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枯れてなほ空蝉すがる二月かな
平成十六年二月
閏〇四年二月二十九日。沼杏会でこんな句を披露した。
前稿に吹雪の湖上でボートに揺られながら死について考えていた……と書いたが、その前日の句会のことだった。
何故こんなことを思ったのだろう。
「言霊」という語彙がある。
言葉に宿っている不思議な霊力という意味だとか……出句のとき、下五は「吾のごと」と結んでいたのだ。
杏子先生は、
「既に、なにを言いたいのか判っている。此処になにをもってこようと格別の意味は無い。吾だろうと二月でも何でも宜しい」
と言われ、こう相成った。
私の性格は根暗。いや、ペシミストと言葉を代えよう。実をいうと、そのことは俳句に興味を持って初めて気付いたのだ。
今迄の自分の句をまとめて見直した結果、改めて自分を少し分かってきた。愚痴っぽい嫌な性格だと……そう思う。