ジェニファー
ジェニファーは亮に握手を求めた。
「ダン・アキラです、リョウと呼んでください」
手を洗ったばかりで濡れた手をズボンで拭いて握手をした。
「ちょっと、待ってください」
亮は慌てて荷物を部屋に戻ってバックを持って出てきた。
「さあ、行きましょう、ジェニファーさん」
亮が言うとジェニファーは亮の足を見た。
「いいけど、スリッパで良いの?」
ジェニファーは冷ややかな言い方をした。
「あっ、あ、すみません」
亮はセクシーなジェニファーを見て明らかに揚っていた。
ジェニファーは亮が履いて来たレプリカの
ミリタリーブーツを見て微笑んだ。
「いい趣味ね、でもこれじゃあ紐が解けちゃうわ」
そう言って亮の前でしゃがみ込み亮の靴の紐を結び直した。
「ありがとうございます」
亮の目線はジェニファー胸の谷間の深さを見て呟いた。
「グランド・キャニオン」
「えっ?グランド・キャニオン」
ジェニファーは亮の声を聞いて顔を上げた。
「い、いいえ。なんでもないです」
「さあ、行きましょう」
ジェニファーは亮の足を叩いた。
亮とジェニファーがシートに座ると
ジェニファーが亮の顔を見て微笑んだ。
「亮、私が今日早めに来たのは一緒に
朝ごはんを食べようと思ったからよ」
「良かった、僕も朝ごはんまだだったんです」
ジェニファーは車を走らせた。
「そうだ、亮」
「はい?」
「ひょっとしてあなたのパンツは紫のダイヤの柄?」
「はあ、はい」
「じゃあ、さっきから見えているわよ」
「えっ」
亮はジェニファーに言われて股間を見て
顔を赤くして黙ってジッパーを上げると
パンツが食い込み中々上がらなかった。
「うふふ」
ジェニファーは笑いを押さえ運転を続けていた。
ジェニファーは高速道路の入り口近くのレストランに車を止めた。
「ここのパンケーキとクラムチャウダーが美味しいのよ」
「はい」
恥ずかしさがまだ残っている亮は小さく返事をした。
テーブルに付いたジェニファーは亮の顔を見つめて話した。
「私、元S・W・A・Tのジョンにあなたの
話を聞いてどうしても会いたかったの」
「ジョンですか。懐かしいですね。元と言うと今彼は何処に?」
亮はジョンの図書館事件の時のたくましい姿に憧れていた。
「ジョンはDHS(アメリカ国土安全保障省)に行ったわ」
「そうですか、凄いですね。
ジェニファー僕と話をしても何も無いですよ」
バリバリのボストン警察女性捜査官には自分と
会ってもメリットは無いと思っていた。
「そんな事はないわ、私はあなたの異常な記憶力の秘密が知りたい」
「記憶力を捜査に利用したいんですか?」
「ええ」
「ちょっと時間をいただけますか?上手くまとめます」
亮は自分のIQが高いから記憶力が良いとは言えず
映像で記憶する方法を今説明できなかった。
「ええ、いいわよ」
ジェニファーは亮の言葉に喜んで返事をした。
「そう言えば、ジョンがあなたに
格闘技を教えろと言っていっていたわ」
「えっ?ジョンが」
亮はジョンが言っていた、奇妙な話に聞き返した。
「ええ、あなたの頭脳に強さが備われば向うところ敵無しだって」
「あはは、ジョンは僕にどうしろと言うんでしょうね」
「そうね、初めて会った私が言うのもなんだけど、
みんなあなたの友達になりたいんじゃないかしら
大学の学生もフレイザー警視もジョンもそして私も。
あなたにはそんな魅力があるわ」
ジェニファーは大きな胸を突き出し唇をなめた。
「あ、ありがとうございます」
亮はジェニファーのセクシーな魅力に頭が
ふらふらしてあそこがむずむずしていた。
「ジッパーを上げていて良かった」
亮はそう呟いた。
「私が格闘技教えちゃおうかな、亮可愛いから」
「本当ですか!」
亮はジェニファーなら喜んで指導を受けようと思った。
「じゃあ、今夜ホテルの部屋で教えてあげる」
会計を済まして二人は車に向って歩くと
亮は別な意味の期待で車の前に着いた。
「亮、運転して」
亮はジェニファーに車のキーを渡された。
「マサチューセッツ州の120kmの間は何キロで走ってもいいわよ」
「本当ですか?」
「もちろん、この車は警察車両だから」
ジェニファーの答えに亮の顔がほころんだ。
「亮、話がまとまった?」
車の中でジェニファーは、なぜ亮が
記憶力がいいかどうしても知りたかった。
「はい」
亮は小学校の時から厳しく勉強をさせられた事を言った
「そう厳しかったんだね」
「はい、一番厳しかったのは数学です」
「数学?」
「はい、数学が頭を活性させるという事で
どんどん難しくなっていって
位相線型空間、ユークリッド幾何学、ガロア理論、
カオス理論、アルゴリズム情報理論」
「そこまで勉強したの?」
ジェニファーは驚いていた。
「あはは、ただ言って見ただけです。
数字を覚えるように物を覚えたり
映像で覚えるんです」
亮はジェニファーが理解するようにニューヨークに
着くまで丁寧に教えて行った。
「それと記憶力が良くなるサプリがあります」
「本当!」
「はい、子供の頃から祖父に飲まされた
DHA、バコサイド、ピンポセチンで作った物です」
「ああ、私も欲しい」
「いいですよ、ジェニファーさん僕のバックを取って下さい」
亮はジェニファーに頼んだ。
ジェニファーは体を伸ばして後ろの席にある
ポリエステルのスポーツバックを取った
「これね」
「はい、右の側の下にピルボトルがあります」
ジェニファーは手を突っ込んで探った。
「亮ってビキニのブリーフを履くの?」
「えっ?」
亮はジェニファーの方を見るとジェニファーは亮のブリーフを持っていた。
「ジェニファーさん何っているんですか?その下のボトルですよ」
「うふふ、可愛いピンクのブリーフ」
ジェニファーはケラケラと笑った。
「このボトルね」
ジェニファーが亮に見せると亮はうなずいた。
「はい、そうです」
亮はジェニファーがまたバッグの中の物を覗くんじゃないかと
不安になってジェニファーの手の動きを見ていた。
「これを何錠飲むの?」
「寝る前に1錠飲んでください、
よく眠れて朝起きると頭がすっきりします」
「本当」
ジェニファーは亮の秘密を知って
嬉しそうに自分のバックにボトルを入れた。
「ところでジェニファーさんはジョンと
付き合っていたんですか?」
「ううん、私は憧れていたけど。彼は私みたいな
女より知的な女性が好きだったみたい」
ジェニファーは両手でメガネのまねをしていた。
「そうですか」
亮はジェニファーが記憶力の良くなる
方法を亮にしつこく聞いていたのは
そういう理由なのかと感じていた。
ジェニファーは母親を子供の頃に亡くして
短大を卒業後陸軍に入隊し退役後警官になって
刑事になった事を話した。
「どうして軍隊に?その後警察って
ずいぶん男っぽい仕事ばかりでしたね」
「原因はこの体よ」
ジェニファーは胸を突き出した。
「子供頃からこの大きな胸のせいで
男たちが軽い女と見て群がってきたの
それで父も苦労したわ。親子で関係が
あるんじゃないかと陰口も叩かれた」
「それで軍隊に」
「ええ、軍隊で鍛えて強くなれば
誰も声をかけてこない、そう思ったの」
「それから警察に?」
「ええ、少しでも父のそばに居て上げたいから、
イラクよりはましでしょう」
亮はアメリカに来て、色々な家族を見て
親子の愛の強さを感じていた。
それは宗教であったり、環境であったりと
考えられる事は色々有るが
日本で言う男女の愛以外の愛を見つけたような気がした。
「お父さんは何の仕事をしているんですか?」
「父は警察を辞めてニューヨークの
ミュージアムの恐竜の警備員をしているわ」
「じゃあ、お父さんと今夜会えますね」
「残念ながら父は夜担当なの」




