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最後の宴を  作者: 櫻坂暖依留
1章   学園時代編
5/10

災い

もののけ。

それは人を殺し魂を喰らうもの。


そんなもののけが結界をこえて入ってきたと言う。


今までそんなことは無かった。


まず、学園の周りにもののけが入ってこられないよう強力な結界がはってある。


それを壊して入って来るのは至難の技だ。


「もっもののけがっ!ガクガク」


「祈祷、落ち着け。とりあえず、先生たちに知らせに行こう。ここから一番近いのは職員室だし。」


「わっわかった…。ソルト…。」


俺達は職員室に向かう。


「でもなんで学園を襲うのだろう?やられることがわかっていながら。」


カエラが言う。

それもそうだ。


ここには、もののけの敵魔法兵士を育成する学園だ。


また、教師もそれなりに強い。


それなのにここに入ってくるということほ、よっぽどの馬鹿か、勝算があるかだ。


少なくとも強い結界を壊すことのできる実力があるのは確かだ。


「もしかするとやばいかもしれないな…。」


「とっとりあえずそこを曲がれば職員室だし痛っあああああああああああああああああああ!?!?」


祈祷が悲鳴をあげる。

顔や服に火傷のような痕がついていた。


「もしかしてここに結界のようなものがはられている…?」


カエラが魔法でつくった氷柱を職員室の方へ投げつける。

すると、ジュワッという音と共に蒸発した。


「これは、まずいな…」


先生を呼べないともなるとこの窮地を乗り越えることのできる確率が一気に下がる。


もちろんのことだが先生達は強い。

経験豊富で何より強い。


先生になる為の試験を突破した方達だ。

突破出来るのはほんのひと握りの確率だときく。


それに比べ、俺達生徒はまだ魔法兵士の端くれに過ぎない。

それどころかまだ魔法兵士という肩書きさえないのだ。


それでもやるしかないのだ。

学園を守るために。


「おっおい?どうしたんだ?先生は?」


急に後ろから声が聞こえた。


振り返ってみると、他の生徒たちだった。

多分俺たちと同じ考えだったのだろう。


「だめだ。これ以上先に進めない。結界がはられてある。」


「どっどうしよう.......!」


「俺たちが何とかしなくちゃいけない。」


「何とかって!無理だよソルト!避難しよう!?」


祈祷がそういう。


「出口はないみたいよ……?全部塞がってるって.......。」


そう、教えてくれた。


「なら、2階より上の窓から避難すればいいと思う。同期の中にも飛行系の魔を持ってる人もいるし、その人たちに頼べば。」


「でも、どうやって頼むんだ?放送か?でもそれで言ったらもののけ達に聞かれるし……。」


「ここに伝達系の魔を持っている人いないか?」


そう俺は呼びかけた。


誰も反応しない。


「いないのか……。困ったな」


どうしようか。

この先に進めない。


すると、1人の生徒が


「あっ!前に先生に聞いた話なんだけど。こういう緊急事態に備えてもののけ達に伝わらないように伝達できる魔道具が放送室にあるとかって。」


もしかしたら違うかもしれないけど。

そう教えてくれた。


「まじで!?」


「よし。放送室に行こう!」


   ◇◇◇


放送室についた俺達はその魔法具を探す。


「てかまず、どんな形なのかわからないじゃん。やばいよ!どうしよう…………!」


「意外と書いてあるかもしれないでしょ」


「そっそうだよな……!あぁ、俺たちに運がありますようにぃ!」


ガサゴソと探す。

ふと手に取った。


「これは……!?」


そこに書いてあったのは


『もののけに聞こえずみんなに情報を伝達できる魔道具』

と書いてあった。


「いや、ネーミングセンス皆無!?」


「まぁ確かに……。」


でもどうやって使うのだろうか。

魔道具なのだから魔を注げばいいのか?


「私がやるよ」

カエラが名乗り出てくれた。


「ここのスイッチを押す…?点いた。これの状態でっと……。」


カエラが魔を注ぐ。


「多分ここのスイッチを押したら放送出来ると思う

。でも、もしかしたらやばいかもしれない。古い物だから何回も使えない。あと1回かも。」


「もののけがこっちに来てる!」


緊張が走る。


「ソルト?いけそう?」


「ああ。」


いける。大丈夫だ。


「そこまで時間もたないから。」


スイッチを押す。


『もののけが侵入してきています。2回以上の窓から避難してください。その際飛行系の魔を持っている方は避難誘導をしてください。』


ブツん!

魔道具が壊れたような音がした。


「よかった……。」


「いやよかったじゃないって!すぐそこまでもののけが来てるって!」


もののけらはこの状況が伝達されるのを恐れているのだろう。


混乱している状態であればいっそう自分らの勝ちが高くなる。


バァンッ!!!!

放送室の外で音がする。


急いで出ると放送室前でもののけと戦ってくれてた人達が倒れていた。


「弱ぇな、こいつら。次はおめぇらが相手してくれんn」


《氷晶石の檻》


《旋風・舞》


カエラがもののけを凍らせ、俺が心臓(コア)を砕け散らす。

もののけを倒すためには心臓(コア)というもののけの生命源を破壊しなければならない。

心臓(コア)は大抵右胸にある。


「最後までセリフ言わせずして除霊してごめんね?こいつら空気読めないから。」


もののけは綺麗に消えていった。


「先に進もう。……もののけは何をしたくてここを襲ってるんだ?」


「いやさっき聞けただろ。急に攻撃しなければさぁ。なんか色々ぺちゃくちゃと喋ってくれそうな感じしたけど。知ってるかどうかは別として。」


「あぁ……。そういえば……。」


「そういえばじゃねぇよ!」


「ちょっと!無駄話してる間にまたもののけが近ずいて来てるんですけど。」


「うがゃ!」


祈祷が俺にしがみつく。


「祈祷も戦おう?な?」


「うぅぅぅ。」


俺たちは臨戦態勢をとる。


「行くぞ!!!!!!」


「「「健闘を祈る!」」」


もののけは色んな姿をしています。

人間のような姿だったり野獣のような姿だったり……

いろいろ想像してくれると嬉しいです

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