表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おい異世界!商売舐めるなよ!  作者: クロアリ
80/97

第80話 野望


「うぃ〜疲れたぁ〜」



あれから一月、もう5の月だ。


この一ヶ月はギルドの仕事を優先して馬車馬のように働いた。スクランブルの方は、イリムを中心にしてサリアと2人でなんとかしてもらった。


リリス、アテナ、ゴードン、ゲッコーあたりは職人気質になってきちゃって全体を見て回らせるのには不向きだし、シルキー達やリュアスは言うまでもなくアンガス、マリーも農場が忙しいのだ。ヒビキは未だ負い目を感じていて、上に立ってって言うのは避けている。カナデは経験ないし、まだ日が浅い。ミッシェルはああ見えて……いや、見たまんまドジっ子だから無理。必然的にイリムとサリアに任せる事になってしまった。


スクランブルはオープン一年を記念して定休日を撤廃した。人員は商人ギルドの求人で補充出来たので、今はシフト制にて順番に休みを取っている。月9日が公休だ。年108日になる。そのうち有給制度も作ろう。


その順番の公休にウチの従業員達は商人ギルドを見に来る。皆んな俺を手伝いたいって言ってくれるのだが、断固として断る。


いや、すげー嬉しいんだよ。思わず顔がにやけるくらい嬉しいんだけど、業務外の仕事を頼むのは商人としての矜持に反する。


もし、二進も三進も行かなくなったら頼むよとやんわり断った。


それよりもって言って商人ギルドを見に来た従業員には商人ギルドに登録した面白そうな商店や飲食店を紹介する。ぶっちゃけ俺は今見に行く余裕がないから代わりに見に言って欲しいと伝えて……


それが功を奏して、今従業員達は外で金を使う喜びを見出し始めた。まぁ始めは俺の代わりに市場調査をしているつもりだったんだろうけど、ウチにはない、そんな物も外にはあると気づいて欲しかったのだ。


ウチのみんなは俺の為を考え過ぎなのだ。もっと自分の為になる事もしたらいい。自分も含めての笑顔の為に頑張ってほしいと思う。


そんな訳で久々にスクランブルの店長室にいる。店長室なんてあったのか?あったんだよ。一階応接間の隣に。主に事務仕事の時に使っている。


そして今はテーブルでだれている。


あれだ、五月病だ。四月に頑張りすぎた新入社員が五月にヘタれるあれだ。


嘘です。そんなんでヘタれる健康管理はしていません。ただ、疲れただけです。


助かったのはGWがない事。世間では嬉しい大型連休も小売業には地獄の忙しさだ。いやいや、書き入れ時なんだから文句言っちゃダメだな。


「トールさん、コーヒーが入りましたよ」


「ありがとうございます。リリアーナ皇女様」



リリアーナ皇女がコーヒーを入れてくれた。皇女様にコーヒー入れさせるとか俺、どんだけ偉くなったんだよ……



「なんか申し訳ないですね」


「いえいえ、匿って頂けるだけでも助かっていますからこれくらいは」


「ご謙遜を。助かっているのは此方ですよ」



流石に匿っているリリアーナ皇女を表で接客させたりする訳には行かないので今は会計をして貰っている。俺が商人ギルドにいる間、サリアと共に事務仕事を引き受けてくれていた。


リリアーナ皇女は流石と言ったところか、もともと頭が良く、計算も早かった。PCもインストールなしで覚え、今では1人で経営シミュレーションまで出来る。まだ二ヶ月も経ってないのにスゲーよな。


レオさんとサイアスさんには皇女の存在を教えていた為、税収時も問題がなかった。


ちなみにゴメスは店長室の入り口でガードをしている。ウチのダンジョンがいくら防犯特化していても、人目があるとないとでは対応速度が違うからだ。まぁゴメスも表に出せないし、これがベストだと思う。



「リリアーナ皇女様、貴女が外に出れるようになったら商人ギルドのマスターしませか?」


「私がですか?」


「はい、貴女さえよろしければですが」


「理由をお伺いしても?」


「えぇ、まず、貴女の能力が高く非常に有能である事、特に事務、会計、経営に関しては文句なしです。しかし、商品知識といいますか、時期や季節による売り上げ変動に対応する知識、経験はありません。これは商店よりも、国やギルドを運営するのに向いてると思うんですよ。


次に商人ギルドはいずれ他の街にも展開する事を予定しております。更には他国にも……冒険者ギルドにも負けないものになると自負しております。当店のPCを使ったネットワークを活用し各国の物流を一手に担えるギルドは国とも渡り合えるでしょう。リリアーナ第二皇女様、貴女は第二皇女様だ。王位継承権は高くないのでしょう?でしたらその能力をギルドで生かし、帝国と渡り合ってみませんか?」



リリアーナ皇女の能力を買っているのは本当だ。あわよくばギルドマスターを押し付けたいとか思っては……いる。


でもなぁリリアーナ皇女の為にもなると思うんだよ。ギルドが大きくなればさっき言った事は実現出来る。まず国外まで支店を出す事が必要になるけど……



「…………ですね」


「はい?」


「良いですね!私にも希望が見えてきました!」



おぉ……なんか予想以上に意欲的だぞ……



「私の力で父様や兄様、姉様を見返してやりるんです!帝国だけじゃなく、教王国にも人族至上主義を辞めさせ、獣人国やエルフの国、魔国も人族と手を取り合わせ……」



あれ?そこまでやっちゃうの?ってか出来るかな?



「燃えてきました!ギルドの裏方なら今からでも学べますよね⁉︎トールさん、ご指導お願い致します!」


「あ、は、はい」



なんかヤバいの炊きつけちゃったかな?


リリアーナ皇女が商人ギルドで働く事になりました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ