第六フロアは未確定について 〜 あなたは誰? 〜
【無月】
「これはどういう状況ですか?」
《武神》との闘いを経て第6フロアへ到達したシルファは目の前の光景を飲み込むのに時間を要した。 姉達の仇敵である《熾天使》と、それを攻撃するフードを被った人物。敵であるはずの《熾天使》と闘っているが、味方ではないことは一目で気づく。
「おや?キミが来たのかい?」
シルファが振り返ると、そこにはソラがいた。
彼は私が言葉を発するよりも早く、牽制の意味も込めて【重力銃】の引き金を引くと、フードの人物が周囲に発生していたであろう虹色の障壁が軋みを上げる。
「【スキル:透過】に【重力銃】。こうも不意打ち続きでは芸がありませんが、これで3名が通過してきましたか。《愚者》に《剣聖》、さらには覚醒した《堕天》。しかし警戒すべきは《堕天》の攻撃力だけ」
「【漆の型 夜斬り】」
ソラの握る黒刀から剥離した無数の斬撃が軋んでいた障壁に遂にヒビを入れる。
「意外と冷静じゃないですね。ゲンさんを犠牲にして【特殊武器:輝夜】を奪ってまで生きたいですか」
「安い挑発だ。それとも焦っているのか?僕が来るのは想定内だったとしても、前回はいなかったシルファや、完全にイレギュラーの《熾天使》の覚醒。覚悟しろ!お前は今回で必ず倒す!」
アイコンタクトなどはない。
フードの人物が抑え込んでいたであろう濃度の高い殺気が、共通の敵として認識させソラと《熾天使》が同時に仕掛ける。
「【捌の型 颯爪三虎】」
「【スキル:絶焔 燦火】」
「【創造】」
鍔鳴りが響く。
刹那、9本の斬撃と極大の焔が【虹彩障壁】を1枚破壊し、2枚目に斬撃が届く瞬間、大盾が出現してそれを弾く。
「【虹彩障壁】は何も無敵の盾じゃない。高威力をぶつけて破壊し続ければいずれお前に届くぞ」
「たった1枚砕いたくらいで嬉しそうですね」
〈たった2人で砕かれた盾の間違いだろ?〉
挑発が飛び交うが、彼らの目的は時間を稼いでの回復。
全力ではないにせよ、盾1枚の破壊に費やした労力は決して軽くない。
(盾1枚を破壊するだけなら《熾天使》だけでも出来たはず。それをしなかったということは7枚全ての破壊となると《熾天使》でもかなり消耗するのかもしれない。なら私にできることは、)
この場においてシルファは明らかに実力が不足していた。
1人は第4フロア最凶のNPC。
1人は数々のフロアを最先端で攻略しているプレイヤー。
それに対峙する第6フロアの、、、
(あれ?)
「このフードの人って何なの?」




