第63話 奪取して脱出
「まず妾が行くのじゃ」
ヒトミさんが猫の姿で見張りの前にでたっす。
「にゃー」
「なんだ?猫?」
見張りが無警戒にヒトミさんに近づいた瞬間、ヒトミさんの足元から霧が噴出されたっす。
見張りはあっけなく眠ってしまったっす。
俺は素早くヒトミさんに近づいたっす。
「無詠唱っすか……流石っす」
「魔物だった妾が喋れないのにどうやって詠唱しろと言うのだ?」
うわ、正論っす。先輩が教えてくれたから俺も得意な魔法は無詠唱出来るっすけど、先輩がやり方を発見しなくても魔物を研究してれば、発見出来たかも知れないっすね。
もしくは既に発見されているが、個人の強さを保持するため秘匿されてるかもっす。
「なにボサッとしておる。行くぞ」
「は、はいっす」
ヒトミさんと宿舎に入るっす。一階の兵士はヒトミさんのヒュノプスで既に夢の中っす。
「ん?」
「どうかしたっすか?」
「いや………なんでもない」
変なヒトミさんっす。って変って言えるほどこの人のことよく知らないっすけど。あ、人ですらなかったっす。
俺たちは素早く地下牢に向かうっす。
地下牢に付くと見張りがいたっすが、ヒトミさんが背後から一撃かまして意識を奪ったっす。
「ゴメス、無事っすか?」
「……勇者殿?なぜここに?」
「助けに来たっすよ」
「危険ではないか⁉︎」
「俺が来なきゃ先輩が乗り込みそうだったんすよ。大声出さないでほしいっす」
「す、すまない……」
「さっさと出るっすよ」
見張りから奪った鍵で牢を開けゴメスを出したっす。
「ゴメス、走れるっす?」
「抵抗せずに捕まったから問題ない」
ゴメスからすれば抵抗して己だけ逃げる事は意味がなかったからっすね。
「皇女様はどこっすか?」
「こっちに隠し扉がある」
俺達はゴメスの後をついて行き、隠し扉を開けたっす。ゴメスもよく見つけたっすね。
隠し扉の中は地下とは思えない明るさで綺麗な部屋になってたっす。
「誰ですか?」
「私はゴメスです。リリアーナ様」
中には第2皇女ことリリアーナ様がいたっす。
「ゴメス?私は出れるのですか?」
「いえ、残念ながらリリアーナ様は公的には死亡した事になっております」
「なんで………いえ、そうですね。お父様……いえ、奴ならそうしますね」
「奴?」
「…貴方は勇者様?」
「あ、はいっす。勇者として召喚されたヒビキっす。リリアーナ様ご無沙汰してました。処で奴とは?」
「後で話します。離反した勇者様が一緒にいると言う事はゴメスも反旗を翻したのでしょう?まずは脱出しましょう」
「畏まりました」
冷静な判断、恐れ入るっす。
再びヒトミさんを先頭に地下牢から一階へもどって来たっす。
ドコーン!
突然外から轟音が響いたっす!俺たちは慌てて外に出たっす!
外ではクーロンが人化を解き黒い人影と闘っていたっす!




