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エデン  作者: メニイ
8/11

第八話 雫の精霊と巨神の孤島



「あははは!あはははは!た〜のしい!!」




お花畑で楽しげに駆け回るサナエ。

可愛らしい小さな天使も飛び回り、それはまるで天国のようだった。




「はっ!!」




あ、危なかった〜・・・

危うく天に召されるところだった。


って、もう夜か・・・結構長い間気を失ってたな〜。


とりあえず、焚き火でもするか。



先程家を作ろうと拾ってきた木の枝で火をおこし、しばらく火の前でボーッとしていると、お腹が鳴った。





グ〜




「お腹・・・空いたな」




木の実とか落ちてこないかな?



そう考え、木を揺らしてみると、ペチャッと頭に何か冷たいものが落ちてきた。


何だろうと思い、頭に落ちてきたものを手にとって見てみると、それはヌメヌメした虫か魚なのかよくわからない手足が生えた生き物だった。




「ぎゃあ!!キッモ!!」




私は反射的にその謎のキモい生物を投げ捨てた。




「なに!?この生き物!魚!?虫!?ヌメヌメしてるし!目がギョロッとしてるし!キッモ!」





ガサガサ




「!!こ、今度は何!?」





近くの茂みから音がし、音がした方を見ると、ギロリと金色の2つの光りが見えた。


他の方にも金色の2つの光りが浮かびあがる。



あ、これって囲まれてる?

逃げた方がいいかな?




逃げようにも囲まれてる為、逃げ出すことはできない。




そして、茂みから一体出てきた。



緑色の体の二足歩行の人型生物・・・



えっ?これってゴブリンじゃね?

ゴブリンって実在したの?



すると、他の隠れていたゴブリンたちが次から次へと出てきた。


「ケケケ」と気持ち悪く笑い、涎を垂らして私を見ている。




ど、どうしよう・・・!

これって絶体絶命ってヤツだよね?




どうしようかと考えている間、ゴブリンたちが一斉に私に向かって襲いかかってきた。



もうダメだ!



そう思った次の瞬間、



「!」



空から綺麗な青い光りがシャワーの様に降り出した。その光りに当てられたゴブリンたちは、叫び声を上げ塵となって消えていった。




えっ?助かった・・・?





「あら、こんなところに人間なんて珍しい事」


「!」




女の子?



振り返るとそこには、エルフ耳の10歳くらいの金髪蒼眼の女の子が宙を浮いていた。




「えっ?ええ!?浮いてる!?なんで!?」


「何驚いてんのよ。精霊はみんな飛べるって常識でしょ?」


「精霊!?君精霊なの!?」


「見れば分かるでしょ?」



ゴブリンの次は精霊って・・・この島ファンタジーすぎない?



「あなた、なんでこんなところにいるの?ここはゴブリンが出やすくて危ないのよ?というかどうやってこの島に来たの?」



「えっと、友達と楽しく海水浴をしてたら突然大波に攫われて・・・気が付いたらこの島にいたの」



「俄に信じられないわね。この島の周りには強力な結界が貼っていて人間が来る事は不可能なの。この島に入れるのは精々、魔術師か魔の者の配下だけよ。さてはあなた・・・魔術師?」



そう言うと、赤い宝石がついた魔法の杖を出しサナエに向けた。



「魔術師なら始末するけど」


「待って待って!私は何処にでもいるごくごく普通のアニメと漫画が大好きな女子高生だよ!」


「じょしこうせい?よく分からないけど・・・確かにあなたからは魔術師特有のマナは感じられない。どうやら本当にあなたはただの人間のようね」




そう言うと、杖を下ろした。

納得してもらってよかった〜。



「でも、あなたどうやってここに来れたの?」


「だから、大波に攫われて気が付いたらここに来たんだよ。というか、この島はなんなの?見たことない生き物もいるし」


「ここは"エデン"。巨神の孤島よ」



巨神の孤島?



「そして私はセルフィオ。長きに渡りこの孤島を守る誇り高き雫の精霊よ」




セルフィオと名乗った女の子の精霊は、胸に手を当てて誇らしげにそう言った




「へぇ〜」



「反応薄いわね・・・普通この名を聞いた者は頭を垂れて敬うはずなんだけど」


「だって君の名前初めて聞いたし」



「フン、まぁいいわ。人間、私が名乗ったのだからあなたも名乗りなさい」


「私はサナエ!よろしくねセルちゃん!」


「セルちゃんッ!?」



「うん!こっちのほうが呼びやすいし!それに可愛いじゃん!」


「・・・こんなに無礼な人間は初めてだわ」



「はぁ〜」と頭を抱えセルフィオは溜息をついた。



「どうしたの?具合でも悪いの?」


「違う!いい?私はこの島を1000年守り続けてきた大精霊なのよ?」


「だから?」


「だから?って・・・こういう場合普通は頭を垂れて敬うところでしょ?」


「だって君の事知らないし」



「はぁ・・・あなたと話してると調子が狂うわ」


「?」

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