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溢水の長江白鷺低く飛び
平成十七年二月
中国で最も有名な河は揚子江と黄河である。
揚子江はチベット高原に端を発し、雲南四川を経て上海から海に注ぐ。
黄河はタクラマカン砂漠に近い辺りが水源であり、最近、水量が不足している。海抜の点から揚子江の水を黄河に配水することが出来ない。
中国の地図を見ると広大な部分が砂漠と山脈を表す茶色に塗り潰されていて、この傾向はアフリカ大陸も同じだ。
禿山だから降雨があっても保水が効かない。
カラカラだから雲の発生もなく雨が降らない。
畑は干乾びて砂漠と化す。飲料水ですら事欠く始末だ。
大連郊外で、中国軍隊が一列横隊で植林しているのを見掛けた。途方もない広さの国だから、軍隊に頼るしかないのだろう。
栃木県足尾の場合、県とボランテアが植林に励んでいて今は山に緑が戻りつつある。世界的飢餓状態を救うのは、これしかないと思う。