やちるとひまり
「ねえねえ、やちるさん」
「どうしたの?ひまり」
「前に受けてた依頼ってどうなったの?」
「あぁ、あれね、あれは解決したよ」
「わたしは、解決したかを聞きたいんじゃなくて、その途中経過がききたいんだけどな」
「途中経過っていってもそんなに気持ちのいい話じゃないよ、それに守秘義務ってのが私にはあるんだけどな」
「いいっていいって、わたしは途中経過聞きたいんだから、それにわたしがその依頼の内容とかを聞いたとして話す相手がいると思う?」
「確かに貴方に私以外の話し相手がいるわけないと思うからいいけど、まず依頼してきたのは近くの山の奥に住んでる飛騨さん、依頼内容は最近夜遅くに家の近くで騒いでる人がいるからどうにかして欲しいって」
「依頼内容が探偵っていうか何でも屋だね」
「探偵も何でも屋も同じような物でしょ」
「確かに最近、太田さん家に住み着いた蜂の巣の駆除したしね、あのハチミツ美味しかったなぁ」
「確かにあの蜂蜜は美味しかったけど私的には太田さんのハブ酒の方が美味しかったかな、で話を戻すと、飛騨さんの家に泊めてもらって見張ってたわけ」
「ふむふむ」
「そしたら、深夜の四時くらいに人の足音が聞こえてくるわけ」
「本当に来たんだ、わたし、動物かと思ってたよ」
「私も思ってたんだけど、まぁ来たなら話しでもして帰って貰おうと思ってたわけ」
「その言い方からして上手くいかなかったんだ」
「そうそう、でも話しを聞けなかったからしょうがないわ」
「不思議な言い方だけど、どういう意味?」
「そのまんまの意味よ、頭がなければ話しもかけないでしょ?」
「なかったんだ、頭」
「あと、手とか足とかなかったりした人もいたわ」
「うわぁ、グロ」
「だからいったでしょ気持ちのいい話しじゃないって」
「まぁ、言ってたけど、でどうやって解決したの?」
「全員服装が登山者のものだったからそこからね」
「そういえばあの山って登山道あったんだっけ」
「そう、十年前に滑落事故があったあの道」
「じゃあ、その時の人たちってことだ」
「そういうことになるかな」
「でも、飛騨さんの家って登山道とは反対じゃない」
「そんなの理由は頭がないからに決まってるでしょ」
「で、どうやって解決したの?」
「1人1人事故現場まで引っ張っていったわ」
「うわ、よくやるね」
「引っ張っていってやれば皆んな勝手に気付いて登っていったわ」
「登っていったってどっちに?」
「そんなの私がしるわけないでしょ。まあ登りたいほうに登った事を願うけどね」