第81話 手段手法
短いので連日投稿です。
「今の季節はこの服がいいと思うよ」
「何言ってるんですかアテナさん、今シーズンはレモンイエローのニットが来るんですよ!」
「いやいやライ?ニットは暑いんじゃないかな?この薄手で淡い色合いがいいよ!」
「何話してるんだ?」
アテナてライが言い争って居たので割って入ってみた。何食わぬ顔で来たが、アンズが止めて欲しいと俺を呼びに来たのだ。
「店長……」
「ご主人様はこの服とライのニット、どっちがメインにしたらいいと思う?」
どうやらメインに飾る服でもめてたようだ。
衣料品部門の製作を担う2人の主張、周りは困ってしまった訳か…
「アテナの服は夏らしくてよいな」
「やった!」
「………」
「ライの服も流行を掴んでると思うぞ」
「えっ……」
「そうなんだよ……でも、ウチの品揃えでメインにしたら一品だけ浮いちゃいそうでさ〜」
「えっえ⁈」
「どうしたライ?」
「僕、変な事言ったかな?」
「えっと……店長は絶対アテナさんを支持すると思って……アテナさんも私の服を認めてくれないと思ってたから……」
「そんな事はないぞ?」
「ライ、失礼だよ!僕はそんな事しないよ!」
「ご、ごめんなさい」
「依怙贔屓してもその人の為にならないしな。俺の考えには合わないな〜」
「僕もそんな事されたって嬉しくないね」
「ライだって本気で考えたから熱くなったんだろ?それはいい事だと思うぞ。ただ、次からは周りの事も考えような」
チラッと、カウンターの方に目をやりライに言う。
「はい……」
「で、ライの服は一種類しかないから浮いてしまうのが難点という訳か?」
「そうだね。メインに持っていってもコーナーが作れないよ」
「……………」
「ライ、他にアイディアあるのか?」
「え?」
「あるんだろ?」
「はい……」
「何故言わないんだ?」
「…………」
「否定されるのが怖いか?」
黙って頷くライ。
「言わなければ否定されないだろうが賛成もされないぞ?アイディアがあるならガンガン出していけ」
「………はい!あの、他にもこのニットをメインにしたコーデを数種類考えてあるんです。ただ、アテナさんが言った通りメインに持っていくには足りなくて…でも、サブと言うか、メインのコーナー以外にもう一つ小さいコーナーを作らせてもらえないかと……」
「どうだアテナ?」
「……………いいんじゃないかな」
少し考えた後にアテナが答える。
「ただ、それだと今の什器の並びじゃ難しいね」
「はい………」
再び消沈するライ………
「並び変えちゃお〜!」
「え?いいんですか⁉︎」
「ご主人様、何か不都合ある?」
「動線と通路幅が確保出来るなら問題ないな。今の並びも飽きて来たし時期的にもいいんじゃないか?商いは飽きないとも言うしな」
「意味が分からないよ?」
しまった……喋った言葉は翻訳されるから日本の言葉遊びは通じないのか……
「気にするな。早速始めるか?」
「うん!僕は2コア使って売り場の模様替えを考えるからライはコーデの試作をお願いね。来週には間に合わせるよ!」
「はい!」
なんかアテナも立派に上司やってるなぁ。
ライもいい感じに情熱的だし、本当にウチはスタッフに恵まれてると思うよ。未だサボってるやつ見た事ない。
まぁ皆んな事情を抱えてウチに来た面子だからな。なんか何時迄も感謝されるし。いや感謝してるのは俺なんだがな〜
もし、今後揉めるとしら今回採用した貴族達や商人ギルドで採用した面子だろうな。ギルドの仕事であまり構ってられなかったし。
何もないといいけど………
今回はライが臆病になっていたのが原因だった。コレをしたいがアレはダメと思い込んでいた。固定概念ってやつだな。
そんな時に俺は言う。
ダメな理由はなんだ?
好きな事に理由はいらい。が、嫌いな事やダメな事には理由がある。
俺の持論だ。
ダメな理由を考えて、無かったらそれはダメじゃないんだ。自分の知らないダメな理由があるかも知れない?じゃぁ聞いてみろ。そして試してみろ。ダメだったらやめればいい。取り返しのつかない事以外はドンドンやってみろ。経験は知識に勝る財産だ。百聞は一見にしかず。
その経験は例え失敗だったとしても、糧に出来るだろう。
目的、目標に至る手段手法は一つじゃないんだ。
次は4日を予定してます。




