56/91
聞かせてよあれからけふの冬日記
平成二十四年一月
君に会いたい。話を聞き、お喋りしたい。
新盆会で再会したかった。無論、それは仏教法話のお話だから逢えるわけがない。
それでなくとも、その年の六月後半の出来事だったから、一か月程度の間隔では、いくら迎え火を焚いて門口に立っていたからといって一時帰宅が許されるわけは無いとも思った。
それとも此処に帰るのを間違えて東京に行ってしまったのかとマジに考えた。
あれから……君はどんな体験をしたんだろう。
明朗の部屋に寝かされて何を思っていたのだろう。
火葬のトキは怖くなかったのか? 君の話を聞きたいだけでなく、此方の事も喋りたい。
あれから以来、私がどんなに淋しいか、哀しいか耳を傾けてくれたことがないじゃないか。
いつものように意見を聞きたいことだって山ほどあるんだよ。
オレが一人では生きてゆけないことを……君が一番知ってるはずだ。