推理作家に挑戦状 USBメモリ編
允華はドアを開けて中を見ながら
「そうですね」
とグローブボックスを開けて中から説明書や期間の残っている自賠責保険証などを見ながらはっとその奥に押し込められていたUSBメモリに気付いた。
女性に見えないようにUSBメモリを袖に隠して説明書を元に戻すと
「少し家族と相談して購入する場合はまた来ます」
と告げた。
女性は笑顔で
「わかりました、良品なので売れてしまうかもしれませんのでご購入される場合は出来るだけお早くお越しください」
と告げた。
允華は頷いて「はい」と答え、中古車店の受付を出た。
その様子を二人の男が見ており、允華は横を歩く晟と加奈子に
「あのさ、俺達の後ろに怪しい男性が二人いるんだけど」
と囁いた。
晟は允華を見て
「マジか」
と呟いた。
加奈子は悩みつつ
「先生のマンションまで15分程だけど…それまで大人しくしてくれてると助かるんだけど」
とぼやいた。
允華は男の足取りが確実に早くなっていることに気付き
「多分駅まで持たないかも」
と告げた。
晟は「俺がいく」と言い
「加奈子さんと允華は救援求めてきてくれ」
と告げた。
が、允華はそれに
「あ、俺も残るよ」
2対2なら持つかもだから
「茂由さんは駅の安全なところから先生たちに連絡して」
と告げた。
加奈子は「え!私も」と言いかけたが、二人の顔を見ると
「わかったわ」
怪我しないでね
と言うと足の速度を上げた。
允華と晟は同時に振り返ると向かってきた二人に
「やはり、お前ら」
と足を踏み出した。
允華は一人が手を掴みに来た動きに合わせて背後に回ると
「すみませんが、少し静かにしておいてください」
と言い手刀をかました。
白露家の次男である。
襲われた時の対処方法は身に着けていたのである。
晟は殴りかかってきたもう一人の拳を腕で止めて反対の腕で殴り返した。
「言っとくが、正当防衛だからな」
と指をさした。
瞬間にパトカーが二人の横に停まり警察官が飛び出してきた。
「今、若者が暴行を働いていると聞いたのだが」
君たちか!
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




