表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/25

13

 お金を盗む人は、いったいどうしてそんなことをするのだろうか?

 一・お金がなくて困っているから。

 二・お金が欲しいから。

 三・緊急事態で突然お金が必要だから。

 四・盗めてしまうから。

 五・出来心で。

 あまり誰かの立場に立ってものを考えることが苦手なぼくは、そんなことぐらいしか思い浮かばなかった。果たして現実はどうなのだろう? もっともっと理由はあるのだろうか?

 とはいえ、おそらく動機が二つに絞られることはなんとなくわかる。それは、

 一・お金が必要だから。

 二・巧みに盗むことが出来るから。

 では、今回校内を騒がす連続窃盗犯の動機は、どちらなのであろうか? それとも、やはりぼくがまだ知りえないだけで、盗みを働く動機があるのかもしれない。そして多分そうなのだろう。きっと、ぼくには理解出来ない、想像の及ばない動機だってあるはずだ。

 まあ、どんな動機であれ許すわけにはいかないが。


「小阪くんの財布から、お札だけ盗まれた」

「なんでだよ? だって、財布は貴重品袋に入れてたんだろう? 盗まれるわけないじゃん!」

「でも、実際盗まれてるし……」

「おい、貴重品袋管理してたの誰だよ?」

「……私、だけど」

 金川さんがおそるおそる手を挙げた。クラスみんなの視線が彼女に向けられる。きっと金川さんのようなクラスの中心人物たる人ならば、人の視線を浴びても普段は物怖じしないのだろうけど、今は違っていた。

「……どこかに、置いてたりした?」

 クラスメイトの質問に、金川さんは恐々答える。

「したけど、常に自分の傍には置いてたよ。誰も触れなかったし、盗む余裕なんて……えっ?」

 クラスメイトたちの視線がちょっと冷たくなった。金川さんも含めてみんな、彼女のセリフで脳内に二文浮かんだのだろう。

 金川さんしか貴重品袋には触れていない。

 ならば、犯人は彼女しかありえない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ