最終話 その後
「いらっしゃいませー」
「声が小さい!もう一回!」
「いらっしゃいませー!」
「OK!今度はトーンを上げて」
「いらっしゃいませー♪」
「よし!素敵だ!」
帝国との戦争から一年。
スクランブルでは新人が挨拶の練習をしていた。
商業ギルドは、リリアーナ皇女……いや、帝国が無くなってしまった為、もう皇女ではないか。リリアーナに任せ、王国内の主要な街と獣王国にも支部が出来た。リリアーナは祖国を失ったが今は張り切っている。
「私が国を再建するのです!帝国ではなく、商業国を作るのです!」
あ、ヒビキは先日やっとヘレンと付き合いだした。
「なぁ本当に俺でいいのか?」
「弱気にならないで下さい。勇者……ヒビキさんが良いのよ」
「ヘレン……」
「ヒビキさん…」
「いつも熱々だー」
「カナデはいいの?」
「お義姉さんが出来たのはむしろ嬉しいかな?」
「いや、帰れなくてなんだけど……」
「ミストは私が帰った方がいい?」
「えっ?お、俺は……カナデといたい…」
カナデはミストに抱きつく。
「うん♪私も♪」
「……………」
顔を真っ赤にするミスト。お前らいつの間にそんな関係に?
「………………」
物陰からミッシェルがヒビキを見ていた。
怖いな。そういやなんだかんだでミッシェルはヒビキと仲が良かったよな……店に恋愛問題は持ち込むなよ?
アンガスとゲッコーはそれぞれマリーとミドと結婚した。うん。そうなるよね。
「………………」
相変わらずリュアスは無口だ。ってか……
「…………………」
「…………………」
「…………………」
3人に増えてた。ドライアド……謎だ。植物だからか?見分けつかないんだけど、どうしたらいい?
スクランブル自体はもう少ししたら主要な街に支店をだすつもりだ。
ダンジョンの恩恵はないから大きい店にせず本店から商品を運び、販売するシステム。運ぶのにはトラックを作ったし、PCは元々ある。あとは店長を任せられる人材育成が肝になってくる。
獣人達はウチから出たがらないから新人採用した人族や貴族達が候補だ。特に貴族達は自分の街に建てたら任せて欲しいと乗り気である。ちゃんと暴走しない様に定期的に隣店すれば大丈夫だろう。
俺が外を周る事が多くなれば本店を任せる人材も必要になる。今はイリムが結構頑張ってくれているが、後々はサリアに任せたい。そう言う約束だったからな。
店……だいぶ変わっちゃったけど………
神獣達は今後戦争はないと思うから自由にさせている。契約を解除して出て行くかと思ったが、みんな残った。ソンやオルムは「飯が美味いから!」と言い、モチは「殺伐とした外は嫌!」だそうだ。それでいいのか神獣…
で、本日なんだが……
「店長!準備できましたか?」
ウォッカが俺を呼びにくる。
タキシードを着た俺はチャペルに向かう。
向かった先にはウエディングドレスを着た四人の女性がいた。
「主人殿、妾を娶れるのだ幸せであろう?」
ヒトミが話す。
「神獣二体と婚姻を結ぶか……相変わらず面白い」
シルヴァが言う。
「ふ、ふ、不束者ですが、よ、よろしくお願いする」
リリスは照れ照れだ。
「トール様……私は幸せです…」
イリムが語る。
「健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
神父が尋ねる。
「誓います」
俺が宣言する。
スクランブルは今日からも平常運転だ。
皆様、最後までお読み頂き誠にありがとうございます。
おい異世界!商売舐めるなよ!はこれにて完結させて頂きます。
ここまで、続けて来れたのも皆様の評価が励みになったからだと感じております。
また、思いつきで書いていている作品が有りますので、宜しければそちらもご覧ください。




