直彦は安堵の息を吐き出した。


…向こう側へ行かせなくてよかった…

と、思った瞬間に大きな波が身体を押し流した。


直彦は慌てて波の中から手を伸ばすとその手を優しく強く握りしめる手があった。

『なおくん…頑張って戻って』


懐かしい。

愛しい。

彼女の声だ。


「清美…」


水の岸辺に立ち微笑んでみている彼女を見つめた。

長いフワリとした黒髪に穏やかで優しい視線が自分を包み込む。


直彦はそっと彼女の頬に指先を沿わせ

「清美が、救ってくれたんだな」

と微笑んだ。


彼女は笑顔でその指先を手で包むと

「私はいつもなおくんの側にいるよ」

太陽となおくんと皆の側にいるよ

と告げた。

「春彦君も大丈夫」

ちゃんと未来が繋がっているから


「いつか、また…なおくんと隆さんと白露君と東雲君と末枯野くんと…太陽と春彦君と笑顔で会おうね」

それまで見えなくてもずっとずっとなおくんの側で見守ってるから

「笑って…」


…笑ってね…


直彦は笑みを浮かべると

「愛してるよ、清美」

君だけを永遠に

と消えていく朧清美にキスをした。


胸の奥で消えない熱い思い。

きっとこの思いが消えることはない。


何度生まれ変わっても。

何度離れても。


きっと君を探して君を愛することになる。

…ありがとう、ただ一人の女性ひと


直彦は胸に手を当てると静かに笑みを浮かべて振り返った。

光の方へと。


コンティニューロール


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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