第67話 面接
「次の方どうぞ」
「うむ、入る。光栄に思え、私に使える事を許してやろう」
「はい、さようならー」
「な!貴様!ま、まて、離せ!」
身なりの良い男性がヒビキに拘束され退場していく。
今何をしてるのかと言うと、まぁ面接だ。以前、レオさんに頼んで騎士や文官の募集と一緒にしてもらった求人の応募が思った以上にあって、今日はその面接をしている。
が、まぁ騎士や文官の募集ってか国から出た募集と一緒だったからか貴族が多いんだよ。次男、三男とか家を継がない奴ら。
んで、半分がさっきみたいな腐った奴ら。この国の貴族はマトモだと思ってたんだけどな〜レオさんの睨みでちょっかい出せなかっただけなのかな?んで、外がダメなら中からって感じで来てるのかな〜?
はぁ〜時間の無駄だ。
でも、まぁ半分がダメなだけで残り半分は比較的まともそう。貴族はそのまた半分なんだけど……
「次の方どうぞ」
「失礼します」
お、マトモだ。
「お座りください」
「はい」
「お名前と志望動機をお聞かせ願えますか?」
「はい、私はアーノルド・イェガーと申します。王都より北に5日ほど向かった先の街を収めますイェガー家、三男になります。この度、貴方の商会に応募させて頂いた動機としましては………」
あれ?つまった?
「…………正直いいますと、家を出れるのであれば、何処でも良かったのです。貴方の商会は国王様もよくご利用され御目通りも良い事から父の反対もなく、募集する事が出来たので……」
「正直ですね」
いや、本当に正直だと思うんだ。この世界で商人になりたい貴族なんてあまりいないだろう。力自慢は冒険者や騎士になるし、知恵の働く者は文官を目指すもんだ。
「文官とかではダメだったんですか?」
「国の管轄内では父から離れられないので……それに今は店内を見させて頂いて、ここで働きたいと考えています。未知の商品や施設、考えただけでワクワクしています」
「あぁ〜商品や施設はダンジョンの機能を用いていますので、真似て独立したりは出来ませんよ?」
「そ、そうなのですか」
「私どもが貴方に教えてあげられる事は、経営の基礎と考え方、心構えといったところです」
「……………」
「たかが精神論と思わないで下さい。陰気な方と陽気な方、主人にするなら何方ですか?」
「それは勿論、陽気な方です」
「ですよね。普通の方は誰も陰気な方を選ばないと思います。でも、陽気な方はいつも、何時迄も陽気でいれると思いますか?」
「それは……」
「いてほしい。陰気になる想像が出来ないと言ったところでしょうか?しかし、実際人ですから、そんな事はないでしょう。ですが、上に立つならそんな所は見せられない。部下が不安になりますからね」
「……………」
「ここでは、そう言った事なら教えれます。まぁ口で言っただけで理解するのは難しいと思いますが、体感する事、経験する事、そして積み重ねる事で強くなります」
「……………」
「当店も今後人が増えれば他の街に支店を出す事もあるでしょう。商品はここでしか作れませんが、生産の目処さえつけば転移陣にて搬送が可能ですから。それを任される人財になる自信はありますか?」
「正直……今はまだ分かりません。しかし、成れると言ってくださるなら成ろうと思います。自信と言うか………覚悟はあります」
「素敵な言葉です。アーノルドさん、これからよろしくお願いします」
「ありがとうございます!」
アーノルド青年が退出する。
なかなか良い人財をゲットしたぜ。素直で正直。下手に上部を塗り固めたやつより伸びるだろう。いや、塗り固めた奴も見た目印象を良くする努力が出来るっていう意味じゃ評価するけどね。個人的にアーノルド青年が気に入っただけなワケだ。
いや面接でこう言うのは大事だと思うんだよ。フィーリングって言うかね。合わないスタッフと無理に付き合うよりずっといいと思う。
この世界に性格診断テストとかないし、俺がフィーリングで決めてもいいよね?
そこから何人か面接して、最終的には貴族3人、一般市民人族2人、魔族1人を採用する事にした。
後日研修を行い、適性を見て配属を決める事を伝えてある。
いや〜なんとか人員補充したけど、まだ足りないな〜アーノルド青年に言った支店はいったいいつになるやら。
いや、嘘ついた訳じゃないよ。やるつもりはあるよ。いつとは言ってないだけで。
まぁ人員増えたらね。増えたらそれだけ稼がなきゃ賄えないんだから売る場所を増やすのは当たり前の事だよな。
あ!いい事を思いついた。




