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残照 ~俳句と人生、老いの旅~  作者: 松涛/編集:山鳥はむ
13/91

南海に波頭砕けて仏桑花

平成十六年八月



 「仏桑花」はハイビスカスの和名である。これが季語になるのかどうか……。



 つい先日、長い付き合いの弁護士にお会いした。白哲の端正な顔が日焼けして皮膚さえ剥けている。

 聞くとガダルカナルから帰って来たと言う。

 

 思わず聞き返した。ガ島、別名、「飢島」とも呼ばれているソロモン諸島最大の島である。硫黄島、サイパンに並ぶ戦場である。戦闘、飢餓、疫病、そして自決。日本軍の死者は二万人。

「あそこで父は死にました。だから毎年いくのです」



 臨済宗、山田無文老師は戦跡巡りを四十回余りも続け、敵味方の別なく戦没者の遺骨収集と慰霊に務められた。

 サイパンのバンザイクリフで老師の句碑を見かけた。空白の一文字がどうしても読み取れなかった。



血と涙たたえて■むか春の海

通仙洞太室無文老大師。合掌

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