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残照 ~俳句と人生、老いの旅~  作者: 松涛/編集:山鳥はむ
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魚追う吹雪の湖上ただ一人

平成十六年二月



「魚釣りとは竿の先に糸が付いていてその端に魚がおり、もう一方の竿の端にバカがいる状態である」



 作家、開高健はアイザック・ウォルトン卿の言葉として紹介している。

 私の記憶では、ケーキで有名な銀座「ウェスト」に、まさにこの情景が描かれ白壁を飾っている。

 二月二十九日、「沼杏」の会が終わって、そのまま芦ノ湖に走った。確か、〇四年の閏年のことだった。



 翌日早朝から鱒釣りに没頭した。

 生憎、雪がシンシンと降り、風を伴って吹雪に変った。解禁日にも拘らず、釣り人はわたし独りになっていた。

 指先はもとより身体の芯まで冷えていた。いや心の中まで凍てついていた。しきりに死について考えていた。

 

 釣果は……なんと大漁だったのだ。気が付けば、次々と殺生を繰り返していたのだ。

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