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エデン  作者: メニイ
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第五話 王女の誘惑


パーティーについてなのだが、俺のパーティーに入る者は誰一人としていなかった。


当然だ。突然4人目の勇者が出てきてそいつと組もうとは思わない。


まぁ、暗殺者である俺は常に単独行動だったし一人でも大丈夫だ。




「あ、あの・・・」


「あ?」



使用人に部屋に案内されている途中、3人の内の一人の勇者に話しかけられた。



茶髪の青い瞳で、水色のローブを着た女みたいな男だ。手には杖が握られている。




「ぼ、僕は水の勇者、アレン・クリスタスです。よろしくお願いします」



なんだ?こいつは・・・女みてぇにナヨナヨしやがって。


でも、一応共に戦う仲間になる訳だし、適当に挨拶でもしとくか。




「おう。よろしくな」



素っ気なくそう挨拶をすると、アレンは嬉しかったのか、顔が明るくなった。


なんだ?こいつ・・・




「こちらが、炎の勇者様のお部屋。その隣が水の勇者様のお部屋、そして灰の勇者様のお部屋でございます」


「そうか、ご苦労様。なぁあんた、よかったら一緒にお茶でもしないかい?」


「えっ・・・す、すみません。まだやることがあるので」



炎の勇者にそう誘われた使用人のメイドは早足で去っていった。



おいおい、勇者の癖になに堂々とメイドを口説いてるんだ。



なんて呆れながら、案内された自分の部屋に入ろうとすると、炎の勇者に「ちょっと待て」と呼び止められた。




「まずそれぞれ自己紹介しないか?これから共に戦う仲間になる訳だし」


「そうだな」




「それじゃあ、まず俺からだ。俺は炎の勇者、ドルマン・ジョンソン。年は21。よろしくな」


「年まで言うのか?」


「当然だ」



風の勇者は面倒くさそうな顔をしながら、自己紹介を始めた。




「風の勇者、ヴェルニ・ゼノバルト。17歳」



「ぼ、僕は・・・」



「あぁいい。お前はさっき聞いた。水の勇者、アレン・クリスタスだろ?年は?」



「・・・22、です」



「えっ!?俺の一つ上!?そんなに小さいのに!?」


「年下かと思ってた」


「そんな〜!酷いです〜!」




はぁ・・・眠い。こっちは疲れてんだよ。早く部屋に入らせろっつーの。




「それじゃあ次は、灰の勇者のお前」


「・・・灰の勇者、ソン・シュン。19だ。もういいだろ?」


「おう、もう行っていいぞ」




はぁ・・・これでようやく寝られる。



自己紹介が終わり、俺は部屋に入り愛用している双剣をテーブルの上に置き、寝室のベッドに横たわった。



勇者として・・・頑張らないとな。

魔王を倒したら、王国から想像もつかないほどの大金を貰って、弟たちに楽させて・・・



そして、俺は押し寄せる睡魔にまかせて眠りにつこうとした。



その時だった。



コンコン




誰かが俺の部屋の扉をノックしてきた。



チッ・・・何だよ!

こっちは長旅で疲れてるってのによ。



イラつきながら、扉を開けると、そこには王女エミリア・キャンベルがいた。




「あ、王女様。何かご用ですか?」


「はい、私、灰の勇者様について色々知りたくていらしてまいりましたの」


「俺の事をですか?」



「えぇ」



「とりあえず、中へどうぞ」



王女様と外で話す訳にはいかないので、とりあえず中に入れた。




「申し遅れました。私はエフィシェント王国の王女、エミリア・キャンベルと申します」



と、ドレスを掴んでお辞儀をした。




「それで、何で俺の事を?」




早く要件を終わらせて寝よう。




「私・・・あなたを一目見た時、好きになってしまったんです」


「は?」



「もちろん許されないことは分かっています。何せあなたは勇者。でも、この思いは抑られないんです」



そう言いながら、エミリア王女は俺の手を握ってきた。



「あなたを愛しています。シュン様。だから・・・」


「すみません王女様。そう言うのはやめてください」


「え?」




王女様の掴む手を引き離し、俺ははっきりと言ってやった。




「俺は勇者です。勇者の俺が王女であるあなたとそう言う関係になれば、後々面倒なんです。だから、すみません」


「そう・・・ですか・・・ご迷惑をおかけしてすみません。では、私はこれで」




王女はニコリとそう微笑み、お辞儀をして部屋から出ていった。



ちょっと言い方キツかったか?


まぁいいか。これでやっと寝られる。



こうして、俺はベッドに横なり今度こそ眠りについた。
























コンコン



「国王陛下。おはようございます。朝食の用意ができました」




使用人のメイドが王の部屋の扉をノックするが、何の返答もない。




「失礼いたします」




「!!!」



そう言って、王の寝室に入ると、メイドはあるものを見て目をギョッとさせ口を手で押さえた。



メイドが見たのは、胸に剣が突き刺さりベッドで横たわる国王だった。





「きゃああああああ!!!」


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