表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
穀潰しと言われた聖女は自給自足する   作者: ハバネロあんこ
1/67

身の振り方って言われました

メニアシトラ王国の双子聖女


絢爛豪華な謁見の間。

無駄に金と銀をふんだん使われた装飾が、ギラギラして悪趣味だった。

国力はあまりないくせに見栄を張り過ぎだと思う。


目に刺さるこの場が嫌いで頭を垂れつつ目を瞑った。


「聖女リモネル、面をあげよ」

嫌です、目が潰れる!

「リモネル!?」

「・・・はい」


目を薄ら開けて玉座のメタボのオッサン(国王)へ苦笑いを向けた。

「もう少し愛想よく出来んのか?其方はただでさえ目つきが悪いというのに」


「ふ、仕方ありません、父上。今更でございましょう?」

私の斜め前方に踏ん反りかえる派手な衣装を着飾った王子が、気障ったらしい態度で嫌味を追加した。


「もうしわけございません、私の姉が不愉快な態度を」

デッカイ目をウルウルさせて、双子の妹オランジェルが王子にしな垂れかかる。

デカイつうか出目金だけど。


「まぁ良い、そなたの耳にも噂は届いていよう、アホガルド王子は王太子になりオランジェルと婚約をした」

共に召喚された妹が王族側に立っている理由を(あぁそういう事か)と理解した。


「おめでとうございます、王太子様、オランジェ」

「ふふ、ありがとう姉さん」

妹は勝ち誇った笑みで返す、アホの腕に絡みつき歪んだハートを撒き散らしている。

幸せなはずが、なんか痛々しい・・・。


「あ!ほらその目!気を付けて、ほんと目つき悪いわ!」

「あぁ、ごめんなさい」

いけない、いけない。

私は目を指先でぐるぐるマッサージした。

書物を読み過ぎて視力がまた低下したようだ、後で回復魔法をかけよう。




私達双子は全く似ていない、丸顔で目が大きな妹に対し面長で目がつり気味の姉。

どちらも聖女として侯爵家で生を受けた。


生まれてすぐ、姉妹の周りに精霊が達が飛び交い周囲を驚かせた。

産褥室が光に溢れ数日の間煌めいた「精霊の祝福」を授かった双子は国の宝として

侯爵家ではなく、城で育まれることになった。


故に私たちは両親達と気安く会えること無く育ち、今日の成人の日を迎えたのだった。


咳ばらいをして陛下が言葉を吐いた。

「王子たちは婚姻が決まり其方も成人した、そろそろ身の振り方を決めてもらおうと思ってな」

「は?」


身の振り方?

自分は生まれてからずっと聖女として貢献してきた、これからもそうだと思っていたんだが?


「姉さん、鈍いわねぇ。妹聖女と王子が結婚するのよ?あなたは余ったの」

「そうだ、私は見目麗しく優しい瞳のオランジェを選んだ、わかるだろう?」


いや、わかんない。

わからないですって!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ